民法819条(単独親権制度)改正を求め共同親権・共同監護制度の導入・ハーグ条約締結の推進と活動を行っています

審判・判決

弁護士による「性的虐待」でっち上げを名古屋家裁が退ける

   可児康則弁護士が、面会拒否事由として仕掛けてきた「性的虐待」のでっち上げを、鑑定意見を集め、丁寧に反証した結果、裁判所が退けて、面会交流を実現した審判が判例集に載りました。
 内容は、まず、事実認定で裁判所は、①子どもの年齢(4歳)、②行為があったとされる時点から1年8ヶ月以上経過、③司法面接において、面接官が「●●と言ったよね。」と誘導している、④(不倫相手で現在同棲している)「Cがぎゅっとやった、あ、違うDちゃんが」と言っている、⑤供述内容自体も、「おしり(又はおまた)を1回、ぎゅっとやった」ということで、行為自体曖昧であり、性的欲求を満たす性的虐待行為とは思えない、さらに、⑥相手方に●●と述べた、という相手方の陳述も、上の反復にすぎず、独立の開示とは言えない、等を指摘した上で、「未成年者の供述は全体としてこれを信用することができない。」とはっきり否定しています。
 また、背景にある法的命題に関し、面会交流を、「基本的には、子の健全な育成に有益なものであり、これにより子の福祉を害する恐れがあるなど、特段の事情がある場合を除き、原則として認められる。」と面会交流の原則を確認していること、また、幼児・児童の供述について、一般的に、「記憶の正確性に不十分な点がある上、他者から得た情報を自らの体験のように思い込んでしまう被暗示性や、大人に対する迎合性が強い」ことから、その供述の信用性について、慎重に検討する必要がある、と述べており、当然の法理とはいえ、子どもを盾にとった切り離しが、子どもの意思や、虐待、恐怖などを子どもが述べているとしてまかり通っている家裁の現場において、裁判所の面会交流を守る毅然とした姿勢として、評価できるものです。   

千葉家裁松戸支部による親権判断に関する判決に関わる経過資料

最終報道

控訴審・父親側の提出資料

【5】準備書面(平成28年11月17日)

当該準備書面において、相手方弁護士の虚偽に満ちた主張が、彼らのイデオロギー的思考に基づくものであり、それが如何に問題があるかを、ハンナ・アーレント著「全体主義の起源」とソルジェニーツィン著「収容所群島」を引用し丁寧に説明しています。
なお、相手方弁護士の半分以上が共産党員であり、彼らがイデオロギー的思考を有することは当然と言えます。
イデオロギー的思考に陥った者が権力と結びつかず、裁判所の周りをデモ行進する程度であれば何ら問題はありません(http://jcp-chiba.web5.jp/nissi1207/dekigoto1406/dekigoto140920.html)。
むしろ、国家権力に対する批判勢力が存在することは、善いことであるともいえます。
しかし、このような者が国家権力と結びつくと、どれ程恐ろしいことになるかは、当該書面の中の相手方弁護士の手口に裁判所が同調した状況を想像すれば良く分かります。当該準備書面を見れば明らかですが、原審であるところの千葉家庭裁判所の裁判官が相手方弁護士の言う言葉を鵜呑みにしていたら、娘を誘拐されたこの父親は、DV男に認定された挙句、最愛の娘を裁判所に奪われるところだったのです。DVがあったとの証拠が一つもないのにです。
正常な裁判を受けられたこの父親は極めて幸運であったと言えます。多くの親は、ある日突然子どもを奪われ、家庭裁判所に呼び出され、どんな反論も抗議も無視されてDV男や児童虐待女に仕立て上げられた上で、家庭裁判所から「公式に」子どもを奪われます。証拠が一つもなくともDV男や児童虐待女に裁判官は認定してしまうのです。その理不尽さに絶望し自殺する者が後を絶ちません。今年の5月には、絶望した父親が家庭裁判所の横で自らの体に火をつけて自殺しました。焼身自殺は、全体主義国家において、その国家なり社会の不条理に抗議する意味でとられる手法ですが、この日本でも、家庭裁判所に連行された親がこのような自殺方法をしばしば選びます。これは、ナチスドイツやスターリン時代のソ連、アラブの独裁国家の話ではありません。この21世紀の日本で現に起こっていることなのです。
なぜ、そんなことになっているかと言えば、家庭裁判所の裁判官のほぼ全ての者が、子どもの連れ去り・引き離しを教唆・幇助して金儲けをしている弁護士らに騙され、国家権力を行使させられてきたからです。その弁護士らは、自らの犯罪的行為を正当化するため、「配偶者暴力(DV)の禁止」や「子の意思の尊重」など、それ自体は誰も反対できないような言葉をレトリックとして利用して、大衆を扇動し、裁判官を欺いてきたのです。
その結果、裁判官は、諸外国では刑事罰となる実子誘拐を黙認するばかりか、その誘拐犯に親権まで与え、盗人に追銭とばかりに慰謝料その他の褒賞まで与えてきました。諸外国から「拉致司法」と非難される所以です。とはいえ、裁判官は単なる道具でしかありません。間接正犯はこの弁護士らです。弁護士らは裁判官を利用して、全国の家庭裁判所を「収容所群島」に作り変えてしまったのです。
今回の裁判が極めて重要な意義を有しているのは、民法766条に従い、「子どもの利益」を最優先に考慮する社会にこの国が舵を切るのか否か、のターニングポイントになるという点だけではなく、我々が全体主義国家への道を進むのか、あるいは、そのような道を断乎として拒否するのかのターニングポイントにもなるという点にあります。
たかが家庭裁判所の一事件と侮ってはなりません。戦前、陸軍の一部が統帥権の名の下で暴走したことで、何がこの国にもたらされたかに思いを馳すべきです。
知らない人には俄かに信じがたいように思われるかもしれませんが、この21世紀の日本の家庭裁判所には妖怪がでるのです。全体主義という名の妖怪です。この妖怪が家庭裁判所を越えて国家全体に憑りつく前に退治する必要があります。
「星の王子さま」に出てくるバオバブ同様、対処が後手に回るともう二度と駆除することができません。苗木の段階で引っこ抜かなければならないのです。

