民法819条(単独親権制度)改正を求め共同親権・共同監護制度の導入・ハーグ条約締結の推進と活動を行っています

親子引き離し

一方の親による別居時の子どもの連れ去り、その後の別居親と子どもの引き離しは、引き離された親子に対する人権侵害です。日本では、日弁連が「子を一方的に連れ去るのは違法である」と公式に発表しておきながら、弁護士が子どもの連れ去りを指南し、裁判官が追認するという恐ろしい人権侵害が行われています。
子の連れ去り、親子引き離しが不当行為である理由と科学的な根拠については、Kネット九州がまとめた資料を参照ください。⇒Kネット九州・資料

子どもの連れ去りを指南する弁護士

「弁護士が書いた30代離婚の教科書」(大川浩介・辻祥子弁護士著)には、「親権を譲りたくないときは、必ず子どもを連れて別居する」「(一方の配偶者名義の預貯金を含め)必要な物は別居時にすべて持ち出す」など、一般国民では非常識なことが、法曹界で常識として考えられていることが記載されています。

「弁護士が書いた30代離婚の教科書」(抜粋)

日本弁護士連合会 人権問題の取組み

平成21年3月1日に発行された「日弁連六十年」で日本弁護士連合会が記述している「人権問題の取組み」です。
http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/publication/books/data/60kinenshi_2_4.pdf
離婚後の共同親権の実現、面会交流権の保障、別居時の違法な連れ去り等人権問題、ハーグ条約批准等について日弁連として取り組んでいることが記述されています。

第2章 人権問題の取組み
家事事件においては、離婚や子どもの監護に関する紛争のなかで、子どもの権利が脅かされる場面が多く、この分野での取組みも重要である。
1 両親の離婚に伴う子どもの権利
 (1)両親の離婚が子どもに及ぼす影響
 両親が離婚したり、紛争を抱えて別居したりするなどの事態が生ずると、子どもをめぐる環境に重大な変化が生じる。監護状況の変化により、それまでの保護環境が悪化するなどの事態も発生するし、また大きな心理的影響を与える。特に年少の子どもに対しては、その精神面、心理面への影響は大きい。さらに両親の別居、離婚により、子どもは父母いずれか一方の監護に服することになり、非監護親との日常的な接触を絶たれる事態も生じる。
 このような子どもに対する悪影響を最小限に抑え、環境を保護されることは、子どもにとっての権利でもある
 (2)離婚後の親権についての法制-共同親権の実現に向けた取組み
 現行民法は、両親が離婚すると未成年の子の親権については、父母いずれか一方の単独親権に服するものと定めている。しかし、このような単独親権の制度のために、親権争いが子の取り合いにいたるなど必要以上に激化したり、親権が一方に決められたりすることによって、他方の親が子の監護についてまったく権限がなくなり、面会交流の制度の不備ともあいまって、子どもとの接触を絶たれてしまうなど、子の権利・福祉の観点からも見過ごせない問題が生じることがある。
 この点、欧米諸国では、すでに共同親権の制度が実現しており、離婚後も両親ともに子どもの監護に関する権限と責任を有することが可能な制度となっている。
 わが国においても単独親権のみを定める民法が実情に照らしてもはや相当とはいいがたく、日弁連では、2006(平成18)年以降、3回にわたってシンポジウムを開催するなど、共同親権を実現するための法改正に向けて継続して調査研究をすすめている。
 (3)面会交流権の保障
 両親の離婚ないし別居により父または母と別居するに至った子どもにとって、非監護親ないし別居親との接触の機会を確保して、精神的つながりを維持し、良好な関係を保つことは、その成長にとってきわめて重要であり、健全に成長発達するための権利である。また、親にとっても、別居する子どもとの接触を確保することは、自然の情愛に基づく権利であるということができる。
 実務上子どもとの面会交流は子の監護に関する処分の一種として認められているが、両親の間の葛藤や反発が大きいことなどにより、その実施がスムーズに行われない事態が生ずることがある。面会交流を強制的に実現するための法律上の制度として、履行勧告や間接強制の制度があるが、必ずしも十分であるとはいえない。
 今後、面会交流権の保障を強化するための運用を確立する必要があるとともに、面会交流の実施を援助するための機関や制度を整え、充実させる必要があり、そのための調査研究を行っている。

