民法819条(単独親権制度)改正を求め共同親権・共同監護制度の導入・ハーグ条約締結の推進と活動を行っています

子の最善の利益

子の最善の利益=両方の親と頻繁で有意義かつ継続的な接触を持つこと

インディアナ州裁判所規則「インディアナ州面会交流指針」

それぞれの親に対し、子育てに一層の責任を負わせることを確保し、子どもの健康と成長を促進するためには、それぞれの親は、以下に示す子どもたちにとって基本的に必要なことについて認識し、また、その実現に取り組むべきである。

  • 親が別居することを決定したことは、子どもの責任ではないことを知ること
  • それぞれの親との独立した関係を維持発展すること及びそれぞれの親からの養育と教育を継続して受けること
  • どちらかの親の側に立つことから解放すること、そして、親同士の紛争から解放すること
  • 親同士を操ることで自分の居場所を作ることなく、それぞれの親と緊張せず、安心した関係を構築できること
  • それぞれの親と規則正しく継続した面会交流を楽しむこと
  • 子どもと過ごす時間に関係なく、それぞれの親から金銭的な扶助をうけること
  • それぞれの親が世話をする際に物理的に安全な状況に置かれ、適切な監督下に置かれていること、及び、親の監督下にない際に、安定かつ継続的で責任ある世話がなされるように手配すること
  • 両親と子どもとの第一に優先すべき関係を妨害したり取って代わろうとするものでない限りにおいて、他の重要な大人(祖父母、継父母その他の親戚)と充実した関係を維持発展できること。

児童の権利に関する条約

第9条(1~3項を抜粋)
1 締約国は、児童がその父母の意思に反してその父母から分離されないことを確保する。ただし、権限のある当局が司法の審査に従うことを条件として適用のある法律及び手続に従いその分離が児童の最善の利益のために必要であると決定する場合は、この限りでない。このような決定は、父母が児童を虐待し若しくは放置する場合又は父母が別居しており児童の居住地を決定しなければならない場合のような特定の場合において必要となることがある。

2 すべての関係当事者は、1の規定に基づくいかなる手続においても、その手続に参加しかつ自己の意見を述べる機会を有する。

3 締約国は、児童の最善の利益に反する場合を除くほか、父母の一方又は双方から分離されている児童が定期的に父母のいずれとも人的な関係及び直接の接触を維持する権利を尊重する

子どもの最善の利益~持続的な交流の実現のために

親権者(監護者)が子どもを囲いこんだり、もう一方の親の評価を低めるような言動により、子どもがもう一方の親に対する印象や評価を低くしたり、悪化させないようにするためにも、福祉的な合意形成や面会交流支援体制を構築することが必要である。

ドイツにおける両親の合意形成モデル(コッヘマー・モデル)
 持続的な交流の実現のためには、親自身が紛争当事者としてではなく、共に「子の福祉」のために最大限協力し合う姿が求められよう。そして、「子の福祉」原則の主体である子自身の真意が何を示すのかを精査しつつ、子の意思を適切に手続きに汲み取ることが求められるのではないだろうか。合意形成の場においても、子が当事者として自らの意思を反映させることで、子のために自分たちが何をすべきか、父母は自らを見直す機会となると考えられる。
 ドイツでは、子の配慮や交流に関する家裁手続きにおいて、裁判所が、少年局や社会福祉機関、各相談機関、心理学専門家等と協働し合い、円滑な合意形成の促進を図る、コッヘマー・モデル(Cochemer-Modells)が「家事事件手続及び非訟事件手続法に関する法律」(FamFG、2009年9月1日施行)第155条以下に優先及び促進の要請として掲げられた。
<コッヘマー・モデル>
1992年にコッヘムで行われた、子の利益の下に、父母が離婚後もお互いに相談し合い、父母と子の結びつきを図ろうとする合意形成モデルである。この理念の中心は子であり、父母が、親としての責任のもとに協力することが求められる。
【出典:立命館法学2009年5・6号(327・328号)、「ドイツ法における親子の交流と子の意思」-PAS(片親疎外症候群)と子の福祉の観点から-、佐々木 健札幌学院大学准教授】

更新 2011-07-03 (日) 19:07:36
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