【4】準備書面(平成28年9月8日)

【3】相手側提出書面(平成28年7月31日)

「子の意思」や「面会交流」というものを利用して親権を奪おうとする相手側弁護士が提出した書面です。執拗に渡辺久子医師と父親側の面談を求めています。
ハーグ条約慎重の会の賛同人でもある可児康則弁護士が、判例時報2299号13頁(2016.9.1)に掲載した「面会交流に関する家裁事務の批判的考察」に渡辺久子医師は名前が何度も挙げられています(註の5、8、10、13など)。

◆この論文に対する父親側弁護士の評価

 この調査は、調査主体が、一見すると、「日弁連両性の平等に関する委員会」のように思われますが、実は、その「委員有志」であり(19頁)、何ら公的なものではありません。
調査の回答結果が「65人」とされていますが、何人にアンケート用紙を配付したのかも明らかにされておらず、有効回答率も不明です。
結局、何ら権威のないアンケートで、筆者の側に立つ弁護士が回答を寄せたというだけのものと評価されます。

なお、相手側提出書面を作成した弁護士の一人である斉藤秀樹は、『子ども中心の面会交流』(梶村太市・長谷川京子偏)の中で、「非監護親へのメッセージ」と題して以下のような文章を寄稿しています。

『筆者は、どうゆう事情か、圧倒的に監護親側からの代理人になることが多いが、非監護親の代理人になることもある。非監護親である依頼者にいつも言っていることがある。それは、親子の交流は一生継続するものであることである。子どもが小さいときは無邪気でかわいい。会いたいというのは当然だし、自然の情であろう。しかし、この時期に会えないからと言って、親子関係が一生損なわれたりするものではない。むしろ、子どもが成長し、成人になってから、それ以降の方が、時間的にも親子の関わりは長いし、重要なのではないか。自分の思春期(小学校高学年から中学にかけて)のことを良く思い出してほしい。そんなに親と一緒に定期的にお出かけなんかしたのであろうか。思うように面会できないとしても、別居している子どもが経済的に困らないように今以上に精力的に働いて養育費を送金してあげるような「かっこいいお父さん」であれば、成人になってからでも、必ず頼られる存在となるはず。そんな一生ものの親子関係を目指そう。残念ながら、すんなりと受け入れる非監護親はそういないけれど、いずれ分かってくれると信じている。』

