民法819条(単独親権制度)改正を求め共同親権・共同監護制度の導入・ハーグ条約締結の推進と活動を行っています

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離婚しても一緒に子育て?「共同養育」は子どもの成長にもプラス

出典:令和3年5月6日 Benesse たまひよ

離婚しても一緒に子育て?「共同養育」は子どもの成長にもプラス

パートナーとの離婚を考えたことがありますか?日本の離婚率は35%前後、3組に1組が離婚している現状です。今は幸せでも、ちょっとした気持ちのすれ違いはどの夫婦にも起こりうるもの。でも離婚して子どもを1人で育てるのも心配…。共同養育実践に向けたサポートをする一般社団法人「りむすび」の代表しばはし聡子さんに、離婚後の子育てについて話を聞きました。

別居・離婚をしても子どもが両親の愛情を感じられることが大事

――平成28年度の調査(※1)によると、母子家庭になった(死別以外)ときの一番下の子どもの年齢は、0~2才のときが39.6%と最も多く、出産後から幼児期の親が離婚の危機を迎えやすいようです。離婚は、子どもが小さいうちにはどんな影響があるでしょうか。

しばはしさん(以下敬称略) 産後クライシスやワンオペ育児など、育児に大変な時期はお互いに余裕がなく、夫婦の気持ちのすれ違いから離婚を考えてしまうこともあるでしょう。
0〜2才くらいの小さい子は、パパとママがけんかするなどの夫婦仲の悪さは、不安として五感で受け取ります。3才〜未就学児くらいになると、離婚という言葉もわかりはじめてくる。ママやパパに会えなくなると「自分が悪い子だから離婚しちゃったんだ」と自分を責めてしまう子もいます。だけど、いちばん近くにいるはずの親に、不安な気持ちを話せず、小さな胸を痛めているかもしれません。

――小さな子どもがいる親が離婚を考えるとき、どのようなかかわりを考えればいいでしょうか。

しばはし 離婚は、子どもにとっては必ずダメージになります。それ以上に傷つけないためには、子どもの環境を変えないこと、子どもから親を奪わないことが大事です。
つまり、離婚をして別居しても、きちんと親子が会う時間を作り、親同士として子育てにかかわること。元パートナーの話題をタブーにしないこと。子どもが親の顔色をうかがわずに、なんでも聞ける、話せる状態にしておくことが必要です。このように、離婚をしても親同士として子育てにかかわることを「共同養育」といいます。

離婚後に子どもに会えない人は7割。共同養育は子どもの成長にもプラスに

――日本では離婚したら「ひとり親」というイメージが強い気がします。

しばはし 日本では、離婚後は父母どちらかが親権を持つ単独親権であり、子と離れて暮らす親が交流する「面会交流」の実施率は約3割。離婚後に親に会えない子どもは7割もいます。養育費の不払いやひとり親家庭の貧困も社会問題になっています。

一方、欧米諸国の多くは「共同親権」で離婚後も両親がともに子育てすることが珍しくありません。面会交流やカウンセリングなどの公的な支援機関もあります。離婚後も両親が子どもとかかわることは当然のことであり、子どもは両親からの愛情を受けることで、心身ともに健康に育つとの考え方です。

――「共同養育」するとなると、どのくらいの頻度で交流するのですか?

しばはし 面会交流の頻度は、家族の形態や子どもの年齢によりさまざまです。一般的に裁判所で決められる面会交流は、月1回、2〜3時間が相場ですが、とても少ないですよね。実際に共同養育している例では、平日は同居親と一緒に過ごし、休日は別居親と過ごすパターンが多いですが、曜日交代、1週間交代といったケースなどもあります。
遠方に住んでいる場合は直接会う頻度は減りますが、オンラインでの交流を取り入れるなど多岐に亘ります。

子どもの立場で、親同士としてかかわり続けることが大事

――とはいえ、離婚したいと思う相手と、親同士としてかかわろうと気持ちを切り替えることも難しい気がします。

しばはし そうですよね。私自身も6年前に離婚を経験しましたが、1年間ほどは「子どもを父親に会わせたくない」と後ろ向きな気持ちでいました。元夫から届くメールも自分を責めている気がして、怖くて見られないことも。けれど、そのうち子どもが精神的に不安定になってしまい、その後悔から元夫と前向きにかかわるように。私から元夫に連絡してみたら、みるみる関係がよくなり、子どもの表情も明るくなったんです。

夫婦が別れても「親子」は続きます。自分にとっては嫌いなパートナーでも、子どもにとっては大事な親。離婚を考えるなら、まず子どもの実母・実父はずっと1人だ、ということを知ってほしいです。
相手と縁を切りたいという感情だけで離婚に臨むと、関係が悪化してもめてしまいがち。ですが、共同養育者としてかかわることを前提に離婚を考えるのであれば、円満にとはならずとも、争わずに済むと思います。
もちろん原則として、元パートナーが子どもに暴力や危害を与える可能性がある場合は、先に適切な対応が必要です。

――両親が争っていなければ、子どもへの負担も少なくなるのでしょうか。

しばはし 離れて暮らしていても、両親が争わずに共同養育ができると、子どもは両親の愛情を感じ、自分を責めずに済みます。お友だちにも別居している親の話ができるし、別居している親が保育園行事にも参加すれば「自分にはパパ(ママ)がいない」と悲しい思いをしなくて済みますよね。

子どもの年齢に関係なく、離婚しても親は2人、ということを多くの人に知っておいてほしいと思います。

――共同養育が広まることでひとり親家庭の貧困などにも影響すると考えられますか?

しばはし 現状として、母子家庭で養育費を「継続して受けている」人の割合は24.3%で、平均月額は4万3707円(※1)、ひとり親世帯の貧困率は50%を超えています(※2)。シングルマザーの場合は、元夫と共同養育して親同士の育児分担ができれば、仕事をして収入を上げる機会も増えるでしょう。
また、元夫側も子どもとの交流が増えることで、養育費を支払うモチベーションにもつながります。
離婚はしないに越したことはありませんが、もし離婚するなら、子どもを中心に考え、親同士で分担して育てるほうが、子どもにも親にも社会的にもメリットが大きいと思います。

お話・監修/しばはし聡子さん 取材・文/早川奈緒子、ひよこクラブ編集部

パートナーとの関係がうまくいかないとき、感情のままに離婚に踏み切ってしまう前に、一度立ち止まって考えてみましょう。子どもの気持ちや将来などを踏まえ、パートナーと協力して子育てすることが、家族の幸せにつながるのかもしれません。

(※1)厚生労働省 平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11920000-Kodomokateikyoku/0000190327.pdf

(※2)厚生労働省 国民生活基礎調査(平成28年)の結果から グラフで見る世帯の状況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/20-21-h28_rev2.pdf