2 子の奪取
 離婚紛争に伴い、親の一方が別居するにあたって子を一方的に連れ去ったり別居している非監護親が子を連れ去ったりするなどの事態がしばしば生ずる。本来、子の監護をめぐる紛争は協議によって解決するか、協議が整わないときは家庭裁判所の手続きによって解決すべきものであり、そのような手続きを経ないで子を一方的に連れ去るのは違法である。しかし、わが国では、このような違法な連れ去りがあったとしても、現状を重視する実務のもとで、違法行為がまったく問題とされないどころか、違法に連れ去った者が親権者の決定において有利な立場に立つのが一般である。
 ところで、国際間の子の奪い合いが発生した場合の対処について定める条約として「国際的な子の奪取の民事面に関する条約」(いわゆるハーグ条約)がある。これは、共同監護者の一人の監護権を侵害する子の連れ去りは不法なものであるとされ、このような不法な子の連れ去りが発生した場合の迅速な返還の手続きを定めている。わが国は、この条約を批准していないために、子の連れ去り天国であるとの国際的非難を受けているのみならず、他国の裁判所では、わが国がこの条約を批准していないことを理由に、日本国籍の親を監護権者の指定するのは相当でないとの判断もなされている。
 日弁連は、2003(平成15)年5月の「子どもの権利条約に基づく第二回日本政府報告に関する日本弁護士連合会の報告書」(カウンターレポート)においてこの条約の批准を求める意見を述べるなど、取組みをすすめている。
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日本における親による連れ去り事件 子どもの連れ去りをする者たち~日本の家族制度の暗闇 Parental abduction in Japan /Child-snatchers/ A dark side to family life in Japan

出典:The Economist 平成24年1月21日

日本における親による連れ去り事件 子どもの連れ去りをする者たち~日本の家族制度の暗闇

 このクリスマスに、アメリカ在住のニカラグア人であるモイセス・ガルシアさんは、ほぼ4年間を費やし、そして、35万ドルを費やして戦った結果、プレゼントを手にすることができた。それは、9歳になる娘が戻ってきたことである。2008年、カリーナちゃんは、母親により日本に連れ去られた。そして、その時から、彼は娘と会う権利を勝ち取るために日本の裁判所で戦い続けた。 その間、彼は3回しか娘と会えず、そして、一番長い時ですら2時間だけであった。
 その後、彼は幸運に恵まれた。4月に、カリーナちゃんの母親は、グリーンカードの更新のためにハワイへ旅行し、子どもの誘拐の罪で空港で逮捕されたのである。司法取引の一環で、その母親は、カリーナちゃんを放棄した。その結果、カリーナちゃんは、日本人の親により奪われた子どものうち、裁判所を通じてアメリカに戻ることのできた最初の子どもとなった。(親権争いに巻き込まれたカリーナちゃんには、本当に気の毒である)
 このような連れ去りにより、アメリカは、日本に対し、ハーグ条約に加盟するよう圧力をかける諸外国の一つとなった。日本は、今年に加盟するとしている。ハーグ条約とは、一方の親により16歳まで子どもが連れ去られた際に、住んでいた国に迅速に返還させることを定めた条約である。外務省によると、アメリカから日本に連れ去られた事例は約100件ほどあり、その他の国からの連れ去り事例も非常に多いとのことである。
 しかし、別のカテゴリーに含まれる親たち、すなわち、日本に住み子どもに会えない親にとって、ハーグ条約に加盟したところで、その状況は全く変わらない。日本の法制度は、他国とは異なり、離婚後の共同親権を認めていない。それに代わり、離婚後は親権者を一人とすることを子どもに強いるのである。家庭裁判所は、通常、裁判をしている時点で子どもを確保している親(多くの場合は母親である)に親権を与える。それがたとえ、子どもを連れ去った親であってもである。家裁は、「置き去り」にされた親に対し、わずかな面会交流(=子どもと一定時間、共に過ごすこと)すら強制することはできない。そして、多くの父親が、子どもの人生から完全に消えてしまうのである。公的な統計を利用し推定すると、毎年、約15万人以上の親が子どもと会うことができなくなっている。何人かの親は、自らの判断で面会交流を実施しているが、ほとんどの親は実施を拒絶しているのが現状である。
 そのような父親の一人であり、ある市の元副市長でもあった者は、このような仕組みを「囚人のジレンマ」の婚姻版だと述べる。彼が言うには、結婚生活が破綻し始めた際、言葉に出さなくとも重要となってくるのは、「父親と母親、どっちが先に子どもを奪い去るか」だという。そして、彼のケースでは、元妻が先に奪い去った。そして、彼は、この2年間、今や4歳になった娘と一度も会えていない。彼が娘に贈ったプレゼントは開封もせずに送り返されてくる。そして、このような行為を家庭裁判所は支持するのである。彼が家庭裁判所の裁判官に対し面会交流を推進する民法改正がなされたことに言及した際、その裁判官は彼を黙らせたのである。
 この民法改正を推し進めた江田五月元法務大臣は、この改正がより寛容な面会交流を促進することに繋がることを期待すると言う。彼は、この改正が将来的には離婚後の共同親権についての真摯な議論に繋がることについても期待を表明した。 しかし、彼は、「日本の裁判官は非常に頑迷であり、『彼らの意識を変えることは困難だ』」と警告した。
 過去、北朝鮮に連れ去られた何十人かの国民の迅速な返還を長年求めてきた国が、毎年、自国で行われている莫大な数の連れ去りを黙々と支援している、というのは非常に残酷なねじれである。
 この置き去りにされた父親は、「私と同じ状況に置かれた者が数多く自殺している」と言う。
 そして、彼は言葉をこう続けた、
 「私もその気持ちが良く理解できる」