これが、斉藤秀樹弁護士の考える「子ども中心の面会交流」です。

ちなみに、この『子ども中心の面会交流』なる本の執筆者の中で、相手側の代理人あるいは意見書提出などで関与している者は、斉藤秀樹のほか、渡辺久子、小川富之、梶村太市の三者です。

また、この執筆者の中で、『ハーグ慎重の会』に名を連ねる者は、渡辺久子、 可児康則、長谷川京子の三者です。
この執筆者には含まれませんが、相手方弁護士であって、『ハーグ慎重の会』のメンバーである者に本田正男がいます。

さらに、この執筆者の中で、『面会交流原則的否定論への疑問:親子引き離し弁護士への反論集』に、親子引き離し弁護士として反論の対象となっている者は、梶村太市、長谷川京子、渡辺義弘の三者です。
この『面会交流原則的否定論への疑問:親子引き離し弁護士への反論集』では、親子引き離し弁護士として反論の対象となっている三者が判例時報2260号に寄稿した『子ども中心の面会交流論(原則的実施論批判)』に対し反論しています。

【参考資料】

梶村太市弁護士(愛知大学第二法経学部卒、早稲田大学客員教授、元裁判官)が判例時報2303号(平成28年10月11日号)に、「対話小説★戦後裁判官物語(1)」という「小説」を寄稿されました。この「小説」は、現在の面会交流のあり方がおかしいことを世に問う(世間に知らせる)ことを目的とするものだそうです。
この「小説」の中で、梶村氏は、「最近はやりの面会交流原則的実施論や共同監護必要論」は、「最高裁家庭局のリードによって」なされていると登場人物に語らせ、民法766条改正やハーグ条約批准時に、それらの新しい法規に従って実務運用するよう全裁判所に促す通知を出した( http://oyako-law.org/index.php?民法改正書簡 ) 最高裁家庭局への怒りを露わにしています。
梶村氏は、自分が気に入らない法律や条約は無視して良いと考えているようです。およそ元裁判官とは思えない考え方です。
同時に、この「小説」の中で、梶村氏は、「司法研修所の要件事実教育や地裁の民事訴訟あるいは最高裁の事務総局だけの経験を経て、いきなり家庭裁判所の家事事件を担当する裁判官」を攻撃してます。確かに、最高裁事務総局も、最高裁調査官も、研修所教官も、どれも経験させてもらえず、地裁の所長になる芽もなく、61歳で公証人に肩たたきされて終わってしまった梶村氏の裁判官人生を見れば、彼がエリート裁判官達に対して抱くルサンチマンも理解できます。
しかし、彼が出世できなかったのは、彼の実務能力が欠如していただけです。まともな法解釈もできず、ヒステリックに他人を攻撃するような者に最高裁事務総局局付、最高裁調査官や研修所教官を任せられる訳ありません。最高裁事務総局は妥当な人事をしただけです。それを、このような形で逆恨みをして誌面で攻撃するのはどうかと思います。

【参考資料】

【2】進行に関する意見書(平成28年7月7日)

【1】答弁書(平成28年7月7日)

※法廷審理終了後、司法記者クラブの求めに応じ記者会見をした際の配布資料(東京高裁に提出した書類)です。

 答弁書は、相手側(母親側)の控訴理由書の文章に対する反論です。
特に、新たな「証拠」として提出してきた「子の意思」が捏造されたものであり、 子どもが児童虐待に遭っているとの懸念を表明した臨床心理士の意見等を踏まえ、相手側の主張を論駁しています。
 これを読むと①子の連れ去り、②引き離し、③虚偽のDVの主張、④子への言葉の暴力の実態など、親権を獲得するためにとる親のとる行動がどのようなものかが明確に分かります。
 単に、父親側が母親に対し、面会交流100日を認めたことだけが家裁で父親を親権者とする決定がでた理由ではないことが分かります。

フレンドリーペアレントルールによる親権者決定の判決(千葉家裁松戸支部1審判決)