諸悪の根源は「単独親権」|三谷英弘

出典:令和3年4月30日 月刊Hanadaプラス

諸悪の根源は「単独親権」|三谷英弘

「実子誘拐」は人権侵害だ

月刊『Hanada』2020年5、6月号で報じられたが、国境を越えた「子どもの拉致」(チャイルド・アブダクション)だけではなく、実は日本国内でも「拉致」が行われていることを知っている人は多くはないだろう。

なぜ、私がこの問題に関心を持ったのか。
きっかけは弁護士時代に遡る。

「家に帰ったら誰もいない──」
女性の側に子どもを連れ去られた男性の声を聞いたのがきっかけである。私は企業法務の仕事がメインだったが、クライアントの身内でこのようなことが起こったことを聞いて衝撃を受けた。

日本は単独親権の国であるということすら、当時はあまり意識していなかった。
「子どもを連れて実家に帰らせていただきます」というような話は、日本では当たり前のように耳にする。いわゆる「三行半」という文化だ。だがこのカルチャーは、日本では「常識」かもしれないが、世界では「非常識」なのである。

「実子誘拐」は人権侵害であり、海外から子どもを連れ帰った母親が、国際指名手配を受けている例も少なくない。これは国外だけの問題ではない。実は、国内においてもこのようなケースは数多く存在する。

私が実際にかかわったなかにも、ある日突然、女性が子どもを連れて出て行ってしまった、そんなケースがあった。女性は子どもを連れ去ったあと、ワンルームの部屋を借り母子2人で生活し、飲食店での接客業を行うため、夜は子どもをひとりにして放置。

他方、男性には快適な住居があり、普段から愛情を注いでくれていた祖父母も近くに住んでいる。そして何より、父子の関係は良好そのもの。離婚したあとも、子どもを監護するうえではまったく問題のない環境であった。客観的な状況判断をすると、男性の側で子どもの面倒を見たほうがいいのは火を見るよりも明らかだ。

だが、実際はそうはならなかった。基本的に日本の裁判官は「継続性の原則」「母親優先の原則」で動いており、そこに虚偽のDVが加われば男性に勝ち目はない。

手を上げたことなど一度もないにもかかわらず、妻子に暴力を振るうだとか、インターネットに夢中で家庭を顧みないだとか、母親の勝手な言い分ばかりが通り、結果的に男性から子どもを奪う形となってしまったのだ。

「金だけ出せ」という不義

子どもを育てる資格を奪われたうえに、裁判所に言われたのは「金を出せ」。
つまり、「裕福なあなたがお金を出せば、母親も働かなくて済む。そうすれば、1人でも子どもの面倒はちゃんと見られる」。

しかし男性側から見れば、それはあまりにも納得しかねる結論だった。親権を奪われ、子どもにも会わせてもらえない、そのうえ、金だけ払え。これで納得する父親がいるだろうか。普通に考えれば、いるわけがないだろう。

しかし、家裁がこのような結論を出せば、男性は泣く泣く従うしかないというのが現状だ。父親が戦える場所は、日本にはほとんど残されていないからである。

面会交流を求める調停件数は近年、増加傾向にある。司法統計平成28年度版によると、その調停件数は、全国で1万2,341件にのぼる。この数は氷山の一角であり、おそらくその件数の何十倍もの「実子誘拐」が行われていることは想像に難くない。

常識的に判断をすれば父親の側にいたほうが良いというケースは多々あるのだが、不思議なことに、日本ではそうなるケースは少ない。

「子どもは母親が育てるべき」というカルチャーが、日本には根強く残っているからだろう。先のケースでは、調査官は母親と子どもがどのような関係にあるのかの確認を行ったが、他方で父親と連れ去られた子どもの関係性は確認すら行われなかった。母親と子どもの関係に問題がなければそれでよし、と判断するからだ。

見捨てられた子への虐待

子どもの意見は聞かないのか。

もちろん、裁判の段階で一定の年齢に達していれば子どもの意見を聞くことも多い。しかし、連れ去られた子どもたちは一緒にいる親の顔色を窺う。その子が何歳であろうと、「お父さんはひどい」「お父さんはひどい」と言って育てられると、次第に子どもも「お父さんはひどい」と思うようになる。その結果、不幸なことだが、「お父さんに会いたい?」と訊かれても、「会いたくない」という子どもに育ってしまう。

連れ去られた直後ならば「お父さんに会いたい」という子どももいるだろうが、半年、1年の間、お父さんの悪口を吹き込まれた子どもが「お父さんに会いたい」という気持ちを正直に吐露することなどできるだろうか。これを子どもへの虐待と言わずして何というのだろうか。

先のケースではまだ子どもが小さかったからか、子どもの意見は聞かれなかった。自分の意見を話す能力さえ認められない、そんな小さな子どもが、母親が仕事をしている夜の間、ずっと1人で放置されている。結果として、それを裁判所が追認するのは常識的に考えておかしくないだろうか。

裁判官も弁護士も、子どもの権利など実際には黙殺しているというのがいまの日本の姿だ。
裁判所は機能不全を起こしているといっても過言ではない。裁判官自身もこの手の案件はあまり積極的ではないのか、親子の関係性などの専門的な知見だけではなく、離婚に至る経緯や現在の境遇などについても調査官の報告を鵜呑みにする傾向が強い。事実認定は裁判官の職責であるにもかかわらず、事実上、調査官が行っているのだ。

いろいろ調べていくうちに、多くの方がこの問題で苦しんでいることがわかった。女性が虚偽のDVで男性を訴えるケースも多く、母親の言い分ばかりが通ってしまう。
これでは世の男性たちは報われない。

日本はなぜ単独親権なのか

なぜ、このようなことが罷り通るのか。

単独親権こそが諸悪の根源だ。

現在、先進国で単独親権なのは日本のみ。かつては米国も欧州もすべて単独親権だったが、いずれもここ半世紀の間に共同親権になった。日本だけがおかしかったのではないのだが、いつのまにか、日本だけが世界の潮流から取り残されてしまった。

単独親権から共同親権へ。
この法整備をするにあたっては、いまの日本と同様、どの国も苦労した。だが、子どもの権利をどう守るのかを考えつくし、その結果、共同親権が導入されたのである。

共同親権の導入に反対する人たちは、髪を切る、歯医者に行く、このような些細なことでも共同親権者の許可が必要になると主張している。共同親権では子育てがまったく進まないという理屈であるが、意味不明な主張と言わざるを得ない。

その証拠に、離婚を協議している間はまだ共同親権であるはずだが、実際は子どもを連れ去った側がすべて、子どもの進路すら決定している。先の言い分は、まさにためにする議論だ。

では、単独親権のメリットはどこにあるのか。
「見当たらない」というのが私の正直な感想だ。

単独親権の最大のデメリットは、子どもと一方の親との関係を断ち切ってしまうことにある。法的に親であるということを否定しておきながら、親なんだから養育費だけはしっかり払えというのは、そもそも議論として矛盾していないだろうか。

養育費を支払うということは、親として当然担うべき役割の一部である。そうであるならば、正面から養育費の支払い義務を含め、共同親権という形で親権を認めるべきだ。子どもに会えないだけでなく、支払った養育費が本当に子どものために使われているのか、現状ではそれを確認する機会すら与えられない。これではあまりに不公平だ。

よくある夫婦喧嘩もすべてDV?