離踏後の別居親と子ども 面会交流のルール作りを 引き離してはダメ 「片親疎外」心に悪影響

出典:大分合同新聞 平成23年12月8日

離踏後の別居親と子ども 面会交流のルール作りを

両親の離婚後に、離れて暮らす別居親と子どもが会い、親子の絆を育む面会交流。5月の民法改正で初めて明文化され、今後は離婚時に、その方法について協議しておくことになった。しかし現実には、同居親が子どもと別居親との交流を拒んだり、片方の親が一方的に子どもを連れ去る「引き離し」や「片親疎外」が後を絶たず、子どもの情緒面への悪影響も指摘されている面会交流の在り方について考える。

 日本では離婚後、父母のいずれかだけで子どもを育てることが多いが、欧米や中国、台湾などでは、DVなどの極端な場合を除き、夫婦の離婚後も双方が子どもに関わって養育するのが一般的となっている。
 福岡市で11月にあった離婚後の親と子の引き離しについて考えるシンポジウム(主催“Kネット福岡)。離婚後の親子交流を研究する大正大学人間学部臨床心理学科の青木聡教授が講演し、「欧米は、別居親と子どもの定期的な面会交流を重視し、仲介システムも整っている。子どもが片方の親の影響を受け、正当な理由なくもう一方の親との交流を拒む『片親疎外』を防ぐ取り組みも進んでいる」と解説した。
 青木教授によると、米国では子どもを持つ夫婦が離婚する際、面会交流を含む子どもの養育の重要性や適切な対応、法的手続きなどについて学ぶ教育プログラムを受講し、養育プランを提出することが義務付けられているという。     ・
 例えばアリゾナ州では、別居親と子どもが毎週1回夕方数時間に加え、隔週で3泊4日を一緒に過ごすのが標準的なプラン。プランの定期的な見直しや、関係が悪化した親子のフォロー体制、子どもの代理人制度まで整う。面会交流をつなぐシステムが始まったばかりの日本では、裁判で提示される面会交流時間は月1回数時間程度で、欧米とは大きな差がある。

 引き離してはダメ 「片親疎外」心に悪影響

 米国が面会交流を手厚くバックァツプする背景には、片親疎外が子どもに自己肯定感や基本的信頼感の低下、抑うつ傾向などの悪影響を及ぼすという研究報告がある。2010年に青木教授が国内で大学生に実施した調査でも同様の結果が出ており、「片親疎外は、子どもへの情緒的虐待。子どもの福祉を考えた離婚後のシステム作りが必要」と青木教授は訴える。
 シンポジウムには、幼少時に親が離婚し、母親と長く連絡が途絶えていた男性(18)もパネリストとして出席。「母に会いたかったけれど、父が怖くて言えなかった。親に裏切られたと思ったら人を信用できなくなり、荒れた時期もあった。もっと子どものことを考えてほしい」と話した。(吉田美佳)

更新 2013-09-30 (月) 03:24:25
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