 母親が提訴した離婚訴訟で、別居している父親に親権を認め、子の引渡しを命じる判決が、平成28年3月29日に千葉家裁松戸支部で出ました。
 離婚後の面会交流において、父親に無断で連れ去った長女を監護している母親が、月1回のFPICでの監視付き面会を父親にさせるとしたのに対し、父親は親権者になれば、長女が両親の愛情を受けて育ち、子どもの最善の利益を優先するために、年間100日程度の面会交流を母親に保障すると主張しました。
 また、父親は、年間100日程度の面会交流保障の約束を守らない場合は、親権者を母親に変更するとも申し立てました。
 母親は、長女を現在の慣れ親しんだ環境から引き離すのは、長女の福祉に反する等と主張しましたが、裁判官は母親の懸念は杞憂にすぎず、長女が両親の愛情を受けて健全に成長することを可能とするためには、父親を親権者と指定するのが相当としました。
 子どもの面会交流について、より寛容性がある親が親権者となることが望ましいとするフレンドリーペアレントルール(寛容性の原則)を適用した判決です。フレンドリーペアレントルールは、アメリカのカリフォルニア州などで導入されており、先進国では子どもの最善の利益を実現するために取り入れられている、親権者決定における重要な原則です。
 今回、当該案件の当事者の方の了承を得て、判決文を紹介させて頂きます。
 わが国において、子どもの連れ去り、その後の引き離しを防止するために先進国ではあたり前の、当該案件のような裁判官の判断が広がり、別居・離婚により親子の関係が断絶することがなくなるように法整備が一日も早くなされることを当連絡会では願い活動しています。

◆判決文 9頁 面会交流に関する最近の研究結果(乙5の1、2、26の1の10頁)

【参考資料】

東京家裁判決(面会交流)

  • 東京家庭裁判所判決(平成22年8月31日)

    海外では、子どもが両親と定期的に接することが、精神的な安定にもなっているとする科学的な立証を基礎として、宿泊を伴う毎週の面会交流が子どもの権利、福祉にかなうと当然のように実施されている中、日本では、前近代的な考え方で月1回、短時間の面会交流で十分だという考え方がこれまでの裁判所を支配し、引き離されている親子を苦しめてきました。

    東京家庭裁判所で平成22年8月31日に面会交流に関し、画期的な審判が下されました。今後、全国の裁判所で、このような審判が下されることを期待します。なお、申立人代理人弁護士は、棚瀬孝雄先生です。

「4歳と2歳の二人の子どもと別居親が月2回内1回は宿泊」
~8月31日付け東京家庭裁判所審判書から~

平成22年(家)第○○○号、第○○○号 子の監護に関する処分(面接交渉)申立事件
             審  判
国籍 米国
住所 東京都港区○○○○○○
   申 立 人 ○○○○○○
   代理人弁護士 棚 瀬 孝 雄
本籍 東京都港区○○○○○
住所 東京都世田谷区○○○○○
   相 手 方 ○○○○○○
本籍及び住所 相手方と同じ
   未 成 年 者 ○○○○○
           平成18年○月○日生
本籍及び住所 相手方と同じ
           平成20年○月○日生
            
            主  文
 東京家庭裁判所平成21年(家イ)第○○○号夫婦関係調整調停事件について平成22年1月25日に成立した調停事項のうち、面会交流に関する部分(調停条項第3項)を次のとおり変更する。
相手方は、申立人に対し、申立人と未成年者らとを、別紙1面会要領のとおり、面会交流させなければならない。

~中略~

別紙1

             面会要領
1 面会回数 毎月2回
2 面会日時
(1)毎月第2土曜日又は第2日曜日(ただし、当事者間の協議が整わない場合は後者とする。)の午前10時から午後8時までの10時間
(2)毎月第4土曜日の午後4時から翌日曜日の午後8時までの宿泊を伴う28時間
3 受け渡し方法
 相手方又は相手方の指定する相手方の親族は、面会の開始時間までに未成年者らを申立人肩書住所の申立人宅に送り届け、申立 人は、面会の終了時間までに未成年者らを相手方肩書住所の相手方宅に送り返す。
 ただし、当事者間の協議が整えば、受渡し方法を変更することができる。
4 代替日の扱い
(1)申立人の事情によって、面会交流が中止となる場合の代替日は設けない。
(2)未成年者らの急病等によって、面会交流が中止となる場合は、相手方は、その事情を疎明した上で、申立人に対し、希望する代替日を通知する。
(3)申立人は、(2)の相手方の希望日が差し支える場合には、相手方に連絡した上で、他の日を設定する。申立人が連絡しない場合には、(2)の相手方の希望日に実施する。
 ただし、当事者間の協議が整えば、代替日の扱いを変更することができる。
                                                    以 上