2014年、ハーグ条約(国際的な子どもの奪取の民事上の側面に関する条約)に日本も加盟。夫のDVから逃げてきた女性を元の国に戻すのはおかしいといった反対意見も根強くあったが、DVに関しては除外するという項目を国内法に明記したことによって、すべての政党がこの条約に賛成をした。

ハーグ条約の狙いは「連れ去り勝ちを認めない」ということであり、まずは子どもを元の居住国に戻してから裁判をしましょうということなのだが、残念ながら日本では実効性に欠け、現実的に元の居住国に戻すようなことは行われない。

しかも連れ去られたら最後、子どもがどこに住んでいるのかも教えられなければ、子どもに会うチャンスすら認められない。これでは、日本が「子どもの拉致国家」と言われても仕方がないだろう。

DVは絶対に許してはいけないし、DVの被害者を保護することは当然のことだが、問題はこのDVという言葉にある。いまはDVという言葉が独り歩きしているが、DVとはなにか、もっと明確に定義づける必要がある。

たとえば、最近はモラハラがDVと言われることも多い。「きつい言い方をされた」「威圧的な態度を取られた」という理由でDVとして扱われるケースが多々あるが、しかし、本当にそれで良いものだろうか。

ただでさえ、現状においてDVの境界線は曖昧であり、よくある夫婦喧嘩も言い方次第ですべてDVとして認められかねない。夫婦円満でないがゆえに別れるのだから、夫婦間で言い争いが起きるのはむしろ当然だ。第三者の目が行き届かない家庭内においては、あらゆる意味において「DVをしていない」という証明は悪魔の証明以上に困難である。

虚偽のDVなど自分には関係ないと思っている男性も多いが、その被害を受ける可能性がすべての男性に存在することは知っておくべきだ。

さらに、離婚したからといって子どもにもう一方の親と会わせなくていいというのは、親と子の双方にとって極めて残酷である。父親のほうが連れ去るケースもあるが、多くは女性だ。

過去の関係をリセットしたいという女性の気持ちも理解できる。しかし、このままでいいわけはないだろう。「日本では養育費の支払いが少ない、これが問題だ」などと非難される方もいるが、実際のところは、離婚をすれば縁が切れる、相手の顔も見なくて済む、だから養育費も求めない、というケースは極めて多い。

言い換えると、相手の権利をすべて奪える現状の単独親権の制度では、子どもは私が育てるからあなたは一切かかわらないでほしいということになる。だが、そこにはあまりに子どもの視点が欠けていやしないだろうか。

共同親権に変わればどうなるのかといえば、いまと違って、離婚しても相手との関係は切れない。切れないことを前提に、ではどうすればうまく子育てをしていくことができるのか、このような発想に立てば、そもそも養育費が要求すらされないという問題は解消していくことになる。原則を変えれば、子育ての仕方も変わるのである。

共同親権に反対する面々

日本で共同親権の導入に向けた議論は進んでいるのか、いないのか。
残念ながら、ほとんど進んでいない。

どこの党が賛成で、どこの党が反対か。そのような状況ではなく、党内で意見が分かれているというのが現状だ。

では、誰が反対をしているのか。
多くは女性議員である(もちろん、賛成してくれる女性議員もいるが)。

「か弱い女性は守らなければならない」

それ自体を否定するつもりはないが、女性やその支援者からの訴えだけに耳を傾け、他方からの話を聞かないまま「男はひどい」という見方に偏り反対されてしまうと、制度としての議論がなかなか深まらない。

加えて、議員立法では各党、各会派で賛成を得なければならないので、なかなか事が進まないというのが現状である。逆に、立憲民主党であっても賛成する議員は少なからずいるので、イデオロギーの壁は思った以上に高くない。

過去には紆余曲折がありながらも、「親子断絶防止法案」については様々な政党に所属する議員が努力を重ねて各党賛成になった。しかし残念ながら、民主党が解党したことによって各党の議論がゼロベースに戻ってしまったという苦い過去もある。いくら話がまとまっても、野党がバラバラになる、つまり党の名前が変わるたびに議論はゼロに戻ってしまう。

ちなみに、共同親権の導入に対しては、日弁連、特にそのなかでも男女共同参画を推進する弁護士グループが大反対をしている。彼らは、男女共同というよりも女性の権利ばかりを主張しているという印象が強い。

実は、世のなかには男性だけではなく、子どもを奪われた女性も少なからずいる。でも彼らはなぜか、その女性たちにはシンパシーを示さない。男性が悪い、女性を守るためには単独親権しかない、といった不毛な論を展開している。

連れ去り勝ちを生む土壌

「実子誘拐」を飯のタネにしている悪徳弁護士もなかにはいるかもしれないが、個人的には多くの弁護士はそうではないと信じている。

ただ、語弊があるが、有能な弁護士ほど「実子誘拐」に手を貸している状況になっている。離婚を成立させ、なおかつ子どもを確保したいというお客さんの意向を最大限に尊重しようとすれば、「連れ去り勝ち」が最も有効な手段だからである。

わざわざお客さんの意向に反してまで、法制度を変え、共同親権を導入すべきだとまで考える弁護士は少ない。「実子誘拐ビジネス」で儲けようと最初から目論んでいたわけではないだろうが、これでは結果的に「実子誘拐ビジネス」に手を貸していると批判されても仕方がないだろう。

加えて「女性は弱い」、だから守らなければいけないというドグマが、政治家にも、弁護士にも強い。男性が虐げられている状況が広がっているにもかかわらず、DVは男性がするもの、だから女性を守らなければいけないというストーリーのほうがわかりやすく、結果的に男女共同参画を主張する一部の声の大きい弁護士たちに流されてしまっている。

日本の弁護士が見るのは国内法だが、世界からどう見られているかをもっと考えるべきだ。弁護士自身がこういった発想を転換しなければ被害はますます増えてしまう。まずは、弁護士自身が変わっていくことを期待したい。

それにしても、男女共同参画を推し進める人たちは、共同親権をやらない理由はたくさん述べるのだが、単独親権の下で行われている悲劇にはまったく目を向けない。子どもを連れ去った母親が再婚し、元夫の目の届かないところで、子どもが再婚した男性から虐待を受けるケースは少なくない。この点をどう考えているのだろうか。

裁判官と弁護士が癒着しているというのは一般的には考え難いことだが、月刊『Hanada』5月号の「実子誘拐ビジネスの闇 人権派弁護士らのあくどい手口」を読むと、裁判官が母親側の弁護士事務所に「天下り」をしたという。これは司法の外形的な公平性・中立性を損なっており、禁じ手である。自ら担当した大きな事件の一方当事者の法律事務所に就職するなどいままで聞いたことがない。裁判官の倫理としてあってはならないことだ。