東京家裁審判(フレンドリーペアレントルールに基づく監護者変更)

  • 東京家庭裁判所八王子支部審判(平成22年1月22日)

出典:小林亀一法律事務所ホームページ

主  文
1 未成年者の監護者を申立人と定める。
2 相手方は,申立人に対し,未成年者を引き渡せ。

理  由

第1 申立ての趣旨
主文と同旨

第2 当裁判所の判断
1 当庁平成20年(家イ)第○○○号夫婦関係調整調停事件記録,当庁平成20年(家ロ)第○○○号審判前の保全処分(子の監護に関する処分《子の監護者の指定,子の引渡し》)事件記録及び本件記録に基づく当裁判所の事実認定及び判断は,次のとおりである。

(1) 申立人と相手方との婚姻生活の状況等
ア 申立人(昭和○年○月○日生)と相手方(昭和○年○月○日生)は,平成12年×月×日に婚姻し,平成○年○月○日に未成年者をもうけた。申立人と相手方は,婚姻当初,○○区△△所在のマンションに居住した。
 申立人及び相手方は,平成15年×月,申立人名義で□□市所在の分譲マンションを購入し,同所に転居した。
 申立人と相手方は,関係が悪化し,平成16年×月ころ,相手方が未成年者を連れて実家に帰り,一時別居したことがあった。相手方は,この間,派遣社員として稼働した。しかし,未成年者が幼少であったことや相手方の実母が闘病生活を送っていたことなどから,相手方は,同年×月ころには,申立人の下に戻り,再び同居した。
 しかし,申立人と相手方との夫婦関係は,完全に修復することはなかった。

イ 相手方は,平成16年×月ころから,申立人以外の男性と交際するようになった。相手方は,同年×月ころ,深夜,自宅において,未成年者を置いて,家を空け,申立人が,その際,仕事で会社近くのホテルで宿泊していたため,未成年者が,相手方を捜して近所を徘徊し,警察に保護されたことがあった。

ウ 申立人と相手方は,平成17年×月以降,相手方が申立人以外の男性と交際していることを告げたため,夫婦関係は決定的に悪化した。申立人と相手方は,同年×月ころから性交渉はなくなった。
 未成年者の監護養育については,平日は,申立人が仕事で深夜に帰宅するため,相手方が行い,土日は,申立人が未成年者を外に遊びに連れ出すなどして,別々に行う状況となった。

(2) 別居に至る経緯及び本件紛争の経緯等
ア 未成年者は,平成17年×月,○○幼稚園に入園した。相手方は,専業主婦であったため,園の送迎を行っていたが,午後6時までの延長保育までに迎えが出来ないときは,NPO法人「○□」を利用して,未成年者の迎えを代わりに依頼していた。
 幼稚園の行事については,相手方だけでなく,申立人が参加したこともあった。
 相手方は,平成17年×月から平成19年×月まで,夕方の迎えが出来ないとして合計44回前記「○□」に対し,未成年者の迎えの依頼をしていた。

イ 相手方は,平成18年ころから,入院中の実母の看病に追われるとともに,アロマテラピーの資格取得を目指して,学校に通うなどし,多忙となった。
 相手方は,平成19年×月ころ,申立人に対し,未成年者の親権者を相手方と記載した離婚届出を渡したが,申立人は拒否した。
 申立人と相手方は,このころから,完全に家庭内別居の状態となった。

 相手方は,このころから,後記エ記載のとおり別居に至るまで,家事を十分に行わず,行き届いた居室等の掃除をしていなかった。

 未成年者は,平成19年秋ころ,精神的に不安定となり,保育園の他の子や保育士に対し,つらく当たるなどの行為をしたことがあった。保育園のカウンセラーは,未成年者の相談に関与するようになったが,相手方は,カウンセラーの求めに対し,面談に応じていない。
 未成年者は,平成20年4月,□□市立○○小学校に入学したが,学童保育に通所し,午後6時ころ一人で自宅に帰宅することが多かった。
 未成年者は,やや寝不足が認められたことがあり,入浴も毎日ではなかった。