いわゆる「人権派」からの猛攻撃

日本国内の「実子誘拐」があまりメディアで報じられないのはなぜかというと、報じると批判が殺到するからである。皆さんが思っている以上に、すごい。

「実子誘拐」に関する問題を取り上げるメディアもあるが、そのたびに当該メディアが、名誉毀損で訴えるといった脅迫まがいの言説で攻撃に晒されていると聞く。現場の記者が熱い想いで取材をし記事にしても、事なかれ主義のメディアであれば、恐れをなして削除に応じてしまう。それでは物事は前に進まない。

私も、とある著名なNPO法人の代表から執拗な落選運動を展開されたことがある。ツイッターの匿名アカウントによる攻撃も多数受けてきた。

このような男は政治家にしてはいけない、女性の敵だ、DV男の味方だといった趣旨の批判をツイッター等で展開、拡散され、ものすごい被害を被った。子どもの利益に繫がる政策を語ることで、なぜ女性の敵だと罵られなければならないのか。

可哀想なことだが、いま最も攻撃されているのは、この問題を国会で追及している日本維新の会の串田誠一衆議院議員だ。執拗な嫌がらせや落選運動を展開されるくらいなら、彼らが望むような形で「か弱き女性」の権利のために活動していたほうがどれだけ楽かわからない。

しかし政治家である以上、自分のことよりも、救うべき人のために不利を覚悟で論陣を張らなければならない。彼を含め、この問題を取り上げる国会議員はみな、子どもを守るために必死である。

それでも、突破口はある!

では、「実子誘拐」を減らす突破口はどこにあるのか。実は、養育費の未払いをゼロにする、というのがひとつの突破口になると考えている。

「金は払わせるが子どもには会わせない」という制度では、養育費の未払いは減らしようがない。法律で支払いを強制することもひとつの手段だが、いくら法的に支払いを強制しても、払いたくない人は様々な方法で法の網をかいくぐる。

より大事なことは、子どもを一方の親が囲い込むのではなく、離婚後も父母双方に子どもとの縁を切らせないこと。離婚した以上はもうあなたの顔なんて見たくないというわがままも、離婚したからこれ以上子どもの面倒なんて見ないというわがままも許されない。

離婚しても親なのだから養育費を払え、ちゃんと子どもの面倒を見ろ、と国および社会が、離婚したあとも親子の交流を継続するように仕向けていくことで、必然的に養育費の未払いは減っていく。

単独から共同へ。制度を変えると同時に、親の意識(カルチャー)そのものを変えること。これがもっとも重要である。

離婚は大人同士の都合であり、親が離婚をしても、双方の親に大切にされていると実感できる境遇を維持することは、子どもの健全な発育にとって極めて重要なことだ。離婚をすることが、一方の親と子どもとの今生の別れであるがごとき原則を変えていく必要がある。

共同養育支援法(旧親子断絶防止法)も重要だが、やはり本丸は共同親権だ。共同親権を認めない限り、日本は永遠に「子どもの拉致国家」との汚名を返上することはできないだろう。

「実子誘拐」解決を阻む「でっちあげDV」の深層

出典:令和3年4月27日 SAKISIRU

「実子誘拐」解決を阻む「でっちあげDV」の深層

「孫に会いたい…」行政の壁、祖父母が大田区相手に訴訟、来月スタート
ジャーナリスト 牧野 佐千子

一方の配偶者にある日突然子どもを連れ去られ、離婚を申し立てられ、大切に育ててきた子どもとの関係を絶たれてしまう実子の連れ去り問題。「実子誘拐」とも呼ばれ、実子誘拐被害者は毎年数万人、増え続けていると言われる。悪化する要因の一つが、裁判所や法曹界、行政やマスコミなどで加害者と“グル”になっている人たちの存在だ。ある被害者らは、彼らについて「実子誘拐ビジネスネットワーク」と呼んでいる。

ただ、ここにきて風向きが変わり始めた。この問題を追い続けているジャーナリスト・池田良子さんによる告発本『実子誘拐ビジネスの闇』(飛鳥新社)が先週出版。さらに先日は、「ハッシー」の愛称で人気のプロ棋士・橋本崇載(たかのり)八段が、子どもの連れ去りを理由に精神的に追い詰められ、今月、将棋界からの引退を表明して将棋ファンに衝撃を与えた。以前は関心を示さなかったメディアでもこの問題が取り上げられるようになり、大きな注目が集まりつつある。

「でっちあげDV」と「継続性の原則」で親権をモノに

現在の日本は「単独親権制度」で、離婚後は父母の「どちらか」が親権者となる。その際に親権獲得に有利になるよう相手方を問題のある親に仕立て上げる「でっちあげDV」が横行し、これも実子誘拐ビジネスの大きな一翼を担っている。

池田さんが同書で指摘しているように、実子誘拐ビジネスで儲ける彼らは、この制度に異議を唱える親たちを徹底的に「問題のある親」「DV加害者」などと印象付け、裁判を有利に進め、世論も誘導してきた。「こんな問題のある親だから、子どもに会えないのは当然でしょ。子どもに悪影響でしょ」といった「雰囲気づくり」である。

また、「どちらか」の親権者を決める際に、裁判所の慣習として「継続性の原則」というルールがあり、たとえ連れ去りであっても、子どもと一緒にいる側の親が親権獲得に有利となる。調停や裁判の手続きが長引くほど、連れ去った側の親と子が一緒にいる時間が長くなり、その「継続性」を覆すことが難しくなってしまう。これが「相手より先に連れ去れ」が成り立つ要因だ。

実子誘拐を “支援”する「DV支援措置制度」

DVなどの被害者を保護することを目的として、加害者に、被害者の住民票の写しや戸籍の交付を制限する「DV支援措置制度」。支援措置に携わる、某市の職員によると、今の制度では、「自分が被害を受けた」と主張する人を守ることを優先しており、本人の主張が本当であれ嘘であれ、その住民票を守ることになっているという。

深刻なDVを受けて安全な場所へ緊急避難した被害者にとっては、居場所が加害者に知られることは恐ろしい。だが、実際の運用では、「被害者」が被害を主張すれば、その真偽が確かめられることなく、相手方を加害者に仕立て上げ、さらに連れ去った子どもの居所を相手方に知られないようにできるのだ。

前出の市職員は、本当に被害に遭っている人を緊急で守るために、「嘘か本当か確かめるのに時間を使うことはできず、今の制度が続いてしまっている」と苦悩を明かす。子どもを連れ去られた別居親で、一方的に身に覚えのないDVの加害者に仕立て上げられ、子どもの居場所が分からず、姿を見ることもできず、手紙を送ることもできない。元気なのか、生きているのか知ることもできないという親も多い。

孫を連れ去られた祖父母が区を訴えた事情

この「でっちあげDV」に加担してしまっている各自治体を、当事者が司法で訴える動きがでてきた。今後全国に展開して、おおきなムーブメントになりそうだ。

そのさきがけとなったのが、わが子のようにかわいがり同居して育てていた孫を、その母親である長男の嫁に突然連れ去られた祖父母、Tさん夫婦。その「連れ去り」を正当化するために、Tさん夫婦は母親によって、一方的にDV加害者に仕立て上げられ、DV支援措置によって孫の住所も知ることができなくなった。

こうした事情を考慮せず、Tさん夫婦が住む東京都・大田区役所の窓口では、「DV支援措置」がかかっているから出せない、と、孫の戸籍の附票を交付しなかった。「戸籍の附票は、孫の居所を知ることができる唯一の手段。最後の望みの綱です。いつまた移動してしまうかわからない。そうなった時に、孫がどこにいるのか、本当にわからなくなってしまう」。

Tさん夫婦は、この大田区の対応を不当な支援措置を根拠とした違法行為だとして、大田区長を相手取り、不交付決定の取り消しを求めて東京地裁に提訴した。「裁判を起こすのは、この制度によってもう二度と、ほかのひとが同じような目に遭ってほしくないからです」という。

母親は、孫の通う幼稚園の先生に対して「おまえ」と呼びトラブルを起こしたり、孫を抱いたまま家の前の路上でわめき散らしたりなど、問題行動が多かったという。そして2015年8月、サンダル履きのまま、荷物も持たずに孫と一緒にふらっと家から出て行ったまま、行方知れずとなってしまった。

Tさん夫婦は、これまでにも附票の不交付について審査請求を起こし、母親が孫に怪我をさせたことなど、その問題行動の証拠を丹念に集めて提出してきた。証拠書類は分厚いファイルに収められている。だが、裁判や行政の審査ではTさん夫婦の主張は一切採用されることなく、母親が警察に安全相談に行った一方的な話の記録のみを採用。Tさん夫婦は連れ去られてから一度も孫に会えていない。

「実子誘拐」根絶へ、うねりとなるか

Tさん夫婦の代理人の作花知志弁護士は、「DV支援措置により家族との分断を強いられている別居親、祖父母の方々の関係回復のためにも、良い判決を得たいと思う。大きなうねりとなれば…」と話している。第1回口頭弁論は5月19日、東京地裁で開かれる。また、同様にDV支援措置で子どもの居場所が分からなくなるなどした当事者が、「支援措置制度の廃止」を目指して各自治体を訴える訴訟も、今後約10件が数か月に1件ずつ連続して提訴される予定だ。

実子誘拐問題については、論点が非常に多岐にわたる。国会でも各党の議員がこの問題を取り上げるようになってきた。問題意識を持つ人々がそれぞれの場でアクションを起こし、今の大きな流れを引き寄せ、長年多くの親子を苦しめてきた実子誘拐を根絶できるか。引き続き、注視していきたい。

離れた子どもと面会しやすく NPOがネットサービス

出典:令和3年4月20日 産経新聞

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養育費の公正証書化、確認追加へ 離婚届見直し、有無をチェック

出典:令和3年4月16日 共同通信

養育費の公正証書化、確認追加へ 離婚届見直し、有無をチェック

 上川陽子法相は16日、離婚届の様式を近く見直し、取り決めた子どもの養育費支払いに関する内容を、公正証書にしたかどうかを尋ねるチェック欄を追加すると明らかにした。
 離婚後も親には子の養育費を負担する義務があるが、父母間の金額などの取り決め率は低調だ。改善を図るため、離婚届には取り決めの有無を問うチェック欄を設けているが、より確実な支払いに向け、公正証書化の有無についても加える。
 離婚に関する情報が掲載されている法務省のホームページにアクセスできるQRコードも記載。「離婚を考える人に必要な情報が届くようにしたい」(担当者)としている。

「共同親権は『子の利益』を第一に、養育費や面会交流の取り決め必要」 二宮周平・立命館大教授

出典:令和3年4月1日 東京新聞

「共同親権は『子の利益』を第一に、養育費や面会交流の取り決め必要」 二宮周平・立命館大教授

 法制審議会(法相の諮問機関)は3月30日、家族法制部会の初会合を開いた。今後、離婚後に父母の双方が子の親権を持つ「共同親権」の導入の是非も議論される。共同親権は子に対する責任が明確になるメリットの一方、父母間の対立が長引いたり、進学など子に関する意思決定が難しくなったりするといった指摘もある。家族法に詳しい立命館大の二宮周平教授に親権を巡る論点を聞いた。(木谷孝洋)

 ―親権に関する法律の規定はどうなっているのか。
 「民法では子を監護・教育し、子の財産を管理する親の権利と義務が定められている。子どもには成長、発達する権利があり、それを支えるための親の権利であり、義務という理解だ」

 ―日本は民法で、離婚した夫婦の一方を子の親権者とする単独親権制度を定めるが、海外の状況は。
 「欧米や中国、韓国などの東アジアでは共同親権を原則としたり、選択できるようになっていたりする。日本も1994年に批准した『子どもの権利条約』では、子はできる限り父母の養育を受ける権利があると明記されている。父母の婚姻関係の有無とは関係がないため、多くの国が法改正し、離婚後の共同親権を認めるようになってきた」

 ―背景にあるのは。
 「一つは男女の役割分業の変化だ。女性の職場進出に伴い、男性が家事や育児を積極的に担うケースも増えてきた。子育てに関わる以上、離婚後も子に関わりたいという希望を持つことは当然だ。父親たちの運動もあって海外では共同親権が広がってきたが、日本は男女の役割分業の意識が根強く、単独親権のままだ」

 ―日本では養育費の支払い率が低く、離婚時に子と別居親の面会交流の取り決めをする割合も少ない。
 「無責任な協議離婚制度が原因の一つだ。日本では面会交流や養育費の分担などを相談したり、合意したりしなくても役所に書類を1枚出せば離婚できてしまう。海外では裁判離婚が主流で、子の養育に関する取り決めについて裁判所がチェックする仕組みになっている。日本も共同親権を導入する場合は、父母が子の養育について話し合い、計画を立てる必要がある。家庭裁判所などが当事者にガイダンスや情報提供を行うなど支援も欠かせない」

 ―共同親権を認めると、相手がドメスティックバイオレンス(DV)加害者でも縁を切れず、被害が継続するなどの指摘もある。
 「今の制度だから、DV被害者は自分の生活を守れるという主張はある。だが海外に比べ、日本には被害者の保護や加害者の更生プログラムが乏しいことも原因だ。DVはDVの問題として対応しなくてはいけない。親権の問題は、子どもの利益は何かという観点から考えるべきだ」

親の離婚、年間20万人の子が経験親権見直し、法制審が議論開始
 共同親権を含む家族法制の見直しは、上川陽子法相が2月に法制審に諮問。親が離婚しても子が健全に成長できる環境を整えるため、養育費の不払い解消など多様な論点が議論される。
 厚生労働省の統計によると、2019年の離婚件数は約20万8000件で、親の離婚を経験する子どもは年間約20万6000人だった。当事者同士の話し合いで離婚する協議離婚が88%を占め、母親が親権を持つケースが84%に上る。
 離婚後、子と同居しない親が支払う養育費の受給率は母子世帯で24%にとどまり、ひとり親世帯の貧困の要因になっている。また、同居しない親と子の面会交流の取り決めをする割合も低く、父親が疎外感を持つ原因となっている。
 法務省が未成年時に両親の離婚・別居を経験した20~30代の1000人を対象とした調査では、40.5%が両親の別居後に経済的に苦しくなったと答えた。

離婚後の子どもの養育めぐる課題解消に向け法制審で議論始まる

出典:令和3年3月30日 NHK

離婚後の子どもの養育めぐる課題解消に向け法制審で議論始まる

親が離婚したあとの養育費の不払いや親権の在り方など、子どもの養育をめぐる課題の解消に向けて、30日から法制審議会の部会で制度の見直しに向けた議論が始まりました。

離婚後の子どもの養育をめぐって、上川法務大臣は、2月に子どもの利益を図る観点から養育費の不払いや親権の在り方などに関連する制度の見直しを法制審議会に諮問しました。

これを受けて、法制審議会の家族法制部会は30日に初会合を開き、法務省の堂薗幹一郎官房審議官が「離婚に伴う子どもの養育への深刻な影響や養育の在り方の多様化などの社会情勢に鑑み、幅広い観点から検討をお願いしたい」と述べました。

30日の会議には裁判官や心理学の専門家、それに、ひとり親の支援団体の代表など、およそ40人が参加し、ことし1月に法務省が親の離婚や別居を経験した人を対象に行ったアンケート調査の結果や、海外の法制度の実例などが示されました。

部会では今後、養育費を適切に確保するための取り決めや、父親と母親の双方が子どもの親権を持つ「共同親権」の導入の是非なども含め、離婚したあとの子どもの養育の在り方について幅広く議論される見通しです。

離婚しても子育てに関わりたい 共同親権、議論の行方は

出典:令和3年3月28日 日本経済新聞

離婚しても子育てに関わりたい 共同親権、議論の行方は

配偶者と別れても子育てに関与し続けたい。そう考える親にとって、離婚後は父母のいずれかしか親権が持てない「単独親権」制度が壁となる場合がある。親権者によって面会などが制限され、最近は新型コロナウイルスも影を落とす。一方で「共同親権」には慎重論も根強い。子ども第一の視点でどうあるべきか。国も議論を始めた。(榎本行浩)
「親としての責任を果たさせてください」。2月10日、東京・霞が関の法務省前に全国から約150人が集まり、次々とマイクを握っては離れて暮らす子どもへの思いを訴えた。手には「子どもと会いたい」などと書かれたカード。参加者の大半が離婚などの事情で別居する親たちだった。
4歳と1歳の子どもがいる千葉県の30代女性は1年ほど前に突然、夫から離婚を切り出された。子どもと一緒に住んで養育する「監護者」として、裁判所は義理の両親とともに家事を積極的に担っていた夫を指定した。女性は現在、親権を巡って離婚訴訟中だが、子どもと会えるのは月1回、1時間に限られる。
さらにコロナ下での外出自粛などを理由に、面会中止を告げられることもある。「子どもに自分が忘れられてしまいそうで、気がおかしくなる」。境遇が似た人たちが多数いることをSNS(交流サイト)で知り、集会に参加するようになった。
この日、法務省では法制審議会(法相の諮問機関)の総会が開かれていた。上川陽子法相は、離婚に伴う養育のあり方に関する法制度の見直しについて諮問。「子どもを第一に考える視点で幅広く、実態に即した検討をしてほしい」と求めた。離婚後も父母双方が親権を持つ共同親権導入の是非もテーマに含まれる。
未成年の子どもを育てる親の権利や義務である親権。明治期に民法の法体系が確立した日本では家父長制の影響で戦前は父親に、戦後は父母どちらかに認める単独親権を採用してきた。2011年の民法改正で面会交流は子の利益を最優先する内容が盛り込まれたが、両親の確執から守られないケースも多い。
海外はどうか。かつては単独親権が主流だったが、子育ては父母が平等に担うものとの考え方が浸透し、共同親権が定着するようになった。法務省が20年に公表した調査では主要20カ国(G20)を含む24カ国中22カ国で法的に認めていた。近年は日本の制度への批判も強まっている。
ただ、共同親権下で父母の離婚を巡る対立が続けば子どもが混乱し、不安定になるとの懸念も根強い。共同親権が導入されるかどうかは見通せない。ドメスティックバイオレンス(DV)や虐待への懸念から、面会交流の促進にも慎重な意見がある。
2月には単独親権は憲法違反として男性が損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁が「父母のうち、より適格な者を親権者に指定する規定に合理性はある」と合憲との判断を示している。
年間約20万人もの未成年の子どもが両親の離婚を経験している。こうした中、離婚前後の家庭を助けるため、面会交流の支援団体が相次ぎ発足している。
自治体が後押しする動きもあり、静岡県藤枝市は20年度から面会交流のために市内の保育園や小中学校で放課後などに部屋を開放した。東京都港区も面会交流の事前面談や日程調整を手掛ける事業を始めた。
家族法制に詳しい立命館大の二宮周平教授は、夫婦が等しく子育てに参画するのが常識となりつつある現状を踏まえ、「制度が社会の変容に対応しきれていない」と話す。
一方で海外では離婚時に養育方針を話し合う制度が充実していると指摘し、「法改正ありきではなく、親の養育を受ける子どもの権利擁護の視点に立った制度設計の検討が大切だ」としている。

養育費受け取ったことなし」56% 困窮するひとり親世帯

家族法制の見直しを巡る議論が動き出した背景には、離婚後に養育費が支払われないために貧困に苦しむひとり親世帯の存在がある。2016年度の厚生労働省の調査によると、離婚後、養育費を受け取っている母子世帯は24%にとどまった。「受けたことがない」のは56%に上っている。
民法は離婚時に養育費などを夫婦の合意で取り決めると規定しているが、強制力はない。厚労省調査では取り決めをしていたのは母子世帯で4割あまり、父子世帯で2割だった。
兵庫県明石市は20年7月、ひとり親家庭の困窮対策として子ども1人につき養育費を1カ月分、5万円を上限に立て替える全国初の制度を始めた。新型コロナウイルス禍で収入面で苦境に立たされたひとり親を支えるのが狙いで、これまで計22件の申し込みがあった。同市は「子ども支援を最優先に、行政としてできることをしたい」(市民相談室)と説明する。

親権をもてなかった母親への冷たい視線――子どもと別居する苦しさと葛藤

出典:令和3年3月27日 Yahoo ニュース!

親権をもてなかった母親への冷たい視線――子どもと別居する苦しさと葛藤

毎年、20万から25万件で推移する離婚件数。子どもの親権はたいてい母親がもつが、父親のケースもある。この場合、親権をもたなかった母親に対してさまざまな憶測が飛び交う。「子どもがなつかなかったのでは」「何か悪いことをしたのでは」……。親権をもたない父親に比べて手厳しい。なぜ「別居母親」は批判的な目で見られがちなのか。2人の当事者から話を聞き、実態を探った。(取材・文:上條まゆみ/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部)

「別居母親」は少数派

中部地方に住む西川千佳さん(仮名、47)は、16歳と13歳の娘の母親だ。11年前に離婚し、子どもたちとは別居している。

「本当は子どもの親権をもち、一緒に暮らしたかったのですが、無知と不運が重なって、親権を元夫にとられてしまいました」

厚生労働省の調査によると、令和元年の離婚件数は20万8496組。そのうち未成年の子どもがいるのは11万8664組で、20万5972人の子どもが親の離婚に巻き込まれている。

日本の法律では、離婚後の子どもの親権は父親か母親のどちらかがもつことになるが、調停で母親が親権をとる割合は90%以上。離婚後、ほとんどの子どもが母親に引き取られている。

千佳さんは30歳のとき、社会人サークルで出会った一つ年上の男性と結婚した。おだやかで友だちを大事にしていて、信頼できる人だと感じた。

元夫は、父や妹とともに家族で工場を経営していた。母親は離婚して、家を出ていた。
自営業の家に嫁ぐことに千佳さんはある程度の覚悟をしていたが、実際は想像以上に息苦しかった。

「財布は義父が握っており、私は食費を渡されるだけ。それも月何万とかじゃなく、はい1万、はい3万みたいにその都度もらっていました。『なくなったら言えよ』と言われていましたけど、やっぱり言いにくいんですよね。買い物に行く店も決められていたし、主婦として家庭を切り盛りする自由はまったくありませんでした」

子どもが生まれてからも、義父の支配は続いた。

「今日は散歩に行けとか、いまから公園に行けとかタイムスケジュールまで決めてくる。その一方で、工場の事務の仕事も変わらずこなせ、と。私が子どもを保育園に預けたいと言ったら、『母親失格だ』と責められました」

たまの休みに、どこに遊びに行くかも義父の指示。家族4人、水入らずで出かけたことはほとんどない。「実家と縁を切れ」とも言われた。次女の出産のあと、正月に実家に帰ることも許してくれなかった。

娘を連れて家を出る

義父と離れて家族4人で暮らしたい。元夫に訴えたが、「考えてみるね」と言うだけだった。千佳さんはたまりかねて、実家に子どもを連れて帰った。

「長女の(幼稚園が)春休み中のことでした。家出という強硬手段に出れば、元夫も真剣に向き合ってくれると思ったんです」

しかし、元夫からは何の連絡もない。千佳さんは、新学期の始まりに合わせ、とりあえず子どもだけ家に帰した。次女の入園式には夫婦そろって参列したが、翌日から元夫と連絡がとれなくなった。

メールをしても電話をかけても無反応。焦った千佳さんは、慌てて家に戻った。家の中に入ろうとすると、義父と義妹に「もう帰ってくるな!」と追い返された。元夫は見て見ぬふりをしていた。

千佳さんはしばらく実家で呆然と過ごした。子どもに会えない状況を変えるため、弁護士に相談した。そして、家庭裁判所に夫婦円満調停(夫婦関係調整調停)と、子どもの引き渡しおよび監護者の指定を申し立てた。監護者とは、子どもを引き取り、生活をともにし、身のまわりの世話をする人のことだ。

それらの手続きと並行して仕事を探し、総合病院の事務職として働き始めた。子どもを引き取るつもりだったので、時間に融通のきく職場を選んだ。しかし、千佳さんの思いとは裏腹に、娘2人を引き取ることはできなかった。

知らなかった調停のルール

家庭裁判所が親権者や監護権者を決めるときの基準の一つに「母性優先の原則」がある。その一方で、「監護の継続性の原則」も重視される。これは、これまでに子どもが育ってきた環境を継続したほうがいいという考え方だ。

そのほか、経済状況を含めた監護態勢や、兄弟・姉妹は一緒に育てたほうが子どもにとっては利益があるという事情(兄弟姉妹不分離の原則)も勘案される。

千佳さんが子どもを引き取れなかったのは、「監護の継続性の原則」などが適用されたからだ。2人の娘は祖父、叔母、父親と安定して暮らしている。どちらか1人を千佳さんが引き取るのも望ましくない。

千佳さんは自分が調停を起こすまで、そのような原則があることを知らなかった。

※以下、掲載記事を参照ください。

離婚後の共同親権制度は、子ども独自の人格を認めて子どもを親の付属物と見ない日本に変えるための制度

出典:令和3年3月23日 土井法律事務所ブログ

離婚後の共同親権制度は、子ども独自の人格を認めて子どもを親の付属物と見ない日本に変えるための制度

共同親権反対派の人たちの実質的反対理由として
「離婚後の単独親権制度がDV被害者の防波堤になっている、それにも関わらず共同親権にしたなら防波堤が無くなりDVが継続する。」という論理に触れました。

これが単独親権制度から共同親権制度に変更するか否かの立法論、政策論を議論しているときの理由とはならないのではないかということを検討していきます。

1 防波堤とは何か
2 具体化されず、立証されない「DV」
3 面会交流時の事件が理由となるか
4 封建的な排除を擁護しているに過ぎないこと
5 子ども利益の視点の欠落(子どもは親の所有物ではない)
6 問題の所在をどのように子どもたちのために活かすか。

※以下、土井法律事務所のブログを参照ください。

土井法律事務所ブログ

親が離婚・別居 4割が「金銭面で苦しくなった」法務省調査

出典:令和3年3月12日 NHK

親が離婚・別居 4割が「金銭面で苦しくなった」法務省調査

親の離婚や別居を経験した20代と30代の人を対象にした法務省の調査が行われ、4割の人が、親の離婚などによって金銭面で苦しくなったと答えました。
離婚後の子どもの養育をめぐって上川法務大臣は先月、子どもの利益を図る観点から、養育費の不払いや親権の在り方などに関連する制度の見直しを法制審議会に諮問しました。

法務省は、未成年のときに親の離婚や別居を経験した20代と30代の合わせて1000人を対象に、ことし1月に調査を行い、その結果を公表しました。

親が別居したあと、父親と母親のどちらと一緒に暮らしたか聞いたところ、母親が79%、父親が21%でした。

離婚などによる金銭面での影響を聞いたところ、「苦しくなった」が20%、「若干苦しくなった」が20%、「ほとんど変わらなかった」が24%、「むしろ好転した」が7%などとなり、4割の人が苦しくなったと答えました。

同居していた親の再婚をどう感じたか複数回答で聞いたところ、「新しい環境になじめなかった」が34%で最も多く、次いで、「親をとられたような気がした」が17%、「再婚相手と合わなかった」が16%、「家族が増えてうれしかった」「家族が増えて困惑した」「親が自分に気をつかっていた」がいずれも15%でした。

そして、親が離婚したり別居したりしている子どもに必要な支援策を複数回答で聞いたところ、「精神面や健康面をチェックする制度」が44%、「身近な相談窓口の設置」が43%、「子どもの権利を尊重する法律の整備」が37%などとなっています。

上川法相「子どもの目線に立った制度の見直しに大変貴重な資料」

上川法務大臣は、閣議のあとの記者会見で「離婚や別居が子どもの生活や心身に大きな影響を及ぼすことを改めて実感した。子どもの目線に立った制度の見直しを検討するうえで、大変貴重な資料であり、専門家はもちろん、多くの方に活用されることを期待している」と述べました。

【参考:法務省ホームページ】
未成年期に父母の離婚を経験した子の養育に関する実態についての調査・分析業務報告書の公表について
・未成年時に親の別居・離婚を経験した子に対する調査 【簡易版】PDF
• 未成年期に父母の離婚を経験した子の養育に関する実態についての調査・分析業務報告書 PDF

不仲に気づいていたけど…父母の別離問題、抱え込む傾向

出典:令和3年3月12日 朝日新聞

不仲に気づいていたけど…父母の別離問題、抱え込む傾向

 両親の不仲に気づいていながら、両親からは何の説明もなく、周囲にも相談できない――。未成年時に両親の離婚・別居を経験した20~30代の1千人を対象に法務省が実施した調査から、父母の別離の問題を一人で抱え込む傾向が強い実態が浮かんだ。調査では、子どものための身近な相談窓口の設置を求める声が多く上がった。

 調査は1月にネット上で行われ、法務省が12日に結果をホームページで公表した。同省は、法制審議会(法相の諮問機関)での離婚後の子どもの養育に関する議論や、今後の政策に生かしたい考えだ。
 調査結果によると、両親が別居を始めた年齢は「3歳未満」から「中学卒業後」以降までまんべんなく広がり、母親と同居した人が786人と圧倒的に多かった。ただ、別居した親とも関係は悪くない人が多く、「非常に良い」「良い」「まあまあ良い」「普通」の回答の合計が約7割を占めた。

 別居前の家庭内の状況を覚えていると答えたのは672人。このうち、両親の不仲について「知っていた」「薄々気づいていた」のは543人(80.8%)だった。また、235人(35.0%)は両親からの説明が「なかった」といい、周囲に相談したのは63人(9.4%)にとどまっていた。相談しなかった理由は、「人に言いたくなかった」が129人(19.2%)、「相談したかったが適切な人がいなかった」が128人(19.0%)、「相談できる人はいたが自分で抱え込んだ」が56人(8.3%)だった。

 両親の離婚・別居が自身の恋愛や結婚にどう影響したかについては、プラスの影響があったとする回答が21・2%、マイナスの影響が24・0%だった。これに対し、自身の子どもとの親子関係に及ぼした影響ではプラスの影響が30・4%で、マイナスの影響の12・5%を大きく上回った。
 上川陽子法相は12日の記者会見で「子どもの視点に立って検討を進める観点から子どもの経験の実態把握は重要」とし、「問題の難しさや重要性について認識を新たにした」と語った。(伊藤和也)

令和3年3月5日 中日新聞 「親子面会や親権巡り参加者が意見交換」

中日新聞名古屋本社から第95回定例会の取材を受け、3月5日(金)朝刊に掲載されました。
第95回定例会取材記事pdf

記事に関する意見、お子さまと交流出来ない現状、家族法制度の問題点など中日新聞までお寄せください。

メール送信先>
中日新聞社名古屋本社編集局 読者センター 宛
center@chunichi.co.jp

[[共同養育・共同親権に向けて、超党派で動きが活発に

出典:令和3年3月5日 アゴラ

共同養育・共同親権に向けて、超党派で動きが活発に [#zb6e3628]

親の離婚後の子どもの養育に関する問題の解消に向けて、上川陽子法務大臣は2月10日、法制審議会総会で家族法制の見直しを諮問した(拙稿:「共同親権」導入も議論:離婚後の養育をめぐる課題解消に向け、上川法相が法制審に諮問)。これを受けて3月4日、超党派の国会議員らで構成する「共同養育支援議員連盟」の総会が衆議院第二議員会館で行われ、法制審議会への諮問の報告と、別居している側の親と子の面会交流支援の取り組み状況について、法務省や厚生労働省の担当者が説明。総会は非公開で行われ、各党から20人以上の議員が参加した。

また、議連は、「面会交流」という用語について、「刑事施設等に収容されている者が想起されやすく、親と子が継続的に会うことを表す用語として必ずしもふさわしくない」として、「親子交流」と表すことや、法制審において、養育費の支払い確保だけを検討するのではなく、「車の両輪」である親子交流についても足並みをそろえて検討、答申することなどを盛り込んだ政府に対する緊急提言について検討を行った。
国会でも、予算委員会で立憲民主党の真山勇一参議院議員が3日、共同親権への検討について菅首相に答弁を求めた。真山議員は、離婚の際に、女性が子どもを連れ去る問題があること、最近は男性が子どもを連れ去ることも増えていることなどを指摘。
外務省の24か国を対象にした親権問題に関する調査のデータを示し、単独親権しか選べないのは日本など3か国のみで、「子どもにとっては離婚してもお父さんでありお母さんであり、両親がいるのは大切なこと。共同親権か単独親権かどちらか選べる選択的親権制度があってもいいのでは」と提言した。
菅首相は「(連れ去り問題については)私自身も承知して、憂慮している。今後子どもの利益を始め、幅広い観点から検討したい。まずは法制審の検討を見守りたい」と答弁した。
離婚後の親権問題をめぐっては、国際結婚の増加に伴い、離婚後に自分の子どもに会えない外国人当事者も増えており、昨年7月にEU議会から日本政府に対し、非難決議が出されている(拙稿:EUが日本非難!「子ども連れ去り」を止める法改正を)。また、一方の親のみに親権が付与される単独親権制度による親子の引き離しで精神的苦痛を受けたなどとして国家賠償請求訴訟が起きており(拙稿:親子を引き離す「単独親権制度」を放置:父母6人が国を提訴)、親子の引き離しが起きないような制度の構築に向け、各省連携した抜本的な対応が求められている。

 
以前の記事(平成30年4月1日以降)はこちらまで

以前の記事(平成30年3月31日まで)はこちらまで

更新 2021-05-07 (金) 14:49:09
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