ウ 申立人は,平成20年×月×日,当庁に対し,離婚を求めて,夫婦関係調整の調停申立てを行った。同調停は,同年×月×日及び同年×月×日と2回の調停期日が設けられた。同調停は,離婚については合意がなされたものの,未成年者の親権者について双方が主張したため,同年×月×日,不成立となった。

エ 相手方は,平成20年×月×日,申立人に無断で,行き先を知らせずに,未成年者を連れて,現住居地に転居した。相手方は,転居の際,冷蔵庫,洗濯機,食器棚,テレビ等を搬出した。
 相手方は,未成年者について□□市立○○小学校から△△市立○△小学校への転校手続を併せて取った。

オ 申立人は,平成20年×月×日,本件及び本件を本案とする審判前の保全処分の申立てを行った。申立人と相手方との間では,同年×月×日の第1回審問期日において,未成年者の過剰歯除去手術のための申立人から未成年者の受診中の歯科医院へのカルテ送付や,同年×月×日の第2回審問期日において,相手方から申立人への健康保険証の返還などが話し合われた。しかし,いずれも,相手方の拒絶により,実行されなかった。

 申立人は,平成20年×月×日,東京地方裁判所に対し,相手方と男女関係のあった男性に対し,損害賠償訴訟を提起している。
 申立人は,平成20年×月×日,本件を本案とする審判前の保全処分については,取下げをした。

(3) 未成年者の監護状況等
 未成年者は,平成20年×月×日から,△△市立○△小学校1年生に在籍し,授業終了後は,○△学童保育所に通所している。
 未成年者は,午後5時過ぎに一人で帰宅するかあるいは午後6時30分ころまで学童保育所にいて,相手方とともに帰宅している。
 土日は,相手方とともに過ごすが,相手方が仕事の場合は,ファミリーサポート等の利用で対応している。

 相手方と未成年者との関係は,良好である。
 未成年者は,ぜんそくの症状があるが,投薬で対応し,日常生活には支障がない。未成年者は,現在の通学先に慣れつつあり,学校生活でも特に問題は生じていない。
 未成年者は,転居ないしこれに伴う転校は希望していない(なお,相手方は,平成20年×月×日受付で未成年者の直筆による相手方との同居を希望する書面を提出しているが,申立人と相手方との紛争の経過や未成年者の年齢からして,本人の意思を聞き出すこと自体の相当性に疑問があり,これについては考慮すべきでない。)。

(4) 申立人及び相手方の状況等
ア 申立人は,○○大学を卒業後,平成6年×月,○○□□に勤務している。申立人は,平成18年×月,○○△△に出向し,業務部に所属している。平成20年×月,業務部の課長に昇進した。
 申立人は,昇進前は,残業等により帰宅が深夜となることが多かったが現在は,平日午後7時30分ころから午後8時ころには帰宅している。
 申立人は,年収1000万円から1100万円を得ており,月額10万円(ボーナス時40万円)の住宅ローンを支払うほか,相手方に対し,婚姻費用として月10万円を支払っている。
 申立人は,○○市に居住していた申立人の実母(71歳)を呼び寄せ,平成20年×月×日から同人と同居している。
 申立人の実母は,未成年者と従前から交流があり,健康である。申立人の実兄夫婦は,○○県内に在住しており,未成年者と同年齢の子があり,申立人は,同人とも交流をさせる意思でいる。
 申立人は,看護師及びカウンセラー経験のある○○○○に依頼し,平成20年×月ころから,週火水木の3回午後3時から午後9時まで家事等を依頼している。
 申立人は,未成年者の監護養育については,実母と上記○○○○の協力を得て行う予定である。

イ 相手方は,○○短期大学を卒業後,米国に留学し,会社に勤務した。相手方は,婚姻後,専業主婦をしていたが,平成20年×月には,アロマテラピーの資格を取得した。
 相手方は,平成20年×月×日から外資系企業に経理事務を内容とした派遣社員として勤務し,手取りで月額16万円程度の収入を得るほか,相続不動産から月7万円程度の家賃収入を得ている。
 また,相手方は,アロマテラピーの講師も行っており,1か月に1回土曜日に講義をし,月2万円程度の収入を得ている。
 相手方には,未成年者の監護養育に当たり,近隣に居住し,援助協力をする親族はない。

(5) 本件紛争後の申立人と未成年者の交流等
ア 平成20年×月×日,当庁の児童室において,申立人と未成年者の面会交流が行われた。同面会交流においては,特に申立人と未成年者との関係に問題があるとは窺われなかった。

イ 相手方は,申立人と未成年者との面接交渉については,反対の意思を表明し,裁判所による面接交渉の調整についても拒絶的対応を示している。

2 ところで,父母が事実上の離婚状態で別居し,子の監護について協議が調わない場合において,子の福祉のため必要があるときは,家庭裁判所は,民法766条,家事審判法9条1項乙類4号を類推適用して,子の監護に関し必要な事項を定めることができると解される。
 そこで,前記1で認定した事実に基づいて,父である申立人と,母である相手方と,そのいずれを監護者とするのが適切か検討する。

(1) 前記1で認定した事実によれば,次のとおりの事実を認めることができる。
ア 相手方は,未成年者が乳幼児のころから現在に至るまで,ほぼ専業主婦として未成年者の食事等の身の回りの世話を行ってきている。相手方と未成年者との関係についても良好と認められる。
 未成年者は,まだ7歳であり,安定的に母子関係を形成することが重要であることからすると,相手方と未成年者を分離させることには問題がある。

イ 未成年者は,平成20年×月×日より,現在の居住地の学区にある△△市立○△小学校に通学し,学校生活には慣れつつある。仮に,未成年者が申立人宅に居住することになると,転校を余儀なくされ,学校生活の継続性が失われることとなる。

(2) しかしながら,他方で,相手方の未成年者の監護養育状況については,次のとおりの事実も認めることができる。
ア 相手方は,申立人と婚姻生活中,ほぼ専業主婦として未成年者を監護養育していたものの,幼稚園の迎えについては,延長保育や第三者に依頼するなどしたことが度々であった。また,相手方は,未成年者が幼稚園で精神的に不安定な状態となった際にも十分な対応をしていない。
 相手方は,当時,申立人との夫婦関係が悪化し,実母の入院,死亡等の事情があったが,これらを十分に考慮しても,相手方の未成年者の従前の監護養育状況に問題がなかったとはいえない。

イ 相手方は,現在,未成年者の学童保育の終了時間に合わせて帰宅しているが,相手方のこれまでの監護状況や現在の就業形態からすると,平日及び休日未成年者を身近に置いて十全に監護できる状況にあるとはいえない。また,相手方には,未成年者の監護養育につき援助協力する親類等もいない。

ウ 相手方は,申立人と未成年者とが面接交渉をすることについて反対の意思を有しており,本件申立て以後においても,未成年者の通院等の手続についても申立人の協力を拒むなどした。相手方のかかる態度については,申立人と未成年者との交流を妨げる結果となっており,未成年者が社会性を拡大し,男性性を取得するなどの健全な発育ないし成長に対する不安定要素となっている。

(3) さらに,前記1で認定した事実によれば,申立人は,従前,未成年者の監護に関与しなかったわけではなく,未成年者との関係については問題はないこと,実母ほか監護補助者の協力を得て未成年者を十分に監護養育する環境を整えていることが認められる。
 そうすると,前記(1)で説示したことを十分考慮し,かつ,現在の監護環境の変更に伴って生じる未成年者の負担を鑑みてもなお,相手方を未成年者の監護者と指定し,相手方において引き続き未成年者の監護養育を行うことよりも,未成年者の監護者については,申立人と定めてその下において養育させるのが未成年者の福祉にかなうものと認められる。

3 以上から,本件申立てについては,理由があり,未成年者の監護者については,申立人と定め,相手方は,申立人に対し,未成年者を引き渡すのが相当である。
 よって,主文のとおり審判する。
 (家事審判官 澤井真一)

更新 2017-01-21 (土) 00:33:39
a:10810 t:1 y:3

powered by Quick Homepage Maker 5.2
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional