民法819条(単独親権制度)改正を求め共同親権・共同監護制度の導入・ハーグ条約締結の推進と活動を行っています

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「共同親権」どう考える 賛否両派に聞く

出典:令和4年11月24日 時事通信

「共同親権」どう考える 賛否両派に聞く

 離婚後の親権の在り方を巡り、法制審議会(法相の諮問機関)家族法制部会が、離婚後も父母双方が親権を持つ「共同親権」を導入する案と、現行の「単独親権」を維持する案を併記した中間試案をまとめた。

 前者はさらに、共同親権を原則とする案と、一定の要件を満たせば例外として共同親権を認める案に分かれる。「子の利益」の観点から親権制度はどうあるべきか。近く始まる意見公募(パブリックコメント)を前に、共同親権の賛否両派に話を聞いた。

 ◇「原則共同親権・監護」実現を=柴山昌彦氏―超党派共同養育支援議連会長、自民党衆院議員
 中間試案に、私たちが求める「原則共同親権・共同監護」という選択肢が入ったことは評価する。世界でも単独親権制度の国は極めてまれだ。「子どもの権利条約」では子が親の保護を求める権利が保障されている。

 少なくとも家族が幸せに暮らしている時、子どもはパパもママも好き。子が親との関係を保ち、子に対する責務を両親が果たす婚姻中の正常な形を、離婚時に片方の親が断ち切られる単独親権制度が子の利益に即しているとは思えない。それがあるべき姿であれば、世界でもっと単独親権の国が増えていると思う。

 別居親との面会交流ができずに子どもが悲しい思いをする、同居親との間で起きる子の福祉を損なう行為に対して子の異変やSOSを別居親が認識できないなど、単独親権が弊害になるケースが出てきている。

 子どもと没交渉なのに養育費だけ支払わされているお父さんから「自分は現金自動預払機(ATM)か」との声も聞く。養育費が喜んで支払われるような子どもとの交流も、自然な形で極力認められるべきだ。

 子の養育を継続的にしていた人が離婚時の親権獲得で優位になる。だから子を連れ去って既成事実として親権を獲得するという事案を誘発する。共同親権なら、親権獲得目的で連れ去るインセンティブがなくなる。

 共同親権ではDV(家庭内暴力)が継続すると懸念する声もある。夫婦間の問題と親子間の問題が常に連動するわけではないと考えるが、子の福祉に沿わないDVや虐待があるケースを共同親権の例外とすることに、私は異を唱えない。

 (DVが)認定されるプロセスのいとまがない場合など、正当な理由があって子どもを連れて避難することまで否定しない。ただ、親権喪失や親権停止の制度は今もある。やむにやまれず出て行った人はどれくらいの比率なのか、実態調査を踏まえた上で議論しなければいけない。

 (子どもの日常の世話や教育をする「監護権」を両親が持つことで物事の決定に支障が出るとの指摘に)共同監護を原則としても、あらゆることまで別居親の同意が必要なわけではない。離婚時に養育費や面会交流、その他の子どもに関する基本事項の決定について話し合うことが一番だ。監護者指定で合意できず、共同監護となった場合は裁判所の負担が増えるため、地方自治体やNPO、カウンセラーの活躍の場を広げてはどうか。

 試案取りまとめの過程で自民党法務部会が圧力をかけたとの指摘があるが、政府提出法案でも与党の同意がなければ閣議決定されない。法制審のプロセスの中で与党とキャッチボールしながら進めることを圧力だと言うのは、日本の統治機構に対する誤解だ。

 ◇共同親権導入は時期尚早=赤石千衣子氏―しんぐるまざあず・ふぉーらむ理事長、法制審委員
 中間試案は書きぶりが共同親権に寄っていると感じる。委員に現場を知っている人が少なく、当事者の実態が伝わっていない。協議離婚した人の実態が議論されないまま、拙速に案を出した。さまざまなケースを慎重に考える必要があり、民法をいじるのは時期尚早だ。

 「共同養育的な関わり」の推進は賛成だ。私もそのように子どもを育ててきて、子どもは自由に父親と会っていた。同居親以外の関わりがあることで、子どものセーフティーネットは増える。

 だが、離婚後に子の重要事項を共同決定することを法制化するのは反対だ。離婚後に協力して子育てできている人に法改正は必要ない。コミュニケーションを全く取れない場合、子どもにすさまじい不利益が生じる。

 共同監護で事前に話し合いを要する場合、別居親から日常的に情報提供を求められたり、進学先などが決まらなくなったりする恐れがある。経済的に脆弱(ぜいじゃく)なひとり親が、(意見が対立し)家庭裁判所決定となるたびに仕事を休み、弁護士費用を払うことなどできない。今でもパンク状態の家裁が対応できるのか。

 (選択的に共同親権とする案の)「選択的」というのは誤解を生みかねない。意見が合わなければ家裁に持ち込まれ、調停や審判で決定されてしまう。

 (DV=家庭内暴力や虐待のケースを例外的に単独親権とする案に関し)DV被害を受けている渦中に証拠を集められる人はほとんどいない。裁判所がアセスメント(評価)できると思えない。

 2011年の民法改正以来、家裁は面会交流原則実施論一色となった。調停では、夫から煮えたぎった鍋を投げつけられる暴力を受けた人でさえDVは軽視され、面会交流するよう求められている。調停経験者を対象に行った調査では、家裁が中立ではないという声が多数あった。今度は「DVの証拠がないなら共同親権にしなさい、それが普通だ」と調停で言われる恐れがある。

 「子の連れ去り」とはDVや虐待からの緊急避難だ。生活基盤を手放して突然逃げるのはよほどのことで、逃げざるを得なかったからだ。

 もう一つ想定されるのは、別居親が全く無関心で連絡が取れないケースで、数としてはこちらの方が多い。協議離婚で連絡先も居場所も分からないケースでどう共同決定するかという議論も全然されていない。

 共同親権になっても面会交流の推進や養育費確保の保証はない。それどころか制度の立て付け次第では扶養控除や手当がなくなり、余計生活苦になるかもしれない。民法改正では人の行動は変わらない。子どもと親のサポートや社会保障の仕組み、家裁の体制を強化するのが先ではないか。

「イクメン」時代、離婚後も父母両方で養育を 共同親権に賛成の識者

出典:令和4年11月16日 朝日新聞

「イクメン」時代、離婚後も父母両方で養育を 共同親権に賛成の識者

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二宮周平・立命館大名誉教授(家族法)

 離婚後の子どもの親権を父母の双方が持つ「共同親権」を導入すべきか、父母のどちらか一方に決める今の「単独親権」を維持すべきか――。法務大臣が意見を求めた専門家会議は、激論の末、両論を併記する中間試案をまとめた。共同親権の導入に賛成する二宮周平・立命館大名誉教授(家族法)に話を聞いた。

 ――中間試案についての見解は。

 「共同親権を導入する案に賛成します。ある調査によると、離婚後も親子交流を続けている父母は25%程度います。ただ、合意が長続きする保障はなく、親権者が交流をやめるといえば、非親権者に抵抗する手段はありません。家裁で争って親権者を変更することはできますが、かえって対立が深まり、話し合いが難しくなります」

「選択制になっている韓国や台湾では、従来通り単独親権になることが多く、共同親権を選ぶのは2~3割の夫婦に限られます。離婚後も養育費を払い、頑張って子育てをしている父母を支える制度は必要です」

 ――共同親権になると、どんな変化がありますか。

※以下、紙面を参照ください。

離婚後の共同親権で3案提示 単独親権案も併記、法制審

出典:令和4年11月15日 日本経済新聞

離婚後の共同親権で3案提示 単独親権案も併記、法制審

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中間試案、方向性定めず

法相の諮問機関である法制審議会は15日、離婚後の親権のあり方に関する中間試案をまとめた。父母双方に「共同親権」を認める3つの制度案を示しつつ、片方だけが親権を持つ現行の「単独親権」を維持する案も併記した。共同親権の導入を巡る賛否が割れている状況を考慮し、方向性を定めず複数案を提示するにとどめた。

親権は子供の世話や財産管理に関する民法上の権利・義務とされる。現行法は婚姻中であれば父母がともに親権を持つ「共同親権」で、離婚した場合はどちらか一方のみが親権を持つ「単独親権」になると規定する。

法制審は離婚後に共同親権を認める場合の制度として①原則は共同親権で一定の要件を満たせば例外として単独親権も認める②原則は単独親権で一定の要件を満たせば例外として共同親権も認める③具体的な要件を定めず個別ケースごとに単独か共同かを選択可能にする――の3案を記した。

現在の単独親権の法規定を維持する案も載せた。12月から2023年2月をめどに中間試案のパブリックコメント(意見公募)をかける。

共同親権を導入するには答申をまとめたうえで民法を改正する必要がある。法務省の担当者は「答申の時期は見通せていない。法改正を含め具体的な時期を示すことは困難だ」と語った。

法制審は21年から家族法制部会で共同親権を導入する是非を議論してきた。親権を持たない側が子供に会えない不満を持ったり、養育費を払わなかったりする問題が出ていた背景があった。

欧州連合(EU)の欧州議会は国際結婚が破綻した日本人配偶者が子供を連れ去る事例が相次いでいると主張し、20年に共同親権を認める法整備を求める決議を採択した。

共同親権は賛否が割れる。家族法制部会委員を務める「親子の面会交流を実現する全国ネットワーク」の武田典久代表は現在の単独親権制度では離婚後に金銭面などの責任を持たなくなりがちな親がいると指摘する。

「共同親権にすれば直ちに解決するわけではないが、離婚後の親の意識を変えることにはつながる」と強調する。

慎重派は離婚後も父母双方に関係があると虐待やドメスティックバイオレンス(DV)が続くと危惧する。

シングルマザーサポート団体全国協議会が6~7月に実施したひとり親を対象とするアンケート調査では8割が共同親権制度が導入されても「選択しない」「どちらかというと選択しない」と回答した。

離婚した理由として「子供への悪影響」「精神的虐待」を挙げた人はいずれも37%に上った。

同協議会の代表で家族法制部会委員を務める赤石千衣子氏は「共同親権にかじを切れば子供が危うい状況に置かれる」と訴える。赤石氏ら一部委員は11月15日に「限定的で拙速な議論が進められていることを憂慮する」との意見書を法制審に提出した。

法制審はもともと8月末に中間試案をまとめる予定だった。当初案は共同親権の導入について原則認めるか一定の要件下で認めるかの2案に単独親権維持案を併記した内容だった。

自民党の法務部会で共同親権導入の推進派から党内意見の反映などを求める主張が続出したため先送りした。個別ケースごとに共同親権か単独親権かを判断する案を追加する修正や検討経緯の説明を経て11月10日の部会で了承を得た。

厚生労働省によると日本の離婚件数は20年におよそ19万3000組で、うち11万1000組程度は未成年の子供がいる夫婦だった。家族のあり方にかかわるだけに国民的な合意を得て進めるのが望ましい。

中間試案は養育費不払いの問題を踏まえ一定額の養育費を払う義務を課す「法定養育費制度」を創設する案も盛り込んだ。親子が定期的に会う面会交流の実施を巡っては子供の意思や発達状況などの判断基準を明確にすることを提起した。

立命館大の二宮周平名誉教授は「共同親権を認めるには離婚後の養育について情報提供する講座の受講を父母に義務付け、面会交流や養育費など父母間の合意形成を促す体制が必要だ」と訴える。

海外の主要国は共同親権が一般的だ。法務省によると米国や英国、オーストラリア、韓国などが導入している。イタリアやフランスは共同親権を原則としつつ、虐待リスクなど子供の利益に反すると裁判所が判断すれば単独親権を認める。

「子の利益」論点整理できるか 離婚後親権の中間試案

出典:令和4年11月15日 産経新聞

「子の利益」論点整理できるか 離婚後親権の中間試案

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 法相の諮問機関「法制審議会」の家族法制部会が15日、公表した中間試案は、離婚後の親権に関し、共同親権と単独親権の単純な「二者択一」ではなく、例外規定を設けて細かく選択肢を提示する形となった。意見集約が難しかったことの裏返しともいえるが、法務省はパブリックコメント(意見公募)で国民の意見を広く募り、さらなる議論に生かす考えだ。

 共同親権の導入を巡っては、平成23年の民法改正時に衆参両院の法務委員会の付帯決議で「可能性を含めた検討」が明記されたことなどを受けて、令和3年2月に法相が法制審に諮問していた。

部会では、共同親権であっても従来通りの単独親権であっても「子供の利益に資するべきだ」という点は委員間で一致していた。ただ、実際にどんな仕組みが最も「子の利益」につながるかという点については、議論百出した。

 ある委員は、共同親権は子供からみれば、普段はそばにいない「もう一人の親」に相談する権利になりえるとし、肯定的な見方を示した。別の委員も、離婚後に別居する子供から受験について電話で相談を受け、これをきっかけに元配偶者と話し合いの機会を持ったことで適切な助言ができたとの体験を明かし、原則的に共同親権とすることで、こうしたケースが増えることを期待した。

ただ、離婚した両親の意思疎通が円滑でない場合、子供の進路などの重要事項が、かえって期限内に決まらないなどの混乱も予想される。このため中間試案では、共同親権はあくまで「例外」とし、原則的に単独親権とする案も併記された。

また、ドメスティックバイオレンス(DV)の渦中にある場合などでは、共同親権だと「真の合意ができない可能性があり、一切認めるべきではない」という意見も出た。このため、現行の単独親権のみしか認めないとする案も残された。

 今回の中間試案では、共同親権を認めた場合でも、身の回りの世話をする「監護者」については父母のいずれか一方を指定する仕組みも提案された。

 法務省関係者は、今回の中間試案について「あくまでパブリックコメントを募るための案だ」と強調する。神学論争に陥ることなく「子の利益」を軸に論点をどう整理し、「両論併記」を脱することができるかが、法案化のカギとなりそうだ。(荒船清太)

[離婚後の「共同親権」導入、「単独親権」維持と両案併記 法制審

出典:令和4年11月15日 朝日新聞

離婚後の「共同親権」導入、「単独親権」維持と両案併記 法制審

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 離婚後の子どもの親権について法制審議会(法相の諮問会議)の部会は15日、父母双方が持つ「共同親権」の導入と、どちらか一方に限る現行の「単独親権」の維持を併記した中間試案をまとめた。賛否が激しく対立して1案には絞れず、法務省は年内にもパブリックコメントを実施して国民の意見を募る。

 親権には、日常的な身の回りの世話(監護)などをする「身上(しんじょう)監護権」と、子の財産を管理し、契約行為を代理する「財産管理権」があるとされる。現行の民法では、婚姻中は父母双方が親権を持つが、離婚後は一方に決める必要がある。

 中間試案では、法改正して共同親権を導入する案と、現行の単独親権を維持する案を併記した。

 そのうえで共同親権を導入する場合は、①共同親権を原則とし、一定の要件を満たす場合に限って例外的に単独親権を認める②単独親権を原則とし、例外的に共同親権を認める③原則・例外を設けず、個別事案に即してどちらかにする――の3案を示した。

 共同親権にした場合、親権のうちの身上監護権を担う「監護者」を定めるかも焦点になる。中間試案では、必ず父母の一方に定める案と、監護者は定めずに双方が監護することも可能にする案を併記した。

 中間試案は、離婚後の養育費の支払いや、別居する親子の面会交流をめぐる新たな制度案も示した。

 養育費や面会交流の取り決めをしなければ原則離婚できない▽養育費の請求権が自動的に発生する▽親子交流の実施を判断する要素(子の生活状況、安全面など)の明確化――といった複数の案が盛り込まれた。

 見直しの背景には、夫婦3組のうち1組が離婚するといわれ、親が離婚した未成年の子が毎年約20万人に上るなか、離婚後も父母双方が子の養育に責任を持つべきだとの考えがある。

 一方、共同親権に対しては「関係が継続することで家庭内暴力や虐待が続く」などとして反対する声も強く、法制審部会は1案に絞れなかった。15日の部会でも、一部の委員が「議論が拙速」として中間試案の取りまとめに「強い懸念」を表明する意見書を出した。

 政治の関心も高く、8月の自民党法務部会では共同親権を求める立場から「中間試案の内容が分かりにくい」との指摘が出て、同月末に予定していた取りまとめが先送りされていた。その後、骨格は維持したまま若干の修正がなされた。(田内康介)

離婚後の共同親権、法制審部会が中間試案 単独親権の維持も併記

出典:令和4年11月15日 毎日新聞

離婚後の共同親権、法制審部会が中間試案 単独親権の維持も併記

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 家族法制の見直しを議論している法制審議会(法相の諮問機関)の部会は15日、離婚した父母の双方が親権を持つ「離婚後の共同親権」の導入を盛り込んだ民法改正の中間試案を取りまとめた。現行制度の単独親権を維持する案も併記した。部会は、12月開始予定のパブリックコメント(意見公募)の結果を踏まえ、詰めの議論に移る。

 民法上の親権は、未成年の子に対して親が持つ権利と義務を指し、子の身の回りの世話をする「身上監護」と、子の財産を管理し子に代わって法律行為をする「財産管理・法定代理」からなる。現行制度は、婚姻中は共同親権、離婚後はどちらか一方の親による単独親権と定める。

 今回の試案はまず制度の枠組みとして、離婚後に共同親権を選択することについて、原則とする▽例外とする▽個別事案に即して決める――の3パターンを提示。その上で共同親権を行使する範囲に関し、婚姻中と同様に子に関する全事項について共同で行使する▽父母のいずれか一方を「監護者」と定め、親権のうち身上監護に関する事項については単独で決める――といった選択肢を提案した。

 一方で、父母が激しく対立したり家庭内暴力(DV)や虐待で力関係に差があったりするケースでは、離婚後の共同親権は難しいとの意見も踏まえ、部会は、現行通り単独親権しか認めない案も併記した。

養育の取り決め義務付け案も

 試案は親権以外のテーマについても見直し案を示した。日本では、子への養育費の支払いや別居親と子の面会のルールを決めないまま父母が離婚に至るケースが多く、一人親家庭の貧困や親子の断絶を招いているとの指摘がある。

 このため試案は、父母の話し合いだけで決める「協議離婚」をする際に、離婚後の子の養育について学ぶ講座を受けることや、子の養育に関して取り決めをすることを義務付ける案も提示。養育費の額を決められなかった場合に同居親側に一定額の養育費の請求権が発生する「法定養育費制度」や、家裁が別居親と子の暫定的な交流を命じられる手続きの創設も盛り込んだ。

 部会は2021年3月に議論を開始。今年8月に中間試案を取りまとめる予定だったが、部会内外から「案が分かりづらい」と指摘があり、先送りしていた。【山本将克】

離婚後の親権で法制審が中間試案…「共同親権」選べる案と「単独親権」維持する案を併記

出典:令和4年11月15日 読売新聞

離婚後の親権で法制審が中間試案…「共同親権」選べる案と「単独親権」維持する案を併記

紙面PDF

 離婚後の親権のあり方などを議論してきた法制審議会(法相の諮問機関)の部会は15日、離婚後も父母双方に親権を認める「共同親権」が選べる案と、どちらか一方が親権を持つ現行民法の「単独親権」を維持する案を併記した中間試案をまとめた。12月から2か月程度のパブリックコメント(意見公募)を行う。法制審は国民の意見を踏まえて早期の答申を目指す。

 現行民法は、婚姻中は父母が共同で親権を持つが、離婚後は片方が親権を持つ「単独親権」を規定している。「単独親権」は離婚時の親権争いや、子どもの連れ去りなどのトラブルの原因とも指摘される。欧米諸国では共同親権が一般的だ。

 一方で離婚後も家庭内暴力(DV)や虐待が続く恐れがあるなどの理由で、単独親権を支持する声もある。

 中間試案では、共同親権を導入する場合、〈1〉共同親権が原則だが、父母間の合意などを条件に例外として単独親権も認める〈2〉単独親権が原則だが、例外で共同親権を認める――の2案を示した。原則や例外を定めず、個別事案に即して柔軟な選択を可能にする考え方もあると追記した。

 共同親権を認める場合、子どもの世話をする「監護者」について、〈1〉必ず父母の一方を指定する〈2〉父母の一方を監護者と定めるかどうかは協議で決める――との案を併記した。離婚後の財産分与を請求できる期間を現行の2年から「3年」と「5年」に延長する案も示した。

 中間試案は当初、8月にまとめる予定だったが、自民党内から共同親権に関する内容が「分かりにくい」などと反発があり、先送りされていた。

離婚後の共同親権案を提示 「単独」維持併記、法制審

出典:令和4年11月15日 東京新聞

離婚後の共同親権案を提示 「単独」維持併記、法制審

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 離婚後の子どもの養育について検討する法制審議会(法相の諮問機関)の家族法制部会は15日、制度見直しの中間試案を取りまとめた。親権に関し、父母双方の「共同親権」を選べる案、現行民法のままどちらか一方の「単独親権」だけを維持する案など、10ほどの選択肢を併記した。
 当初は8月末に取りまとめ予定だったが、自民党法務部会で強硬に共同親権導入を求める一部議員らが反発、先送りされた。15日の試案は修正を小幅にとどめ、当初案を基本的に維持した。
 12月初旬にもパブリックコメント(意見公募)を実施。今後の議論次第では、離婚後の親子関係が大きく変わる。

離婚後「共同親権」も選択肢 中間試案、12月から意見公募―法制審

出典:令和4年11月15日 時事通信

離婚後「共同親権」も選択肢 中間試案、12月から意見公募―法制審

 法制審議会(法相の諮問機関)の家族法制部会は15日、離婚後も父母の双方に親権を認める「共同親権」導入を選択肢の一つとした中間試案をまとめた。12月から意見公募(パブリックコメント)を実施する予定。答申に反映させる。

 現行民法は、父母の婚姻中は共同で親権を持つが、離婚後はどちらか一方が親権を持つ「単独親権」を規定している。

 中間試案は、共同親権を導入する案と、単独親権を維持する案を併記。さらに、共同親権を導入する場合は(1)共同親権を原則とする(2)父母間の合意など一定の要件を満たせば例外として共同親権を認める―などの案を提示した。

戦後民法の親権制度に欠陥

出典:令和4年11月2日 日本経済新聞

戦後民法の親権制度に欠陥

ITコンサルタント 松村直人

9月27日の本欄に「離婚後(実質的には別居後)の単独親権」を巡る問題が掲載された。これと密接に関係する「婚姻中共同親権の制度欠陥」について説明したい。

そもそも私たち国民はどの程度「婚姻中共同親権」を意識しているだろうか。民法818条3項は「親権は、父母の婚姻中は、父母が共同して行う」と定めており、婚姻中は父母が共同で子育ての意思決定をする必要がある。しかし、父母の考え方が異なる場合の規定が無い。円満な夫婦でも受験やワクチン接種などで考えが異なる場合、意思決定が不能になるのだ。この解消手段の1つが「子の連れ去り」という乱暴な実力行使であり、家庭裁判所が「監護者の指定」手続きにより「別居後単独親権」を事実上作り出している。

このような意思決定のデッドロックを避けるため、企業は通常1対1の出資比率を避ける。また共同親権を採用している各国は、父母の意見が対立した際の調整規定を設けている。具体的には裁判所がどちらかの親に決定権を与えるか、裁判所がその内容を決定するか、いずれかの方法だ。つまり、日本の婚姻中共同親権は対等な父母の最終意思決定方法を欠くという重大な欠陥を抱えている。

実は、父母の意見が不一致の場合の調整規定が無い問題は、戦後1947年に民法が改正された当時から指摘されていた。ただ当時は父親が意思決定する時代だったため、立法者は課題を認識しながらも何の手当てもしなかった。その後も民法学者が繰り返し指摘してきたものの、放置されてきた。

博報堂生活総合研究所の「家族30年変化」調査によれば、家庭の総合的決定権を持つのは、1988年に夫72%、夫婦同等16%、妻10%だったが、2018年には夫39%、夫婦同等31%、妻30%に変わっている。過去30年で家庭内の意思決定は夫優位から夫婦対等に大きく変容した。そして家庭の重要な役割として子育てがあり、その意思決定方法を規定するのが親権制度である。父母対等な現代家庭を支えるには、意見調整機能を備えた真の共同親権が必要だ。

私はこの共同親権の意見調整機能不備の立法不作為を問う国家賠償請求訴訟を起こしており、12月に控訴審判決が予定されている。

急げ「実子連れ去り」問題解決を

出典:令和4年10月21日 産経新聞

急げ「実子連れ去り」問題解決を

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コラム 正論

 不覚にも最近初めて知ったのだが、国内で親による「実子連れ去り」事件が多発しているという。

わが目疑う実子の「誘拐」

ご存じでない読者には、にわかに信じられないであろう。

※以下、紙面を参照ください。

離婚しても子育ては半分ずつ 共同親権が当たり前のアメリカから見る単独親権の違和感

出典:令和4年10月19日 The Asahi GLOBE+

離婚しても子育ては半分ずつ 共同親権が当たり前のアメリカから見る単独親権の違和感

離婚後の子供の共同親権問題。日本ではこの夏、賛否が激しく対立する中、議論が物別れに終わりました。

離婚後の共同親権の導入を議論してきた法制審議会(法務大臣の諮問機関)は、中間試案の取りまとめを見送り、パブリックコメントで広く意見を募るはずだった予定自体も延期となりました。

結婚している間、夫と妻は協力し合い、子育てにいそしみます。特に意識することなく共同親権のもと、子供の成長に向き合っていきます。

日本の場合、離婚後は父母のどちらか一方しか親権を持つことができず、現行の法律では単独親権となります。もちろん、日本でも面会交流の取り決めをして、月に1度であったり、週末を一緒に過ごしたり、ということはあるかと思いますが、わたしの周囲の一般的なシリコンバレーのファミリーの場合、離婚後は「親権、まっぷたつの共同親権」の場合がほとんどです。

アメリカでは子供にとって最善の利益になるように離婚後の取り決めがされます。そもそも、日本のように「父親か母親のどちらかの選択」という概念がなく、離婚したからといって「片方の親が、子育ての蚊帳の外に置かれる」という風潮もなく、父親も母親も親権を望むので、よっぽどのことがない限り、単独親権にはなりません。

つまり、子供は両親の家を行き来して、平等に同じ時間だけ過ごし、両親は離婚後も2人で子育てを継続していきます。

小泉純一郎元首相が、離婚後に小泉氏が長男と次男を、元妻が三男を引き取り、長年交流がなかったことが報道された際には、周囲のアメリカ人から「そんな人が首相でいいの?」と聞かれたことがあります。小泉家には小泉家の事情があったのだとは思いますが、アメリカ人からすると理解し難いようでした。

共同親権 という意味の英語「Joint custody」には、一緒に住む権利の 「Joint physical custody」と 学校や習い事をどうするか、病気やけがの治療方針をどうするかなどを決定する権利の「Joint legal custody」 があります。

アメリカでは離婚後の子供の親権は各州によって法律が異なるのと、各家庭のそれぞれの事情により異なってきますが、離婚はすべて裁判所を通し、財産分与、養育費、子供に会う権利など細かい点まで協議、調停、裁判などのプロセスを経て合意に至った後に、ようやく離婚成立となります。

一度合意されると、日本によくありがちな一方の親が離婚相手に精神的苦痛を感じわだかまりがある、または、相手の再婚相手が気に入らない、などの感情論で子供との面会を拒否することはできません。

ちなみに、日本人の妻/夫がアメリカ人の配偶者の合意なく、離婚後に子供を連れて日本に帰ると、ハーグ条約により「誘拐扱い」になります。

合意までの過程の中で、それぞれの親が子供と過ごす基本的なスケジュールが決められます。ちょっと限定的な例えとなりますが、わたしの周囲のシリコンバレーのテック企業などで働く共働きカップルが離婚する場合、ほぼ共同親権で合意されます。両親ともに虐待、ギャンブル、アルコール中毒などの特別な問題がない場合です。

例えば、周囲によくあるのが水曜日の朝までパパの家、水曜の学校の後のピックアップはママ側が担当し、週末は隔週でそれぞれの親と過ごすパターン。3カ月弱ある夏休みなどの際は、3週間ずつ交代にしたり、11月のサンクスギビング(感謝祭)はママの家で過ごすのであれば、クリスマスはパパ側で過ごす、といった感じです。

子供は二つの家を行き来し、歯ブラシも二つ、おもちゃも二つ、洋服も2カ所に分けて(もしくはその都度持参して)、自分の部屋も二つという生活を送っています。

子供の誕生日会を離婚後も2人がそろってホストしていることも多いですし、子供のサッカーゲームを観戦しているシーンに遭遇するときもあります。

私の13歳の娘などは、住む場所は1カ所なのに、部屋の整理整頓がいまいちで、学校の用意も当日の朝ギリギリ、忘れ物もあります。場所が2カ所だと次の日や、次の次の日の習い事の用意など、先に先にと考えなければならず、大変だろうなあ、と想像したりします。子供が小さいうちは、それは必然的に親の仕事となります。

アメリカのカマラ・ハリス副大統領は、夫のエムホフ氏の前の結婚での子供2人に初めて会ったのは彼らがまだ10代の時だったそうですが、結婚後にステップマム(義理のお母さん)となったハリス氏は、Mom(ママ)とKamala(カマラ)を合わせて「モマラ(Momala)」と呼ばれているそうです。彼らも成長期にかなりの時間をハリス氏とも、実の母親とも過ごしたのではないかと思います。

日本の場合、今の若い夫婦が離婚した場合はもしかしたらそうでもないのかもしれませんが、私の世代では両親が離婚して、父親には(または、母親には)それ以来一度も会っていない、という知り合いが何人かいます。また、親側も、「別れた子供は今20歳になっているけど、10年以上会ってない」という知り合いもいます。

「DV(家庭内暴力)や虐待から子どもの安全を守れなくなる」など、共同親権に反対の意見は理解できます。加えて、親の一人がアルコールや薬物、ギャンブル依存などの問題を抱えていることもありえるでしょう。日本でさまざまな声が上がっており、反対理由もさまざまです。

アメリカではDVなどがあった場合は、監視下の元、第三者がいる状態で子供との面会が行われることが多いようです。

共同親権であれば、「すべてがスムーズでバラ色でいいことづくし」というわけではありません。両家を行き来する子供の精神的な負担や、親のストレスも、もちろんそれなりにあります。

離婚した元夫が再婚し、再婚相手の連れ子と性格が合わない、その子供の友達がきたら仲間はずれにされて居心地が悪い、コロナ時のときでは感染予防に関する意識のレベルが違うので相手の家に行かせるのが心配、お互い子供と過ごしたい休暇のスケジュールが合わない、家庭内ルールが二つの家庭で異なり子供が混乱する、など、それはそれは、各家庭それぞれお悩み、課題は山のようにあります。

「パパのところには行きたくない」「ママよりパパの家がいい」。子どもの意向をどこまで尊重するかも親にとっては悩ましいところです。

子供が大きくなり、生活環境に変化が応じた場合、お互いの合意によって親権の決定を後から変更することも可能です。

わたしの夫の両親は離婚していますが、それぞれのパートナーを連れて私たちの結婚式のときには日本にやって来たのには、わたしの日本人の両親はちょっとびっくりしていました。しかし、これもアメリカでは非常に一般的です。

子供にとっての二重拠点生活。課題が多く、複雑な生活スタイルになったとしても、父親(や母親)に1年にたった1度会うのではなく、両方の存在と愛情を身近に感じながら子供たちは大きくなっていきます。

シリコンバレーでお互い顔も見たくないほどドロドロにこじれた離婚の後(もしくは離婚調停中)でも、浮気をされて怒り心頭に発していたとしても、いったん合意したあとは、「大人」になって子供のためにスケジュールを調整し、連絡をとりあっているファミリーを見ていると、日本の今回の共同親権の導入の議論自体が先送りになったのには、正直、違和感があります。

離婚しても、別々に暮らすようになっても、他に家族ができたとしても、家族であることには違いないですから。

グリーンバーグ美穂
Miho Greenberg。神戸出身。ユダヤ系アメリカ人の夫、12才の女の子の3人暮らし。1905年に設立された北カリフォルニア・ジャパンソサエティーの COO。日米間の相互理解を深め、特に子供の「ジャパン・ファン」人口を増やす、という目標に向けて邁進中。現職の前は、 サンフランシスコにあるマーケティング企業で、世代別のライフスタイル調査などを担当。ボストンでは、MITメディアラボ勤務。趣味は、仕事と子育て。他はアウトドア、ピラティス、料理などなど。

「実子誘拐ビジネス」とは?共同親権問題、マスコミが報じない弁護士業界のリアル

出典:令和4年10月12日 SAKISIRU

「実子誘拐ビジネス」とは?共同親権問題、マスコミが報じない弁護士業界のリアル

法務省法制審で提起している“共同親権”が「骨抜き」「名ばかり」だとして、民間法制審を立ち上げて自民党が2つの案を俎上に載せる異例の展開となっている。これはどういうことなのか。法務省案の問題点、そして親子の離別を「ビジネス化」してきた一部弁護士の実態など、共同親権問題をとりまく様々な問題について、民間案の作成に協力した上野晃弁護士にインタビューした。

※以下、原文を参照ください。

共同親権、分担養育の仕組みを

出典:令和4年9月27日 日本経済新聞

共同親権、分担養育の仕組みを

臨床心理士・公認心理師 宮崎保成

9月2日の本欄に掲載された投稿「離婚後の『共同親権』導入を」を読んだ。親であっても我が子に会えない、成長に関われず見守ることもできないことがどれほどつらいか。現行法では離婚後に父母のどちらか一方が親権者になるが、離婚後も共同親権となり、我が子と交流できることを期待するのは親として当然であろう。

ただ、離婚後共同親権になれば子どもと交流できるようになるのだろうか。ここで考えてほしいのは、現行法でも婚姻中は共同親権ということである。離婚まで父母が別居をして、子どもがどちらか一方の親と同居していても、法的には共同親権である。しかし法的に共同親権でも、別居親は子どもと十分交流できるとは言い難い。

同居親が子どもと別居親との交流に寛容であれば、親権の有無に関係なく交流ができるが、そうでない場合、親権の有無に関係なく裁判所に面会交流の調停や審判を申し立て、合意や決定がされるまで我が子に全く会えないことも珍しくない。そして裁判所の面会交流に関する決定(頻度や交流時間)は、別居状態であっても離婚後であっても差異はない。つまり裁判所の面会交流に関する決定に親権の有無は関係ないのである。

今は「離婚後単独親権」とされるが、実質的には「別居後単独親権」になっている。だから子どもと別居すると、共同親権であっても実際に行使できる親権はほとんどない。仮に今後、離婚後共同親権になったとして、それが婚姻中別居状態と同じような共同親権だとしたら、子どもとの交流を含めて実質的な改善は期待できない。

ではどうすべきか。子どもの情報(居住地や学校の様子など)を知る権利の規定、面会交流の基準となるガイドラインの作成、子どもの日常の世話に責任を持つ監護権については米ケンタッキー州のような共同監護制度(裁判官は原則、父母の平等な育児時間が子どもにとって最善と推定)の導入といったことを検討すべきだ。

海外の研究では離婚後も別居親が少なくとも35%の育児時間を分担すると、子どもの健康度や成績が良いとの結果も出ている。漠然と離婚後共同親権に期待するのではなく、実質的な具体的改善がある法改正が望まれる。

親権を考える 離婚後のあり方 識者に聞く

出典:令和4年9月23日 中日新聞

親権を考える 離婚後のあり方 識者に聞く

紙面PDF

 離婚後の子どもの養育を考えた本紙の連載「親権を考える」(先月十八、十九日)には、多くの反響が寄せられた。目立ったのは、離婚後の親権を父母のどちらかに限る「単独親権」のままでいいか、両方の親が持つ「共同親権」を導入すべきかについての意見だ。読者の声を紹介するとともに、親権制度を法的な観点から解説している木村草太・東京都立大教授と、離婚後の親子の交流支援の重要性を訴える小田切紀子・東京国際大教授の話を伝える。 (小林由比、長田真由美)

※以下、紙面を参照ください。

論点 離婚後の共同親権

出典:令和4年9月21日 毎日新聞

論点 離婚後の共同親権

紙面PDF

 離婚後の共同親権の導入をめぐり、賛否が激しく対立している。法制審議会(法相の諮問機関)の部会では現行の単独親権維持と共同親権導入の両案併記の形で、8月中に中間試案を取りまとめ、パブリックコメントにかける予定だったが、自民党保守派の反発で先送りになった。3人の識者にさまざまな視点を提示してもらった。

※以下、紙面を参照ください。

「共同親権」の試案先送り 離婚後の養育巡り法制審部会

出典:令和4年8月31日 日本経済新聞

「共同親権」の試案先送り 離婚後の養育巡り法制審部会

紙面PDF

離婚後の子どもの養育について検討する法制審議会(法相の諮問機関)の部会は30日、予定していた中間試案の取りまとめを延期した。父母双方の親権保持を可能にする「共同親権」を導入する民法改正を巡り自民党の議論で意見が割れ、再調整が必要になった。

法制審の家族法制部会は2021年3月から離婚後の「共同親権」の導入に向け検討を重ねてきた。現行法は離婚すると父母のどちらかしか親権を持てない。

※以下、紙面を参照ください。

柴山昌彦共同養育支援議員連盟会長は、8月31日に投稿されたFacebookで、「自民党では、子供の利益の観点から原則としては共同親権制度を採用するよう訴えてきましたが、法務省の取りまとめ案は単独親権維持と両論併記になっていて方向性が示されず、その後のパブリックコメントの様子を見て方針決定するという生煮えのものであること、そして監護のあり方なども含め極めて複雑でわかりにくいものであることが問題とされ、承認を保留すべきという意見が大勢となっていたのです。」と紹介されています。

離婚後共同親権、法制審の中間試案先送り 自民部会了承せず

出典:令和4年8月26日 時事通信

離婚後共同親権、法制審の中間試案先送り 自民部会了承せず

 離婚後も父母の双方に親権を認める「共同親権」をめぐり、法制審議会(法相の諮問機関)の中間試案の決定が先送りされる見通しとなった。26日の自民党法務部会でさらなる議論が必要と判断され、了承が得られなかったため。当初は30日の法制審部会で決定後、意見公募(パブリックコメント)を行う予定だった。

 法務部会では、法務省側の説明に対し出席者から「部会での意見を聞かないで中間試案を決めるなら、何のために部会をやっているのか」との反発が続出。終了後、熊田裕通部会長代理は「親権についてはさまざまな立場があり、丁寧に議論を進める必要がある」と述べ、再度部会を開く考えを示した。

あびる優で注目される「連れ去り」は家族法制見直しでなくなるか 「共同親権導入」を訴える自民党議員に聞いた

出典:令和4年8月23日 デイリー新潮

あびる優で注目される「連れ去り」は家族法制見直しでなくなるか 「共同親権導入」を訴える自民党議員に聞いた

「子供を連れ去られた」「DVを受けていた」。週刊誌の“代理戦争”にまで発展したタレント・あびる優と元夫との親権争い。双方に言い分があるようだが、忘れてはならないのは父母の争いで片方の親との仲を引き裂かれてしまう子供である。日本でこのような夫婦間トラブルが多発する“元凶”と言われているのが離婚後の「単独親権制度」だ。いま親権制度の見直しが、法制審議会(法相の諮問機関)の家族法制部会で審議されている。自民党内でも法務部会の中にプロジェクトチーム(PT)が発足し議論が活発化。「共同親権・共同監護は譲れない」と語る自民党議員二人に話を聞いた。
 ***

子供の利益を最優先に考えるべき

「『共同親権よりもまず養育費だ』という声も確かにあります。この問題について調べてみると、10人いれば10人それぞれのケースがあって話がまとまりにくいのです。だからこそ、私たちは原理原則論で行くべきだというスタンスで、『共同親権・共同監護』で民法改正を進めるべきという提言書をまとめたところです。法律は家族を幸せにするためのものであり、家族を引き裂いてはいけない。子供の利益を最優先に考えるべきだという考えが根底にあります
 こう語るのは、前自民党法務部会長の山田美樹衆議院議員だ。
 日本の民法では、離婚した場合はどちらか一方かが親権を持つ「単独親権制度」が採られている。あびるのケースでも離婚後に一度、親権が元夫側に渡ったものの、あびるが親権者変更を申し立てる争いに発展した。そもそも離婚後も共同で親権を持つ制度であれば、このような争いが起きづらくなるという考え方が増え始めてきているのだ。
 自身も離婚経験がある谷川とむ衆議院議員もこう訴える。
「日本では協議離婚が約9割です。つまり、口約束で子供の養育方針が決められてしまっている。だから、事後的に養育費が支払われないなどの問題が出てきてしまうのです。あらかじめ離婚後も『共同親権・共同監護』と決めたうえで、離婚時に『共同養育計画』を作成し、養育費は月々いくら、親子交流を月2回などと申し合わせる仕組みを作るべき。我々の案では『離婚後養育講座』を受講することも盛り込んであります」

民間法制審も「共同親権導入」を提言

 諸外国で単独親権制度を採り入れているのは、日本、インド、トルコくらいである。山田氏は「グローバルスタンダートにならうべきだ」とも訴える。
「国際社会では、国際結婚した日本人による離婚後の子の連れ去りが起きていると、長らく日本は批判を浴びてきました。先日、凶弾に倒れた安倍晋三先生も外交に力を入れてきたからこそ、この問題に対して前向きでした。PT内でも、『慰安婦問題などと違ってこの問題だけは反論できない』という声も出ています」
 自民党PTでは、こうした議論を経て「離婚後共同親権(監護権を含む)制度を導入すべき」などの提案を柱とする5項目の提言をまとめ、6月21日に古川禎久法務大臣(当時)に申し入れを行った。

 この問題をめぐっては民間サイドでも動いている。日本テレビの人気番組「行列のできる相談所」でおなじみの北村晴男弁護士(66)が部会長を務める「民間法制審議会家族法制部会」が4月に結成され、共同親権導入を求める独自試案を5月末に高市早苗・自民党政調会長(当時)に提出した。自民党PTの提言書も民間法制審の提言も参考に取り入れた上で作成されたという。

骨抜き案

 だが、このまま「共同親権・共同監護」を盛り込んだ法案作成へと進んでいくかと思いきや、相反する動きも出ている。法制審が7月にまとめた「中間試案のたたき台」が、自民党の提言書とはまったく違う内容のものだったのだ。
 たたき台では、「乙案」として「単独親権」を残す案も記載されている。共同親権を採り入れる「甲案」においても、親権を選択制にする案などと記載。さらに、親権と監護者を切り離して、親権は双方にあれど監護者は単独とするなどの案が、α案からγ案といったかたちで盛り込まれている。実質的に単独親権制度と変わらない“骨抜き案”になっているのだ。山田氏はこう首を傾げる。
「審議会というのは、法制審に限らずいろいろな考え方の識者を集めて開かれていますのでこういう形にはなってしまったのだと思います。法制審のたたき台案のなかには、父母の離婚時に父母の協議のみで一方を子の単独親権者に認めたりすることもできてしまう案もあります。婚姻中の親権剥奪事由とは異なる事由で本人の意思に反して裁判所が親権を剥奪してしまう案もある。そうではなくて、原則原理で『共同親権・共同監護』というのが私たちの考えです

法改正で「連れ去り」は防止できるのか
 法制審では中間試案を取りまとめた後、パブリックコメントを募集し、年内にも答申案を決定する。その内容が自民党案と違う場合はどうなるのか。
「原理原則は変えないというのが私たちの方針です。法制審案がもし骨抜きになってしまったとしても、それが与党を通ることはありえません。」(山田氏)
 もし自民党が提言するような法案に改正され、「共同親権・共同監護」が当たり前の社会になると「連れ去り」はなくなるのだろうか。谷川はこう力説する。
「連れ去られたとしても、親権も監護権もこちら側にあると主張できるようになれば、話し合いが避けられなくなると思います。もちろん、これからもDVで命からがら逃げ出したような人たちは今後もケアし続けないとなりません。けれど、それは違う法律でちゃんと対応していけば良いのです」
 夫婦間ですれ違いが生じ、やむなく別れを選択するのは致し方ないことであろう。だが、子供にとっては父も母も一人しかいない。離婚の狭間で子供が苦しむことがない世の中が実現するよう、一刻も早い制度改正が望まれる。

デイリー新潮編集部

親権を考える(下)共同か単独か 子どもの利益を第一に

出典:令和4年8月19日 中日新聞

親権を考える(下)共同か単独か 子どもの利益を第一に

 子どもの育ちの視点からも、離婚後の子どもの養育の在り方について、慎重な議論をする必要があるのではないか―。医師や心理士、保健師らでつくる日本乳幼児精神保健学会は六月末、こうした声明を出した。法制審議会(法相の諮問機関)の家族法制部会で、父母の双方が親権を持つ「共同親権」の導入が議論されていることに、危機感を持ったからだ。
 
 共同親権になれば、「離婚後も父母が共同で子育てができる」と導入を推す意見がある。別居親と子どもの面会交流や養育費の支払いもスムーズに行えることを期待する声も上がる。

共同親権で子の安全・安心守れるか

 一方で、「子どもの安全・安心を守れるのか」との懸念は根強い。同学会は声明で「家庭内暴力(DV)や虐待が継続したり、父母間の葛藤や紛争がこじれて慢性化したりして、同居親が危険やストレスから子育ての余裕を失い、養育の質が低下しないか」と訴える。
 
 同学会の理事で児童精神科医の黒崎充勇みつはやさんによると、虐待を受けた子どもは一般的に、不安感が強く、抑うつ状態に陥るなど、その後の対人関係にも影を落とす。脳の発達に影響することも分かっている。

※以下、紙面を参照ください。

親権を考える(下)共同か単独か 子どもの利益を第一に

出典:令和4年8月19日 中日新聞

親権を考える (上)共に育てる 離婚後の〝家族〟さぐる

 離婚後、子どもの親権は父母の双方が持つべきか、どちらか一方に限るべきか-。法制審議会(法相の諮問機関)の部会で、議論が進められている。そもそも親権とは何だろう。親権がなければ子育てはできないのか。現状を二回に分けて紹介する。(長田真由美)
 
調停で面会交流可能に

 中国地方に住む男性(39)の家には週一回、離れて暮らす小学生の長女と長男が遊びに来る。一緒にゲームをしたり、ご飯を食べたり。親権を持つ元妻も含めて四人で出かけることもある。「珍しいかもしれないが、これが僕たち家族の在り方です」
 元妻が子ども二人を連れて家を出たのは二〇一七年末。夫婦間の価値観の違いが積み重なり、小さなけんかが増えていたが、まさか出て行くとは思わなかった。悔しさや怒りもあったが、「子どもに会いたい気持ちが強く、妻と争いたくなかった」と振り返る。

「子の問題と夫婦の問題は別」

 離婚調停中、面会交流を申し立て、数カ月たってようやく認められた。最初は月一回一時間だけだった面会の時間は次第に延びた。男性は「離婚しても親として子どもへの責任はある。子どもの問題と夫婦の問題は切り分けて考えるべきだと思う」と話す。

※以下、紙面を参照ください。

協議離婚「養育」決めて 民法改正で義務化、法制審部会が検討 「ハードル上がる」慎重論も

出典:令和4年7月20日 毎日新聞

協議離婚「養育」決めて 民法改正で義務化、法制審部会が検討 「ハードル上がる」慎重論

紙面PDF

 家族法制の見直しを検討している法制審議会(法相の諮問機関)の部会は19日、民法改正の中間試案取りまとめに向け、父母の話し合いのみで成立する「協議離婚」に一定の条件を設ける制度案を議論した。離婚を検討している父母に、離婚後の子の養育について取り決めることを義務付ける内容。協議離婚のハードルを上げることになり、導入に慎重な意見も示された。

 日本では夫婦の離婚は協議離婚が主流で、離婚件数全体のおよそ9割を占める。ただ、協議離婚には裁判所など公的機関が関わらないため、離婚後の養育費や面会交流の具体的内容を定めないまま離婚に踏み切る父母もいる。このことが、養育費の未払いや親子交流の断絶の要因になっているとの指摘があった。

※続きは、紙面を参照ください。

離婚後「共同親権」案、中間試案に盛り込む方針…海外では一般的

出典:令和4年7月20日 読売新聞

離婚後「共同親権」案、中間試案に盛り込む方針…海外では一般的

紙面PDF

 離婚後の親権や養育費のあり方を見直す法制審議会(法相の諮問機関)の部会は19日、民法などの改正案を巡って、離婚後も父母双方が親権者となる「共同親権」を選べる案を、中間試案に盛り込む方針を決めた。共同親権への反対意見を踏まえ、現行の「単独親権」を維持する案も併記する。部会は8月末に中間試案を決定した上で、パブリックコメント(意見公募)を行い、早期の答申を目指す。

  現在は離婚後、父母の一方が親権を持つ。親権がない場合は子育てに関与しにくく、親権争いが生じる原因とされる。年間の離婚件数は、近年は20万組前後で推移する。

 米国などの主要国を含む24か国対象の法務省調査では、単独親権のみを採用しているのは、日本のほかにインドとトルコだけだった。海外では、共同親権が一般的だ。離婚後も両親が子育てに関与できるようにすべきだとして、共同親権導入を求める声が出ていた。

 共同親権を導入しても父母の関係が悪ければ、協力した意思決定は困難で、DV(家庭内暴力)や虐待を危惧して単独親権の維持を求める声もある。このため、部会は、親権について両論併記することとし、親子の実情に応じて、共同か単独かを選択できる案を示した。

 親権者とは別に、子供の身の回りの世話をする「監護者」の規定を置くことも検討する。養育費の取り決めを離婚の要件とすることや、支払いを拒否する相手方の給与差し押さえが容易になる方策なども議論されている。

共同親権選択制、単独維持を併記 法制審、離婚後の養育議論本格化

出典:令和4年7月19日 東京新聞

共同親権選択制、単独維持を併記 法制審、離婚後の養育議論本格化

 離婚後の子どもの養育について検討する法制審議会(法相の諮問機関)の家族法制部会は19日、親権制度見直し案のたたき台を示した。父母双方の「共同親権」を選ぶことができる案、現行民法のままどちらか一方の「単独親権」だけを維持する案などを併記した。この日の意見を踏まえ、8月末に中間試案を示す方針。

 父母がどちらも子育てに責任を持つべきだとして共同親権の導入を求める声がある一方、ドメスティックバイオレンス(DV)を受け、元配偶者との関わりを避けたいといった理由から反対意見も根強い。議論の行方次第では、離婚後の親子関係の在り方が大きく変わる。(共同通信)

法制審、離婚後の共同親権で論点 選択制など複数案提示

出典:令和4年7月19日 日本経済新聞

法制審、離婚後の共同親権で論点 選択制など複数案提示

離婚後の子どもの養育について検討している法制審議会(法相の諮問機関)の部会は19日、親権制度見直しのたたき台を示した。父母双方の「共同親権」を選択できる案や、従来通り「単独親権」のみを維持する案など複数案を提示した。

民法は婚姻中の父母が共同で親権を持つと認める半面、離婚後はどちらかだけが親権者となる単独親権を採用する。米国や英国、ドイツフランスなど先進国の多くは離婚後の共同親権を取り入れている。

離婚後も父母双方が子の養育に責任も持つべきだといった意見を受け、法制審は2021年3月に家族法制部会を立ち上げた。8月末までに中間試案にまとめ、パブリックコメント(意見募集)にかける。

たたき台では共同親権を認める際に子を日常的に世話する「監護者」について2案を示した。父母の一方を監護者に決めるか、監護者の設定は父母の協議で選択するかの2つを並べた。

共同親権を認める法改正をする場合、現行法との整合性も論点になる。2案のうちの1つは、父母双方を親権者にすることを原則にし、例外として「一定の要件を満たす場合に限り、父母の一方を親権者とすることができる」と定めた。もう1案は逆に単独親権を原則とし、共同親権を例外にした。

共同親権を巡っては離婚後にドメスティックバイオレンス(DV)や虐待が続くことへの警戒感も根強い。単独親権のみを定める現行法の維持も案に入れた。

離婚後の養育費と親子の交流についても盛り込んだ。現行法ではそれぞれに関して事前に取り決めがなくても離婚ができる。法制審は事前に取り決めをしなければ原則として離婚不可とするか、取り決めを促すための支援策を別途検討するかの2案を設けた。

古川禎久法相は19日の記者会見で「子の最善の利益を確保することが最も大事な観点だ」と指摘した。

「共同親権」導入の是非 中間試案では複数案併記へ 離婚後の父母双方が子どもの親権持つ案について法制審で賛否両論

出典:令和4年7月19日 TBS NEWS DIG

「共同親権」導入の是非 中間試案では複数案併記へ 離婚後の父母双方が子どもの親権持つ案について法制審で賛否両論

離婚後の父親と母親がともに子どもの親権を持つ「共同親権」について、法務省の審議会が来月まとめる中間試案では導入する案としない案が併記される見通しとなりました。

現在の民法では離婚後の子どもの親権者は父親か母親、どちらか1人とする「単独親権」が定められていますが、欧米では、ともに親権をもつ「共同親権」が認められています。

この導入を検討している法務省の法制審議会の部会は、きょう、来月末にまとめる予定の中間試案の詰めの検討を行いました。

この中では離婚後、▼原則、共同親権とする案、▼原則、単独親権としつつ共同親権も認める案、▼これまで通り単独親権とする案の3つの案が併記される方向となりました。

部会では「離婚後も両方の親が子育てに責任を持つべき」として、共同親権を求める意見がある一方、DVや子どもへの虐待を防ぐため導入に反対する声もでています。

離婚後の「共同親権」、賛否対立し大激論 「単独親権」維持も併記

出典:令和4年7月19日 朝日新聞

離婚後の「共同親権」、賛否対立し大激論 「単独親権」維持も併記

紙面PDF

 離婚後の子どもの親権は父母の双方が持つべきか、どちらか一方に限定すべきか――。法制審議会(法相の諮問機関)の部会は19日、「共同親権」の導入と、現行の「単独親権」の維持を併記する形で論点整理をした。8月末にまとめる中間試案のたたき台という位置づけで、中間試案ができればパブリックコメントで国民の意見を募る。

 親権には、大きく分けて、未成年の子の身の回りの世話(監護)と教育をする「身上(しんじょう)監護権」と、子の財産を管理して契約行為などを代理する「財産管理権」があるとされる。

 今の民法では、父母が婚姻中は双方が親権を持つが、離婚後は一方に決めなければならない。欧米の多くや韓国は、制度設計の違いはあるが離婚後の共同親権を可能にしており、国内でも「単独親権は子の奪い合いを招く」「離婚後も双方が養育に責任を持つべきだ」との指摘が出ていた。

 法制審の部会は今回の論点整理で、基本的な規律として「父母双方が子を養育する責務を負う」「子の最善の利益を考慮しなければならない」と明確にした。
 ※以下、紙面を参照ください。

離婚後の共同親権を提示 単独親権維持も、来月に中間試案―法制審

出典:令和4年7月19日 時事通信

離婚後の共同親権を提示 単独親権維持も、来月に中間試案―法制審

 法制審議会(法相の諮問機関)の家族法制部会は19日の会合で、離婚後も父母の双方に親権を認める「共同親権」の導入と、現行民法の「単独親権」を維持する案を併記した中間試案のたたき台を提示した。8月末の次回会合で決定し、意見公募(パブリックコメント)を行う。
 現行法上は、婚姻中の父母は共同で親権を行使するが、離婚後はどちらか一方のみが親権者になる「単独親権」制をとっている。
 しかし、厚生労働省の人口動態統計によると、2020年に婚姻した夫婦約52万組に対し、離婚した夫婦は約19万組。3組に1組が離婚しており、単独親権制が養育費の未払いや面会交流が円滑にできないといった問題の要因になっていると指摘されている。
 また、欧米諸国では共同親権が一般的なため、国際結婚が破綻した際の日本人の親による「子ども連れ去り」が国際問題化している。

離婚後の共同親権、静岡県内賛否 法制審、8月中間試案

出典:令和4年7月13日 静岡新聞

離婚後の共同親権、静岡県内賛否 法制審、8月中間試案

 離婚後の父母の双方に親権を認める「共同親権」を導入する案などを盛り込んだ家族法制の見直しに関する中間試案を、法相の諮問機関である法制審議会の家族法制部会が8月にも取りまとめる。静岡県内では親権を失った別居親を中心に共同親権の実現を求める動きが活発化しており、推進派、反対派の双方が「正念場」と法制化の行方を注視している。

 「親として、子に関わりたい」。県東部の別居親の50代男性は思いを吐露した。家庭裁判所の審判で定期的な面会交流の約束をしたが、子どもと2年以上会えていない。
 2020年に全国の別居親らと「単独親権制により人権侵害を受けている」として国に損害賠償を求める集団訴訟を東京地裁に起こした県東部の40代男性は、新型コロナウイルスの感染拡大で面会が制限されるなど影響を感じていて、「法的な枠組みを変えないと、親なのに部外者扱いのまま」と話す。
 静岡県内には別居親の活動組織として「静岡親子の会」「浜松親子の会」があり、計40人が参加する。地方から声を上げる全国運動と連動し、県や市町の議会に国への意見書提出を求める活動に取り組む。「面会交流支援に必要な法整備」や「共同養育の実現」などを盛り込んだ意見書案は昨年9月までに、県議会や静岡市議会など八つの議会で採択された。
 一方、単独親権者であるひとり親の支援団体からは「中間試案は共同親権ありきで、当事者の実態を踏まえていない」との指摘がある。静岡市の支援団体「シングルペアレント101」は「離婚で両親の対立から免れた子どもたちが、共同親権導入によって再び渦中に引き戻され、葛藤にさらされる」と懸念を示す。
 家族法制部会の中間試案は、共同親権を原則とする案と、現行民法の単独親権を維持する案の両論併記になる見通しだ。共同親権について部会は①父母双方が合意した場合②裁判所が子の利益に必要と判断した場合―などで認めるケースを想定する。中間試案の取りまとめ後、パブリックコメント(意見公募)を経て答申案を決定する。
 <メモ>厚生労働省の人口動態統計によると、2020年に婚姻した夫婦は52万組あり、離婚した夫婦は19万組と、約3組に1組が離婚している。日本は民法で婚姻中は共同親権、離婚後は単独親権制度を採る。

フランス当局が日本人妻に逮捕状発行で注目の”連れ去り”離婚訴訟 敗訴の夫側は

出典:令和4年7月7日 デイリー新潮

フランス当局が日本人妻に逮捕状発行で注目の”連れ去り”離婚訴訟 敗訴の夫側は

 夫側の母国であるフランス司法当局が「実子を誘拐した」として日本人妻に逮捕状を出したことで注目を集めた離婚訴訟の判決公判が7月7日、東京家庭裁判所で開かれた。裁判所は妻側が訴えていたDVについては認定しなかったが、親権を妻に定める従来通りの判決を言い渡した。(ライター・上條まゆみ)

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フランス大使館職員も傍聴

「主文。原告と被告とを離婚する。原告と被告の間の長男および長女の親権者をいずれも母である原告と定める」

 東京家庭裁判所141号法廷。裁判長の判決言い渡しを、被告の在日フランス人のヴィンセント・フィショさんはみじろぎせず聞いていた。傍聴には、被告側の支援者やフランス大使館職員も駆けつけた。一方、妻側は弁護士も含めて欠席した。

 ヴィンセントさんは昨年の東京五輪期間中に国立競技場前で「連れ去り被害」を訴え、3週間のハンガーストライキを敢行したことで注目を浴びた。4年前、離婚問題について話し合いをしている最中、妻が黙って二人の子供を連れ去ってしまったというのがヴィンセントさん側の訴えだ。

 一方、妻側は夫によるDVから逃れるために仕方なく取った避難行動であったと主張。妻側が離婚を求めて起こした訴訟で、親権が争われていた。判決では親権は妻に定められたが、妻側が主張していたDVについては認められなかった。

 昨年11月、フランス司法当局が日本人妻に対して「未成年者拉致の罪」(未成年者略取及び誘拐)と「未成年者を危険にさらした罪」で逮捕状を発行したことでもより大きな注目を集めた今回の判決公判。判決後に司法記者クラブで開かれた会見には、「ル・フィガロ」「ル・モンド」などのフランス主要メディアも駆けつけた。

「子供たちも負けたのです」

 会見でヴィンセントさんは判決への不満をこう訴えた。

「裁判で負けたのは私だけではない。私の子供たちも負けたのです。子供たちは父親なしで生きていかなければならない。なぜ裁判所は、私がDVをしていないとしながらも『連れ去り』を見逃すのでしょうか。フランス政府が要請し、インターポール(国際刑事警察機構)から逮捕状も出ている妻に親権を認めるのか。納得できません。控訴して戦います」

 会見に同席した上野晃弁護士はこう述べた。

「今日、夫のDVはなかったと認められた。つまり、妻は理由もなく子供を連れ去ったことになる。にもかかわらず、子供の連れ去りについての評価はスルーされたのです。今、法制審議会で親権問題が議論されている中に、子供の連れ去り問題も入っています。裁判所がこの問題にまったく頓着しない判決を出したことに、私たちは大いに失望しています」

離婚トラブルの温床と言われる「単独親権」

 離婚後のトラブルが絶えない温床になっているのが、日本の親権制度である。現状、日本は父母のどちらかが親権を持つ「単独親権」。世界の先進国のほとんどは、離婚後も子供の親権を父母がもつ「共同親権」。日本でもこの「共同親権」を導入すべきだという声が高まっている。

 親権というと、いかにも親の「権利」のようだが、親が果たすべき責任とも言える。離婚後も子どもが両親から経済的、精神的支援を受けながら育つことが子供の最善の利益につながるという考え方が「共同親権」を求める声の背景にある。1994年に日本も批准している「国連子どもの権利条約」には、「子供が父母と引き離されないことを確保する」と示されている。

 一方、共同親権になってしまうと、離婚をするほど仲の悪い両親の間に挟まれた子供が不利益を被る、あるいはDV親との縁が切れず子供が危険にさらされるという意見もある。故に、断固として共同親権に反対する声は大きい。

法制審議会で進む議論

 現在、法務省内の法制審議会家族法制部会において、父母の離婚後等の親権者に関する規律等についての議論が進んでおり、今夏に中間試案が公表される予定だ。部会資料によれば、中間試案では「共同親権」という文言は採用されているものの、選択的共同親権の採用や単独での監護権を認めており、「骨抜き」になる可能性が高い。そうなると、これまでと同様、別居親との親子断絶や監護権を有利とするための子どもの連れ去りは防げない。

 そこで立ち上がったのが、国内外の研究者や弁護士らでつくる民間団体だ。テレビ等でも活躍する北村晴男弁護士が部会長を務める。「法制審の案は、婚姻中の家族のあり方まで変更する恐れがある」として、独自に取りまとめた中間試案を自民党の高市早苗政調会長に提出した。団体側は、法制審の部会が発表する試案と団体側の試案を与党内で比較・審査したうえで、欧米諸国や韓国、台湾などが採用している離婚後の「共同親権・共同監護」制度を創設するよう求めた。

 離婚後の単独親権、それを発端とする子どもの連れ去りについては、諸外国からも強く非難されている。2020年にはEU議会が日本に対し「子の連れ去りに関する国際的なルールを遵守していないように見受けられる」と非難決議を表明している。

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上條まゆみ(かみじょう・まゆみ) ライター。東京都生まれ。大学卒業後、会社員を経てライターとして活動。教育・保育・女性のライフスタイル等、幅広いテーマでインタビューやルポを手がける。近年は、結婚・離婚・再婚・子育て等、家族の問題にフォーカス。現代ビジネスで『子どものいる離婚』、サイゾーウーマンで『2回目だからこそのしあわせ~わたしたちの再婚物語』を連載中。

「子どもの連れ去り」訴えたフランス人夫に親権認めず 東京家庭裁判所判決 妻に逮捕状など国際問題に

出典:令和4年7月7日 TBS NEWS DIG

「子どもの連れ去り」訴えたフランス人夫に親権認めず 東京家庭裁判所判決 妻に逮捕状など国際問題に

日本人の妻が別居の際に無断で子どもを連れて出て行ったのは「子どもの連れ去りだ」としてフランス人の夫が訴え国際的に問題になっていた夫婦の離婚訴訟で東京家庭裁判所は子どもの親権を日本人の妻に認める判決を言い渡しました。

この裁判は、日本人の妻が都内に住むフランス人の夫に対する離婚と、その後の子どもの親権などを東京家庭裁判所に訴えていたものです。妻側は「夫による妻へのDVや子どもへの厳しいしつけがあった」「妻が一貫して育児を行ってきた」として2人の子どもの親権を主張しDVなどを否定する夫側と争っていました。

東京家庭裁判所はきょう午後の判決で、妻が訴えていたDVについて主張については「暴行された事実は認められない」としたものの、「子どもたちの発育は順調で、妻の監護状況に特段の問題は見られない」という裁判所の調査官の意見をもとに子ども2人の親権者を妻とする判決を言い渡しました。一方で調査で子どもが夫に対して否定的な感情を示さなかったことから「妻が夫と子らとの面会交流を妨げていることは問題である」とも指摘。しかし離婚後も父親と母親が親権をもつ共同親権の制度が認められていない日本では「面会交流は今後2人が協議や調停などを通じて実現していくべき」としました。夫は妻が子どもを連れて家を出ていったことについて「一方的な連れ去りで一度も会うことができず連絡も取れていない」と訴えていました。

未成年者略取にあたるとした夫の告訴をうけ、フランス司法当局は去年、妻の逮捕状を出したほか、AFP通信によりますと去年7月、オリンピックで来日したフランスのマクロン大統領が日本政府に問題提起をするなどしていました。

日本では離婚後どちらか片方の親が親権をもつ「単独親権」が定められていますがフランスなど欧米では共同親権が主流です。また子どもを片方の親が、もう一方の同意なく連れ去ることを認めないケースも多いため、日本人との国際結婚が破綻した際「日本人の配偶者に子どもを連れ去られた」という訴えが後を絶たず、外交問題となっています。

子連れ別居日本人妻に親権 仏男性が争い、東京家裁

出典:令和4年7月7日 産経新聞

子連れ別居日本人妻に親権 仏男性が争い、東京家裁

 日本人の妻が子2人を連れて家を出て、子と面会させないと抗議してきたフランス人のバンサン・フィショーさん(40)=東京都内在住=が、妻と親権などを争った訴訟の判決で、東京家裁は7日、妻に親権があると判断した。一方で妻が面会交流を妨げていることは問題だと指摘した。妻が訴訟を起こし、離婚も認めた。フィショーさん側は控訴するとしている。

この問題を通じ、日本人と欧州連合(EU)市民の国際結婚が破綻し、日本人の親が子に面会させないケースがクローズアップされ、外交問題になっている。日本は海外主要国と異なり、離婚後に両親双方が親権を持つ「共同親権」を認めていない。小河原寧裁判長はこの現状を踏まえ、2人が協議などをして子の福祉を慎重に模索するよう求めた。

判決などによると、2人は平成21年に結婚し都内で生活。30年8月、妻が子を連れて出て別居が始まった。フィショーさんは子を連れ去られたと訴え、パリの裁判所は昨年10月、逮捕状を発付し、妻は国際指名手配を受けている。

子連れ別居の日本人妻に親権、東京家裁 国際結婚破綻で

出典:令和4年7月7日 日本経済新聞

子連れ別居の日本人妻に親権、東京家裁 国際結婚破綻で

別居している日本人の妻が連れて出た子2人に面会させないとして、フランス人の夫、バンサン・フィショーさん(40)=東京都内在住=と妻が親権などを争った訴訟の判決で、東京家裁は7日、妻に親権があると判断した。

妻が離婚を求めて提訴した。家裁は離婚も認めたが、一方で、妻が面会交流を妨げていることは問題だと指摘した。夫側は判決後、控訴すると明らかにした。

判決などによると、2人は2009年に結婚し都内で生活。18年8月、妻が子を連れて出て別居が始まった。夫は子を連れ去られたと訴え、パリの裁判所は21年10月、逮捕状を発付し、妻は国際指名手配を受けている。

夫側は、妻が親権者になれば国際的な批判が免れないなどと訴えたが、判決は妻の監護状況に問題はなく「不適格ではない」と結論付けた。夫に暴行されたとの妻側の主張は認めなかった。

日本人と欧州連合(EU)市民の国際結婚が破綻し、日本人の親が子に面会させないケースは国際問題化している。日本は海外主要国と異なり、離婚後に両親双方が親権を持つ「共同親権」を認めておらず、法制審議会(法相の諮問機関)で共同親権導入の是非を含めた議論が始まっている。

小河原寧裁判長はこうした現状を踏まえ、2人が協議などをして子の福祉を慎重に模索するよう求めた。〔共同〕

離婚後の「共同親権」導入は是か非か、歓迎論と慎重論が交錯

出典:令和4年6月26日 FNNプライムオンライン

離婚後の「共同親権」導入は是か非か、歓迎論と慎重論が交錯

家族法制の見直しについて議論している法制審議会(法相の諮問機関)の家族法制部会に対し、法務省が6月21日「離婚した父母双方を親権者にできる『共同親権』の導入」案を提示した。日本では現在、離婚すると父母のどちらかに親権を与える単独親権の一択しかなく、熾烈な親権争いが繰り広げられる原因となっていた。

議論の結果は、8月にも民法改正の駐韓試案として取りまとめられる見通し。

こうした動きを受け、フジテレビ系『日曜報道 THE PRIME』(日曜午前7時30分)では、6月26日、有識者たちが「離婚後の共同親権」の是非について議論した。

ジャーナリストの櫻井よしこ氏は、「子どもの幸せ、健全な養育、成長を考えると絶対に共同親権にしなければいけない」と強調した。

弁護士の本田正男氏は、家庭内暴力(DV)や児童虐待がある家庭では、共同親権制度を採用した場合、被害の継続や拡大が危惧されることを念頭に、「反対というか、きちんと考えたほうがいい。個別的に考える必要がある」と述べ、離婚後の共同親権の導入に慎重な姿勢を示した。

タレントで羽衣国際大学現代社会学部教授のにしゃんた氏は、多くの国、とりわけ先進国では共同親権制度を採用していることを踏まえ、「当然、共同親権があるべき姿でもっとも理想的な形だ」と断じた。

離婚後の共同養育を支援している、しばはし聡子氏は離婚する夫婦が「共同親権」と「単独親権」を選択できる制度の導入を主張した。

以下、番組での主なやりとり。

松山俊行キャスター(フジテレビ政治部長・解説委員):
6月21日に法務省が法制審議会の部会に離婚後の共同親権導入などを盛り込んだ中間試案のたたき台を提示した。共同親権を導入すべきだと考えるか。

櫻井よしこ氏(ジャーナリスト、国家基本問題研究所理事長):
子どもの幸せ、健全な養育、成長を考えると絶対に共同親権にしなければいけない。問題点があれば、個々の問題として解決することが大事なのであり、父母がともに子どもに愛情を注ぎ、注意をし、養育し、励まし、時には叱り、そして子どもの成長を一緒に見届けるという意味での共同親権は本当に大事だ。

松山キャスター:
本田さんは共同親権に反対する署名活動もしている。なぜ反対するのか。

本田正男氏(弁護士):
反対というか、きちんと考えた方がよいと思っている。3点申し上げる。一点は家族の形は様々で共同親権になったらこうなるというような算数の問題を解くように簡単に答えが出るわけではない。非常に個別的に考える必要がある。2点目は、裁判所のインフラが非常に脆弱だ。日本の裁判所は米国のように非常に細かくは全くできない。丁寧にやれば裁判所に負荷がかかりすぎてしまい、できない。3点目だが、子どもは生まれた時は親なしでは生存できず、親のほうが子どもを自由に操作できるような感覚になり、勘違いしてしまう。どうしても子どもにプレッシャーを与えすぎてしまう感じになってしまう。もう少し子どもの意向が汲めるような状態を出さなければいけない。

しばはし聡子氏(共同養育サポートりむすび代表):
数々の懸念事項あるとは思う。離婚しても子どもにとり親が二人であるというすごく当たり前のことを浸透させるという意味でも共同親権が選択できる制度を導入するべきだ。ただ、両方選択できるというときに逆に親権を巡って争う構造になることが懸念される。

にしゃんた氏(タレント、羽衣国際大学現代社会学部教授):
当然、共同親権があるべき姿であり、もっとも理想的な形だ。現状は「三方良し」になっていない。親権を持つ片親だけが喜び、往々にして子どもと親権のない親が泣き寝入りしている。「両親良し、子どももよし」、あるいは、「子ども良し、親も良し、社会も良し」までもっていく必要があり、今回良いチャンスが巡ってきているのではないか。

櫻井氏:
裁判官、司法の方が、裁判官を増やすことにずっと反対してきたという実態があり、裁判官の数が足りない現実がある。裁判官が足りない現実に合わせて子どものことを、家庭のことを今の歪な単独親権の形にしておくのは、本末転倒で子どものことを考えていない議論だ。

松山キャスター:
共同親権を考える上でDVの問題がある。DVが本当にあったのか、あるいは、DVがあったと主張した場合の子どもの親権をどう考えるか。

しばはし氏:
身体的暴力は割と白黒が分かりやすい。多分一番ここで問題になっているのがモラハラと言われる精神的なDVだ。それは夫婦間ではすごく尺度が違い、指標がない。DVをされたと訴える母親、DVはしていないという父親というのはよくある。どちらが嘘をついているわけでもなく、それぞれが違う物語だというところがある。モラハラはDVだから子どもを合わせないほうがいいと決めてしまうのはちょっと行きすぎだ。一方で、実際に本当に精神的なDVを受けて相手と関わるのが難しい方については、第三者の支援を入れるなりして、子どもをきちんと面会させるという部分は切り分けて考えていく必要がある。

松山キャスター:
DVが実際にあったかどうかを認定できる制度が日本に整っているかかという問題がある。

櫻井氏:
男が子どもを連れさられて、妻からDV夫だと言われる。本人はもうびっくりする。DVした記憶はない。暴力的にもない、言葉の上でもやった記憶はないのにDV夫だと言われ、子どもを連れさられて、離婚になり、親権を取られて、十何年も子どもに会えていない。最高裁まで争ったケースだ。あなた(山田氏)は妻の側に立った弁護士の一人だ。最高裁まで行って夫のDVは認められなかった。DVをされたという申告だけで日本ではDV夫、DV妻だ。DVは絶対許してはならないことは確かだ。DVをした夫や妻はきちんと罰せられるべきだ。DVは本当にあったのかということについて欧米などではすぐに警察を入れる。DV助けてくださいと言えば、すぐに来て現場で当事者の話を聞いたり、近所の話を聞いたりして事実認定をする。DVがあれば夫を家から放逐するとか、妻や子どもに接触させないなどの罰がある。日本では片親がいない間にもう一人の片親が子どもを連れて逃げ、DVがあったと申し立てるケースがある。DVが本当にあったかについて客観的な第三者が調査する仕組みを確立していかなければフェアではない。

本田氏:
もちろん殴るなどは論外だが、子どもにプレッシャーを与えてしまうことがある。精神的な部分で目に見えない。言葉により目に見えないとしても、さまざまなトラウマを抱えている人はいっぱいいる。私の依頼者の中で40歳になっても50歳になっても親子関係の葛藤に苦しんでる人は大勢いる。DVというと典型的な殴る蹴るだけではない。もう少し幅広く精神的なダメージを与えるような有害な状況が家庭の中にある場合があるというところを見てもらいたい。

松山キャスター:
共同親権か単独親権かを選べるようにするという考えも出てきてた。

櫻井氏:
共同親権を基本にするというところをはっきりさせたほうがいい。片方の親が性犯罪をしたとか、DVをしているとか、どうしても許せない状況がある場合は、もう片方の親に任せるという意味の単独親権があっていいとは思う。けれども、法体系としては共同親権を基本とするところに軸足を置かないと。法務省の提案にも一応、共同親権という言葉は入っているが、これはものすごく狭い範囲の共同親権だ。学校をどこにするか、何か大きな病気をした時の治療法をどうするか。共同親権は父母両方が子どもに関わり、時間を共に過ごし、子どもの顔を見ながら、子どもの声を聞きながら、子どもの心理を推測しながら、本当にそこに大人の親としての愛情や配慮を注いでいくということが共同親権だ。どこの学校にするか、大病したからどうするか、宗教をどこにするか、キリスト教にするか、仏教にするのかを決めるときに共同親権と言っているが、それはごく一部のことだ。法制審の華族制度部会の委員にはすごくリベラルな人権派と言われる人たちがいて、その人たちが主導してシングルマザーだけを応援するというような傾向がなきにしもあらずだ。シングルマザーの応援はとても大事だと思うが、もっと視野を広げて、子どもの幸せ、子どもの健全な育成を考えたところに、わが国の法律は立脚しないといけない。その意味では、共同親権か一部単独親権かではなく、「原則共同親権」だ。しかし、どうしても親に問題があるときは、これは単独親権だね、という工夫がなされるような法制度にしないといけない。

本田氏:
結局調整のところで揉めてしまう。例えば、学校の話があったが、横浜市の隣にあるA小学校とB小学校のどちらに入るかでもめている。相手方代理人は「裁判所で決着すればいいのではないか」と言う。そんなこと言ったら4月になってしまう。本来は二人が調整できることが大前提だが、イコールの関係がないとただもめるだけだ。そのもめる家庭の嵐の雨風を浴びるのは子どもだ。離婚で裁判になるのなんて1%ほどだが、結局我々(弁護士)のところに来るようなのはものすごい嵐が吹いているような状態なので、むしろそういう状態から切り離されている方が子どもにとっては幸せなのではないか。

しばはし氏:
実際、裁判所を通して離婚調停などを行っていくと別居前よりも関係が悪化する事例がよくある。どちらが親権をとるかもそうだが、離婚は破綻主義ではなく有責主義となると、相手が悪いから離婚すると。書面で相手の批判をしていく。そうなると別居前よりもより関係が悪くなって離婚後にとても共同養育できるような関係にならないというケースもある。むしろ大事なことは、親権をどちらにするか選択することよりも、別居後にすぐに子どもと会える環境をまず制度として作ること。離婚後も共同養育できる関係性をつくっていくために例えば裁判所にカウンセリングの制度を設けるなど、そういう環境をつくっていくことの方が大事だ。

議論沸騰「共同親権問題」 あの「行列」の顔「北村晴男弁護士」が本気で取り組むワケ

出典:令和4年6月22日 デイリー新潮

議論沸騰「共同親権問題」 あの「行列」の顔「北村晴男弁護士」が本気で取り組むワケ

 共同親権――離婚後も両親が子供の親権を持ち、それぞれが子を見守り、監護すること。先進国の多くで採用されている制度だが、日本は、離婚すると親権はどちらか一方にしか認めない「単独親権制」を採用している。これにより、共同親権を採用する国の人と日本人が国際結婚して子供をもうけ、離婚する場合、日本人親が突然子供を連れて帰国し、残された親が「誘拐罪」で日本人親を告訴するケースが後を絶たない。こういう子の連れ去り行為は国際的には誘拐罪に他ならず、日本は「拉致国家」との強い非難を受けている。

 そのため、「共同親権の導入を」と、国際的な圧力が高まるなか、日本でも導入すべきか議論する動きが出ている。しかし――。

異例中の異例

 制度改正の議論を行っているのは、法務省の諮問機関、法制審議会の「家族法制部会」。昨年3月にスタートし、今夏、中間試案が発表される見込みだが、この試案を巡って動いたのが、日本テレビの人気番組「行列のできる相談所」でもおなじみの、北村晴男弁護士(66)、そして彼が率いる「民間法制審議会家族法制部会」という団体だった。この団体が先月31日、法務省の部会版とは異なる、独自の試案を作成し、自民党に提出。比較して議論を進めるよう高市早苗政務調査会長に提言した。

 法務省担当記者が言う。

「法務省の法制審があり、審議を進めているにも関わらず、それとは別に、民間団体が独自の法制審を立ち上げ、提言を行うなんて、異例中の異例です。しかもあの人気弁護士の北村先生が旗振り役なので話題になりました」

 なぜ「行列」のあの人が動いたのか。北村弁護士ご本人に、直接話を伺った。

――共同親権問題に取り組むようになったきっかけは。

「長いこと弁護士業務をするなかで、何度も、単独親権制の問題点を痛感させられてきました。例えば、妻の浮気など圧倒的に妻の責任で離婚に至るケースで、妻が子を連れて別居してしまう。その後、離婚の協議に入るわけですが、夫は私に、『先生、妻の浮気が原因ですから、当然、子供の親権はとれますよね?』と言う」

日本はこんな法律でいいの?

「でも、日本は単独親権制で、その上、裁判所には『小さな子供には母親が必要』という認識があり、監護実績を重視するという判断基準もあるため、父親が親権を取るのは、ほとんど不可能。『それでもお願いします』と言われるものの、結局親権を取れずに、月に1度、数時間程度の面会交流を確約してもらうために、相場よりも高い養育費を払うことになるわけです。おまけに、犯罪者でもないのに、第三者による監視付き面会とせざるを得ないことも多い。これにより、親権を奪われた側の祖父母は孫と全く会えなくなる。諸外国の共同親権制度では、両親や祖父母は子の成長をずっと見守る事が出来、子供も多くの大人に見守られ、愛情をたっぷりと注がれながら成長することが出来る。法律家として、仕事はするけど、そもそも、日本はこんな法律でいいの? という疑問が、ずっと頭にありました。単独親権制は、親子関係を破壊し、子供、親権を奪われた親、祖父母など多くの人の幸せを奪う、とんでもない悪法です。

 そんな中、今年に入って、ある弁護士さんがうちの事務所にいらして、この方が共同親権の実現を目指して一生懸命やっておられる方で、『是非とも応援してほしい』と言われ、微力ながら、力になれればと思った次第です」

夫婦喧嘩でも……

――法務省の法制審が公開しようとしている試案の、どの点が問題なのでしょうか。

「まず、一番の問題は、父親と母親が合意したら共同親権を認める、という点です。『子供を元配偶者に合わせたくない』という親は合意しませんから、この制度ではこれまで同様、不幸な子供、不幸な親、絶望する祖父母を生み出し続けることになります。原則共同親権とする制度にしないと全く意味がない。そして二つ目は、監護権と親権を切り離したうえで、監護は単独で行います、というところ。監護、つまり、一緒に住んで見守る権利は一方にしか与えられない。そして、子供がどこに住むかを決める居所指定権も、監護権に付与する、と。こうなってしまうと、これは、今問題になっている“子の連れ去り”を合法化するための巧妙な仕掛けです。しかもですよ、その監護権を、婚姻中にもどちらか片方に付与することができるように議論を進めている節がある。夫婦喧嘩をし、かっとなったどちらかが訴えると、監護権を片方にのみ設定できるわけで、現行法よりもさらに早く親子関係を破壊する可能性が高い」

子供の幸せに責任を

――北村先生たちが提案している試案について教えてください。

「まず、離婚後も原則共同親権とします。未成年の子供がいる夫婦が離婚をする場合、子供を父母がそれぞれどういう割合で監護するかなどについて具体的に定めた計画、『共同監護計画』の提出を義務付けよう、というのが基本です。離婚する二人の事情は様々ですから、多様な場面に対応可能なガイドラインも作成します。当然ながら、DV被害者を守るための制度設計も重要ですからそれについても十分に検討しています。

 さらに、我々が提案しているのは、離婚するのであれば、子供の心理について講座を設けるので勉強してください、と。例えば、片親疎外症候群というのですが、一泊二日で父親の元に行き、母親のところに帰って来たとします。そして子供が『楽しかったよ』と報告したときに、母親が顔を曇らせると、大好きな父親を嫌いにならなければいけない心理状況に追い込まれることになる。その結果本当に父親を毛嫌いするようになるケースもある。そうした複雑な心理環境に子供を追い込むのは子の虐待に等しい。そういうことをきちんと勉強して、共同監護をしましょう、ということです。親の都合で離婚するわけですから、それによる子供への精神的負担を出来る限り軽減し、子供の幸せに最大限責任をもちましょうよ、と。共同親権を導入している先進国の制度を参考に、作成しました。どちらの案が、子供の幸せ、親の幸せに結びつくかは火を見るより明らかだと私は思っています」

 二つの試案は、法改正にどのような影響を及ぼすか――。

デイリー新潮編集部

自民プロジェクトチームが共同親権提言 「家族の分断ないように」

出典:令和4年6月22日 中日新聞

自民プロジェクトチームが共同親権提言 「家族の分断ないように」

 民法の家族法制のあり方を検討してきた自民党のプロジェクトチーム(PT)は二十一日、夫婦の離婚後、一方のみに認める親権制度を改め、双方が親権を持つ「共同親権」導入の提言書を古川禎久法相に提出した。「家族の分断」を生じさせない法制を求めるとした。

※以下、記事を参照ください。

20220622Chunichi

離婚後の「共同親権」導入へ試案 法制審、8月末にも

出典:令和4年6月22日 時事通信

離婚後の「共同親権」導入へ試案 法制審、8月末にも

 家族法制の見直しについて議論している法制審議会(法相の諮問機関)の家族法制部会は、離婚後も父母の双方に親権を認める「共同親権」導入などを盛り込んだ中間試案を8月末にも取りまとめる。中間試案は、共同親権を原則とするか、現行民法の「単独親権」を維持するかの両論併記となる見通しだ。
 民法は、父母の婚姻中は共同で親権を持つが、離婚する場合はどちらか一方を親権者と定める「単独親権」制度を規定している。

 厚生労働省の人口動態統計によると、2020年に婚姻した夫婦約52万組に対し、離婚した夫婦は約19万組。約3組に1組が離婚に至っている状況があり、離婚後の養育費未払いが社会問題となっている。また、共同親権が一般的な欧米諸国と日本の親権制度の違いから、国際結婚が破綻した日本人の親による「子ども連れ去り」問題も指摘されている。
 こうした近年の家族の状況を受け、法制審部会では、共同親権を認める際は(1)父母双方が合意した場合(2)裁判所が子の利益のため必要があると判断した場合―などを想定。離婚後に日常の世話や教育の仕方について決める「監護権」を持つ「監護者」については、父母双方が共同で監護者となる選択肢も検討する。法制審は中間試案の取りまとめ後、意見公募(パブリックコメント)を経て答申案を決定する。
 共同親権をめぐっては、自民党法務部会も21日、制度導入を求める提言書を古川禎久法相に提出した。離婚後の養育費負担や面会交流などについて定める「共同養育計画」の作成などを義務付けることも提起した。

離婚後の共同親権を提言 自民・法務部会 「子の最善の利益確保」

出典:令和4年6月21日 毎日新聞

離婚後の共同親権を提言 自民・法務部会「子の最善の利益確保」

 自民党法務部会は21日、父母の離婚に伴う子の養育を巡る法制度の見直しについて、提言書を古川禎久法相に提出した。「離婚後の共同親権を導入すべきだ」としている。

 同部会の「家族法制のあり方検討PT(プロジェクトチーム)」がまとめた提言書は、父母が離婚した後の子の養育について「子の最善の利益を確保するため、子を真ん中に置いた議論をしなければならない」と記載。離婚後の単独親権を定めた現行民法に触れ「原則として、父母がそれぞれ引き続き子に対して親としての責務を果たすため、離婚後共同親権制度を導入すべきだ」としている。
 また、父母が離婚する場合に、子の養育費の負担や親子の交流について取り決める「共同養育計画」の作成を課すべきだと提案。一方で、家庭内暴力(DV)や児童虐待がある家庭を念頭に、子の安全や安心を確保する観点から「丁寧に対応する規律を設けるべきだ」としている。

 法制審議会(法相の諮問機関)の部会は現在、離婚後の親権のあり方を含めた家族法制の見直しを議論している。【山本将克】

共同親権の制度 導入すべき” 自民の作業チームが法相に提言

出典:令和4年6月21日 NHK

“共同親権の制度 導入すべき” 自民の作業チームが法相に提言

離婚後の子どもの養育の在り方などをめぐり、自民党の作業チームは、原則として、父親と母親が引き続き責務を果たすため、双方が親権を持つ「共同親権」の制度を導入すべきだなどとした提言をまとめ、古川法務大臣に提出しました。
親が離婚したあとの養育費の不払いや親権の在り方など、子どもの養育をめぐる課題の解消に向けて、法務大臣の諮問機関である法制審議会の部会は制度の見直しに向けた議論を行っています。

こうした中、自民党の法務部会の作業チームは子どもの養育の在り方などをめぐって提言をまとめ、21日、古川法務大臣に提出しました。

この中では、離婚した場合、原則として父親と母親が引き続き子どもに対し責務を果たすため、双方が親権を持つ「共同親権」の制度を導入すべきだとしています。

また、離婚する場合、父親と母親が子どもの養育を適切に行うため「監護割合」や養育費などについて定める「共同養育計画」の作成など、必要な事項について一定の責務を課すべきだとしています。

さらに「共同親権」の制度の導入に伴い、父親と母親の一方がDV=ドメスティック・バイオレンスや児童虐待を働いているなど、原則どおりに適用すると不都合が生じ得るケースについて、安心・安全の観点から丁寧に対応する規律を設けるべきだなどとしています。

自民が古川法相に離婚後の共同親権・共同監護を提言

出典:令和4年6月21日 産経新聞

自民が古川法相に離婚後の共同親権・共同監護を提言

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自民党の山田美樹法務部会長は21日、法務省で古川禎久法相と面会し、同部会の「家族法制のあり方検討プロジェクトチーム」がまとめた父母が離婚した後の子供の養育に関する提言を手渡した。提言は「子の最善の利益を確保する」として、離婚後の父母が共に親権や子供の身の回りの世話や教育をする「監護権」を持つ「共同親権・共同監護」制度を導入するよう求めた。ドメスティックバイオレンス(DV)や児童虐待がある場合に対応した規律を設けることも訴えた。

同席者によると、古川氏は「子供の最善の利益を追求することは共通した思いだ」と応じた。

離婚後の“共同親権”に向け制度設計へ 現在は父母いずれかの“単独親権”

出典:令和4年6月21日 日本経済新聞

離婚後の“共同親権”に向け制度設計へ 現在は父母いずれかの“単独親権”

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法務省は離婚した父母の双方が親権を持ち続けることを可能にする法改正を法制審議会(法相の諮問機関)に提案する。法制審が8月をメドにまとめる中間試案に盛り込む見通しだ。現行法の維持などと合わせた選択肢のひとつとして記す。
民法は婚姻中の父母が共同で親権を持つと認める半面、離婚後はどちらかだけが親権者となる単独親権を定める。法制審は2021年3月に家族法制部会を立ち上げ、離婚後の共同親権の採用を巡り議論してきた。
法務省と法制審の部会は中間試案に向け、父母の合意や裁判所の判断といった共同親権を採用する条件などを協議する。単独親権を原則として維持する案も含め、複数の選択肢を併記する方向だ。
日常の子どもの世話を決める「監護権」の範囲も検討事項にする。法務省は部会がまとめた試案を意見募集(パブリックコメント)にかける。
離婚後の共同親権の導入は部会の委員の間でも賛否が割れる。
病気の治療など子どもにとって重要な事項は父母双方が親権に基づいて熟慮することが適当とみる声がある。一方で同居する親が単独で決めた方が判断が安定するとの意見もある。

離婚後の「共同親権」日本での導入は? 現在の民法では父母いずれかの「単独親権」 それぞれの「課題」と「今後の議論」

出典:令和4年6月20日 TBS

離婚後の「共同親権」日本での導入は? 現在の民法では父母いずれかの「単独親権」 それぞれの「課題」と「今後の議論」

近年「3組に1組が離婚する」という言葉もある中、離婚した後「子どもをどう育てていくのか」が重要視されます。現在の民法では父母いずれかの「単独親権」で、「母に親権」が渡るケースが9割以上です。離婚後の父親と母親が、子どもの親権を共同で持つ「共同親権」を日本でも導入するかについて、法務省の専門家会議が具体的な制度の議論を進めていることが分かりました。親権をめぐる課題や今後の議論について見ていきます。

子どもの「共同親権」導入なるか? 日本の民法は「単独親権」

ホラン千秋キャスター:
「共同親権」について考えます。今後、日本でも導入されるんでしょうか?

離婚した後に2人で共同親権を持って育てていこうというものです。

まず、婚姻届を出したカップルを見ていきましょう。
2020年婚姻届を提出したのは52万5507組。
そして、離婚届を提出したのは、19万3253組となるわけです。(厚労省 人口動態統計2020年)

近年「3組に1組が離婚する」という言葉もあるわけですが、離婚した後、お子さんをどう育てていくのかというところが重要視されるわけですよね。

その上で、現状、日本は単独親権ですので、離婚の場合、どちらが親権を持つのかということが議論に上がります。

親権とは、子どもの利益のために監護・教育を行ったり、子どもの財産を管理したりする権限・義務のことなわけです。

では、改めて日本の現状というのを見ていきましょう。

現在の民法では、単独親権のみが認められています。ですので、お父さん・お母さんが離婚した場合、そのどちらかが親権を持つ単独親権ということになるわけなんですよね。

では、お父さん・お母さんそれぞれ親権を持つ件数というのはどれくらい違うのかというのを見てみると


父に親権…1635件、
母に親権…1万6908件
(2020年度司法統計より)


圧倒的に母親に親権が渡ることの方が多いわけなんです。

この現状を見てみまして海外と比べましても「共同親権」ということを考えていく必要があるのではないかということで議論が行われています。
法務省の専門家会議が行っている議論なんですが、離婚した後も、どちらかだけに親権が渡るのではなく2人協力して育てていきましょう、というものが共同親権なわけなんですが、法務省の法制審議会の部会は「子どもの貧困や虐待を防ぐ上で離婚した後も双方が最後まで責任を持つべき」だとして、「共同親権」について検討しているわけなんです。

「単独親権」「共同親権」それぞれの課題

ホランキャスター:
では、日本が今認めている「単独親権」、そして導入が考えられている「共同親権」、それぞれの課題というものを見ていきましょう。
萩谷麻衣子弁護士によると「子どもにとっての幸せを考え議論をしていくことは必要」ということです。

【単独親権の課題】

・子どもとの関わりが少ないため、養育費がきちんと支払われない

ちなみに母子家庭で養育費を受け取っている家庭は24%ということですので、その数字というものも課題になっているのかもしれません。

逆に

・養育費を支払っていても子どもとの面会・交流が極端に少ない など

養育費を支払っていても、払っていなくても課題があるというのが「単独親権」のようです。



【共同親権の課題】
感情的に対立して離婚に至るということが多く、子どものためとはいえ、割り切って簡単に協力できるものではない(教育・大きな病気の治療など意見が対立しやすい)

「共同親権」というものを導入したとしても、何らかの支援制度が必要なのではないかと話しています。



井上貴博キャスター:
DVなどの問題もありますし、もう本当ケースバイケースで一概に言うことはできませんが、夫婦が離婚したとしても子どもの親であることは変わりませんので、選択肢が増えるというのは、進めていただきたいなとは感じます。

スポーツ心理学者(博士) 田中ウルヴェ京さん:
私もそう思います。選択肢が増えるということはつまり、その議論が増えるということなので、議論をしないと何が課題で、どちらにメリット・デメリット、両方メリット・デメリットあるねみたいな話をすることが大事ですから、共同親権の話が出ることはとても賛成です。

一方で、課題はそのご夫婦によって違うということがまず大前提ですけれど、もう一つ、大前提は子どもという「宝」。資本という言い方もできるかもしれませんが、子どもは社会にとってのとても大事な宝ですから、どのように社会が育んでいくかということが前提で話し合われることが大事だなと思います。

つまり、ご夫婦のどちらかに責任を持つべきという言い方よりは、子どもを育てるということは実は大人の人間的成長にも、とても大切なもので、誰かの子どもだとして、みんなで、どのように子どもを育んでいくかという中での共同親権なんだという俯瞰的な見方をすることで、また違った解決策が出てくるということもあろうかと思います。



井上キャスター:
家族単位だけではなくて社会全体というか、それを綺麗ごとではなくて全体として社会として国としてどういうふうに子ども育んでいけばよいでしょうか。



スポーツ心理学者 田中さん:
例えば、離婚は駄目だとか、結婚は良いことだではなくて、社会で子どもを育てるとはどういうことかということから話し合われていくこともすごく大事だと思います。

夏にも中間的な案の取りまとめ

ホランキャスター:
法務省での部会で行われている議論も、共同親権だけにしましょうということではなくて、様々な形というのが話し合われています。

今まで通り単独親権の方がいいんじゃないかというような議論であったり、共同親権を原則にするという話、それから双方を組み合わせるのはどうだろうかなど話し合われているということなんですね。

そして、共同親権を導入した場合、お父さん・お母さん、2人に親権がありますので
日常的に子どもの面倒を見るのはどちらになるのか、それを監護者と呼ぶということですが、その監護者をどう決めていくのかも議論されているそうです。

そして夏にも中間的な案の取りまとめを行い、国民の意見も募集するということだそうです。



井上キャスター:
この共同親権はもちろんのことですけど、先ほど広い話でいうと、例えば養育費についても、周りでも実際に受け取れない人がいて、でもそれをしっかりと養育費を支払わなければならないという仕組み作りも少し日本は遅れている。そういうところも含めて議論を進めていただきたいなと思います。



スポーツ心理学者 田中さん:
大きな議論から細かい課題の解決ということは必要です。例えば、養育費も今は男性が、ではなく女性が養育費を支払うことも当然あるわけで、社会進出の仕方も変わってきましたし、細かいことをこれからしっかり決めなきゃいけないんですよね。



井上キャスター:
ウルヴェさん自身は国際結婚されてますので、そこの考え方はかなりフレキシブルですか?

スポーツ心理学者 田中さん:
元々、日本人だったので本当にびっくりすることは、例えばフランスでは婚姻届を出していないカップルもたくさんいらっしゃいますし、例えばお1人のお子さんを3組ぐらいのカップルが、それぞれが一緒に育てるみたいな体系になったりもしています。大切なことは、お子さんにとって何が幸せかって、彼女たち・彼らたちが決められなかったりもするので、どのようにあると良いかってことを大人がいろいろなところから解決を考えていくってのが大事かと思います。



井上キャスター:
日本はまだまだ「家族はこうあるべきだ」というのが強い気はします。

離婚後の“共同親権”に向け制度設計へ 現在は父母いずれかの“単独親権”

出典:令和4年6月20日 TBS

離婚後の“共同親権”に向け制度設計へ 現在は父母いずれかの“単独親権”

離婚後の父親と母親が、子どもの親権を共同で持つ「共同親権」を日本でも導入するかについて、法務省の専門家会議が具体的な制度の議論を進めていることが分かりました。専門家会議は、この夏にも中間試案をまとめる方針です。

現在の民法では離婚後の子どもの親権者は父親か母親、どちらかになる「単独親権」になっています。

これに対し、有識者からなる法務省の法制審議会の部会では「子どもの貧困や虐待を防ぐ上で離婚したあとも、双方が最後まで責任を持つべき」という議論があり、「共同親権」について検討がされてきました。

関係者によりますと、部会の議論では・現状のまま単独親権とするのか、・共同親権を原則とするのか、・両者を組み合わせるのかの議論が行われています。

その上で、共同親権を導入した場合、例えば、離婚で父親と母親が別居した際には、どちらかを日常的に子どもの面倒をみる「監護者」とする制度をつくるのか、などが議論されています。

部会はこの夏にも中間試案をとりまとめ、国民から意見を公募する方針です。

離婚後の共同親権を提案へ 法務省、法制審部会に 8月にも試案討議

出典:令和4年6月20日 毎日新聞

離婚後の共同親権を提案へ 法務省、法制審部会に 8月にも試案

 法務省は、家族法制の見直しを議論している法制審議会(法相の諮問機関)の部会に、離婚した父母双方を親権者にできる「離婚後の共同親権」の導入を提案する方針を固めた。現行民法は離婚後の単独親権を定めており、部会は民法改正の中間試案を8月をめどに取りまとめる。その上で意見を公募するパブリックコメントを実施し、詰めの議論に入る。

 民法は、婚姻中の父母の共同親権を定める一方、離婚後はいずれかが親権者となる単独親権を採用する。日本では近年、年間20万組前後、おおよそ3組に1組が離婚しており、離婚後の養育費の不払いや親子交流の断絶が社会問題化している。

 一方で、女性の社会進出や男性の育児参加が進み、「離婚して子との関わりを絶ち、親の役割を放棄するのは無責任だ」との声があり、離婚後の親権の奪い合いや他方の親の同意を得ずに子と家を出る「子の連れ去り」も頻発している。国際的には、離婚後の共同親権が主流となっている。

 関係者によると、同省が提案する内容は、父母双方が子に関わり続けることが「子の最善の利益にかなう」ケースを念頭に、父母が話し合いや裁判所の判断で共同親権を選択できるようにするもの。具体的には、子の進路や病気の治療方針について父母双方が共同親権に基づき、子のために熟慮して決定するような仕組みが想定される。このような共同親権を原則とする案と、単独親権を原則とする案が示される模様だ。
 また、離婚した父母は多くの場合は別居し、一方の親が子と同居して暮らすことが多い。このため、離婚後の共同親権を選んだ場合に、子の日常の世話について決める「監護権」を持つ親である「監護者」を置く制度も議論されるという。共同親権と監護権の役割分担をどうするかは今後の焦点になりそうだ。
 さらに、離婚しても子が普段は同居親と生活し、休暇中は別居親と過ごすといった良好な親子関係もあるため、共同親権を前提に、両者が監護者になる「離婚後の共同監護」も選択肢として示される見通し。
 一方、家庭内暴力(DV)や激しいいがみ合いが続く父母が共同親権を選ぶと、子に関わる重要な決定ができなくなるとの懸念もある。家族を巡る価値観は多様であることを踏まえ、単独親権のみの現行制度を維持する案も議論されるという。【山本将克】

「共同親権」参院選を前に静かなる“ヤマ場”、自民党が民間試案を討議

出典:令和4年6月6日 SAKISIRU

「共同親権」参院選を前に静かなる“ヤマ場”、自民党が民間試案を討議

法務省法制審案と合わせ異例の検討、カギとなるDV対策は?

SAKISIRU編集部

親が離婚した後の子育てについて、G7で唯一、単独親権制度しか認めていない日本で、国際的なルールに合わせた共同親権・共同養育を認めるべきか、参院選を前に政策的なヤマ場が生まれつつある。

■「法務省 vs. 民間」2つの法制審

日本では片親が子どもを一方的に連れ去る事案が後を絶たない。日本は2013年に「国際的な子の奪取の民事面に関する条約」(ハーグ条約)に批准した後も、親権制度がこの国際的なルールに適応する形で変更されておらず、日本人の配偶者による連れ去り事案が相次いだ欧州では、EU議会が日本に対し「子の連れ去りに関する国際的なルールを遵守していないように見受けられる」と決議している。

国際的な圧力もかかってきたことで近年、日本側も制度改正を検討し始め、法務省の諮問機関、法制審議会の家族法制部会が昨年3月から検討を進めてきた。しかし、同部会の委員には、共同親権導入に抵抗する左派の人権派有識者もいるためか、現行の親権制度の見直し案は国際基準から程遠い「骨抜き」になりつつある。

審議中の資料などから浮かび上がってくるのは、共同親権は形式的には認めるものの、監護権は引き続き片親のみに認めるとする案に固まりつつあり、共同親権推進派からは「家族制度が崩壊する」などの懸念が示されている。

これに対し、推進派は、弁護士・大学教授などがつくる民間法制審議会の家族法制部会が別の制度案を提起し、法務省案に対抗する構えに打って出た。5月31日には同部会長で、テレビ番組でも知られる北村晴男弁護士らが記者会見。独自の「中間試案」を発表し、自民党の高市政調会長にも提出した。

民間側の試案では、

1.全ての欧米諸国、台湾や韓国も採用する離婚後『共同親権・共同監護』制度の創設
2.婚姻中の家族の在り方を規定する現行の民法体系と整合性のとれた制度の創設
3.父母が配偶者暴力(DV)や児童虐待を行っている場合など、特殊な事例にも対応した制度の創設
4.ハーグ条約(国際的な子の連れ去りを禁止する条約)不履行国と国際的に非難される原因となっている国内法の改正

がポイントに挙げている。(1)や(4)が示すように国際基準に則った内容になっているのが特徴だ。

■ 実効性あるDV対策、自民は異例の対応

一方で、日本で共同親権導入が進まなかった大きな要因としてはDV(配偶者暴力)だ。例えば、離婚後共同親権に反対する市民の会は「加害者は子どもと会う権利や機会を利用し、支配を続けようとする」(公式サイト)などと主張し、根強く抵抗している、

このDV問題をどうするか。(3)で提起しているDVなどの問題事案への対応について、試案の詳細版では、両親が離婚する際に「共同監護計画」の作成と公正証書化を義務付けた上で、「離婚後の面会交流、養育費に関する規律」を要求。

父母の一方が、配偶者暴力防止法の規定に基づく保護命令を裁判所に申し立てたときは、裁判所は、当該父母に対し、婦人相談所等が提供する父母間の連絡調整及び子の受渡し支援サービスの利用を命ずる規律を設ける。

などと提起している。関係者は「民間法制審案は、DVの申し立てがあれば配偶者との接触は禁止するが、親子の交流は継続しなければならない規定になっている」と説明する。

DV問題に関連して、これまで一部の親が相手と子どもの面会を拒絶したいがために、実態がないDVを主張するケースもあったが、この民間法制審案を導入した場合は、手続きに第三者が入ることで、関係者は「子どもをもう一方の親と会わせない理由としてDVは使えなくなる。本当にDVを受けていた人にはメリットがある一方で、嘘のDVを申し立てていた人には、デメリットばかり増えることになる」と実効性を期待している。

民間法制審の中間試案の影響力は小さくない。試案を受け取った自民党サイドは、法務省の法制審案と比較検討して今後の立法化を進めるという異例の対応をする方針を示している。

党政調会法務部会(部会長:山田美樹衆院議員)は7日、民間法制審の試案を俎上に載せて討議した。参院選での政策論議や、秋の臨時国会以後に新たな展開があるのか注目される。

家族解体へ進む法改正

出典:令和4年6月6日 産経新聞

家族解体へ進む法改正

 世間の目がウクライナ侵略戦争に、片や国会議員の関心が参院選に集中する中、法務省で家族をバラバラにする法改正が進んでいる。法制審議会(法相の諮問機関)の家族法制部会(以下法制審)がこの夏にまとめる予定の「父母の離婚に伴う子の養育の在り方」に関する中間試案のことである。

法制審には、認定NPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」の赤石千衣子理事長らをはじめ、いわゆる人権派の人物が名を連ね、シングルマザーの立場に肩入れするあまり、一方の親を排除して子供の独占を促進するかのような議論がなされていた。

家族の在り方を変える法改正を一方的な意見に基づいて進めることは社会の基盤である家族の形をゆがめるものだ。私は昨年8月20日、上川陽子法相(当時)を訪ね、幅広い考え方を基に家族法制を定めるよう要望した。上川氏は「ご心配なく」と、断固とした自負を見せた。
※以下、紙面を参照ください。

離婚後も「共同監護を」民間団体が独自試案とりまとめ

出典:令和4年5月31日 産経新聞

離婚後も「共同監護を」民間団体が独自試案とりまとめ

 法務省法制審議会家族法制部会が今夏にも発表する見込みの共同親権に関する中間試案を巡り、国内外の研究者や弁護士らでつくる民間団体が31日、「法制審の案は、婚姻中の家族の在り方まで変更する恐れがある」として、独自に取りまとめた中間試案を自民党の高市早苗政調会長に提出した。

団体側は、法制審の部会が発表する試案と団体側の試案を与党内で比較・審査した上で、欧米諸国や韓国、台湾などが採用している離婚後の「共同親権・共同監護」制度を創設するよう求めている。

 試案の提出後、東京都内で会見した部会長の北村晴男弁護士は、法制審で議論されている、離婚後に一方の親のみを子供の監護者とする案について「国際的に批判されている、一方の親による子供の連れ去りを追認するものだ」と批判。「今も子供の成長を見守れない親がたくさんいる。その思いに応える制度設計をすべきだ」と訴えた。

髙橋史朗68 – 国連が勧告した日本の「実子連れ去り」家族の絆を取り戻す法改正の緊急課題

出典:令和4年5月19日 モラロジー道徳教育財団

髙橋史朗68 – 国連が勧告した日本の「実子連れ去り」家族の絆を取り戻す法改正の緊急課題

髙橋史朗 モラロジー道徳教育財団 道徳科学研究所教授

欧州議会本会議対日非難決議「日本は子供の拉致国家」
 櫻井よしこ「『家族』壊す保守政治家」(産経新聞令和3年7月6日付)によれば、毎年15万から16万人の子供が片方の親に連れ去られたり、片方の親から切り離される悲劇が起きているという。令和2年7月、欧州本会議は「日本は子供の拉致国家」であるとして、次のような日本における子供の連れ去りに関する非難決議を圧倒的多数で可決した。

「日本が子供の連れ去り案件に対し国際規約を遵守していないと遺憾を示すとともに、ハーグ条約の下で子供の送還が効果的に執行されるように国内法制度を改正するよう促す。……日本当局に対し、共同親権の可能性に向けた国内法令改正を促す」

 父親も育児に積極的に参画し共同して監護する「家庭における男女共同参画」が推進されている中で、離婚という夫婦間の事情で親権(母親が9割以上取得している)を一方の親から奪い、一方の親を子育てから排除する社会制度や慣行は、男女のどちらか一方を不利にする状況をもたらし、男女共同参画の趣旨に反する。

 また、養育費の義務化のみをことさらに主張して「共同養育」を軽視し、共同親権に反対する主張を一部の女性団体などがしているが、これは「男性は仕事だけしてお金だけ出せばよい」という、男女共同参画の理念に反する差別意識が背景にある。

 このような歪んだ「逆差別」意識を解消していく必要がある。男性をATMのように扱う主張は明らかな人権侵害であり、このような考え方が男性差別であるという認識を社会に広く浸透させる必要があろう。

 日本大学の先崎彰容教授は、「リベラルVS保守の立場を超えて、あまりにも単純な男女観、父母観から抜け出さねばならない」「男女平等とは何か」「家族とは何か」こそが問われていると次のように訴えているが、核心を突いた指摘といえる。

 第一に、子供たちは母親を愛するのと同様に、父親を愛する権利をもっている。ところが、私たちは母親が女性というだけの理由で、養育するのを「常識」にしている。だがこれは究極の男女不平等ではないか。

 また、男女の機会均等や不平等をめぐる議論は、圧倒的に「女性の権利が奪われている」という図式でなされる。それが逆転した男女差別が、この「単独親権」なのである。夫=男性=親権不適格者という「図式」だけでは解決が不可能になったのだ。リベラルな立場の人たちは究極の男女平等を追求するために、ぜひとも父母双方に子供と交流する機会を!と訴えてほしい。

 第二に、夫が男というだけで養育の権利を奪われ、「家族」が解体してしまうことが問題である。家庭裁判所の現場でも、未だに「単独親権」、つまり母親の権利だけが重視されている。裁判官までもが女性=親権を持つべきだという男女観、無意識の「常識」に取り込まれている。
(産経新聞、令和元年9月16日付「正論」、「司法は『家族』を取り戻せるか」)

左派団体に不都合な国連勧告を無視
「こども基本法」が浮上した背景には、過去5回、国連の児童の権利委員会(CRC)から日本政府に出された国連勧告がある。日本の左派NGOや日教組、日本弁護士連合会などが強調している国連勧告の中に、彼らにとって都合の悪い勧告が含まれている。児童相談所を中心とした「社会的養護」利権にかかわる問題である。

 まず、この問題に関する2019年3月の国連勧告(日本の第4、5回合併定期報告書に関する総括所見)を抜粋しよう。

<家族環境>
「家族を支援し、強化すること」「子供の遺棄および施設措置を予防する」「親との個人的関係および直接の交流を維持する子供の権利が定期的に行使できることを保障する」

<家庭環境を奪われた子供たち>
⑴ 多数の子供たちが家族から引きはがされているとの報告があり、その引きはがしは司法令状のないままですることができ、しかも児童相談所に最大2ヶ月収容されることになること
⑵ 多数の子供たちが、不適切な水準にあり、児童虐待の事案が報告されており、しかも外部による監督と評価の機構がない施設に依然として収容されていること
⑶ 児童相談所がより多くの児童を受け入れることに対する強力な金銭的インセンティブを有する疑惑があること
⑷ 施設措置された子供たちが、その生みの親との接触を維持する権利をはく奪されていること(以下、略)

<子供の代替的養護に関する指針(国連総会決議)に対する強い要求>
⑴ 子供が家族から引きはがされるべきか否かの決定に際して、義務的司法審査を導入し、子供の引きはがしについて明確な基準を設定し、そして子供たちを親から引き離すのは、それを保護するため必要で子供の最善の利益にかなっている時に、子供とその親を聴聞したあと、最後の手段としてのみなされるのを保障すること
⑵ 子供の速やかな脱施設化および里親機関の設置を保障すること
⑶ 児童相談所において子供たちを一時保護するやり方を廃止すること(以下、略)

 このような国連勧告が出された背景には、「児童被害を撲滅する会」など、児童相談所に家族を破壊された被害団体が国連の同委員会に2回提出したレポートが影響を与えたものと思われる。左派団体は国連勧告を自分たちの主張を正当化するために利用し、このような児童相談所の家族破壊に関する国連児童の権利委員会の事実認定と勧告が出ると、児童相談所の拡大・強化を支持する日教組や日弁連などは、従来の国連に対する態度を、手のひらを返したように無視する戦術を展開している。

 児童の権利条約第18条には、「締約国は、児童の養育及び発達について父母が共同の責任を有するという原則についての認識を確保するために最善の努力を払う。父母又は場合により法廷保護者は、児童の養育及び発達についての第一義的な責任を有する」と明記されている。

家族破壊による「子供の商品化」
 児童相談所は、軽微な冤罪「虐待」事案を口実に家族から切り離した子供たちを、児童養護施設などの「社会的養護」施設に流し込むが、虐待死のような凶悪事案は一向に根絶されない。児童養護施設に強制入所された子供たちには、児童虐待防止法第12条によって面会禁止処分が加えられることもあり、子供は家族から断絶され「人工孤児」となる。

 これにより、社会的養護を提供する児童養護施設などの利益集団が、家族から切り離された子供たちを使って経済的利益をむさぼっているのである。一方、子供たちは、児童養護施設職員による性的暴行に晒されている。「子供の最善の利益」の保障が求められている児童養護施設が利権のとりことなって、家族破壊による「子供の商品化」に拍車がかかっているのである。

 もともと、児童福祉法の下で利権化した児童養護施設の業界は、戦争孤児が成人した後、空きベッドを埋めるため「子供よこせ」運動を展開していた。児童相談所はもともと敗戦直後に戦争孤児をケアするためにできた行政機関で、戦争孤児が成人するとともにその本来の機能を失った。しかし、その後も存続し、経済の高度成長期には不登校児など細々と扱っていたが、1980年代冒頭の臨調行革の中でリストラの嵐に翻弄された。

 そこで、厚生省が「児童虐待」に着目し、これを児童相談所に担当させることにして、息を吹き返した。戦争孤児時代の児童福祉法第33条をそのまま使い、児童の権利条約第9条1項には以下のように書かれているにもかかわらず、この条項に違反して、軽微な冤罪の「虐待」事案で、家族から子供を引きはがし拉致を強行し、これによって全国で家族破壊が広がっている。

「締約国は、児童がその父母の意思に反してその父母から分離されないことを確保する。ただし、権限のある当局が司法の審査に従うことを条件として適用のある法律及び手続に従いその分離が児童の最善の利益のために必要であると決定する場合は、この限りではない。このような決定は、父母が児童を虐待し若しくは放置する場合又は父母が別居しており児童の居住地を決定しなければならない場合のような特定の場合において必要となることがある」

国連も指摘した「拉致ノルマ」という「社会的養護」利権
 児童相談所の「一時保護所」では、子供たちを学校に通わせず、性的暴行、向精神薬投与など数々の人権侵害が横行し、そのため国連児童の権利委員会から前述したように閉鎖勧告が出されたのである。児童相談所の年間予算には「一時保護見込み数」(児相被害者は「拉致ノルマ」と呼んでいる)が組み込まれており、予算額を達成できるだけの数の児童を家族から引き離す経済的インセンティブ(人々の意思決定や行動を変化させるような要因)を持つことは国連児童権利委員会も指摘し、厚労省の専門官も同委員会の答弁で認めている。

 児童相談所に「拉致」された後、多くの場合、子供たちは児童養護施設に送り込まれ、家族破壊が長期化し、子供が「家に帰りたい」と訴えても帰さない。その意味で、児童相談所は「社会的養護」利権への「取児口」(水岡不二雄・南出喜久治『児相利権:「子ども虐待防止」の名でなされる児童相談所の人権蹂躙と国民統制』八翔社、参照)の機能を果たしている。

 それ故に、水岡不二雄一橋大名誉教授は、児童相談所は増設ではなく廃止し、刑法犯罪に類する凶悪虐待事案は警察に移管すべきだと言う。児童相談所から「一時保護」の権限を奪い、純粋な育児支援機関に衣替えしないと、子育てをする家族は、わが子が奪われるのが怖くて行政の子育てサービスを利用できなくなると水岡名誉教授は警告する。

 数値比較で日本の「社会的養護」が遅れていると批判する人々は、日本の制度自体が著しく国際人権規範から立ち遅れている現実を決して見ようとはしない。この現実を厳しく批判した国連勧告を無視する背景には「社会的養護」利権への忖度があることは明白である。

「懲戒権」削除の民法改正と「教育虐待」の浸透が教育荒廃に拍車をかける
 自民党の24条改憲案には、「家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として、尊重される」と明記されており、高市早苗政調会長が構想する「家族基本法」の制定こそ喫緊の課題といえる。実親養育中心主義を明確に規定し、児童相談所が家族に介入し、子供を連れ去り「親子の絆」を蹂躙している現状を改革しなければならない。

 1月5日の新聞報道によれば、「親が子を戒めることを認める民法の『懲戒権』の規定の見直しを議論する法務大臣の諮問機関である法制審議会の担当部会は、同規定を削除し、体罰の禁止を明示する規定を盛り込む方針を固めた」という。この民法改正案は通常国会に提出され成立する見通しであるが、これによって親が子供をしつけることの法的根拠がなくなることになる。これまで民法の「懲戒権」は、児童相談所による野放図な子供の拉致や家族破壊の歯止めとして機能してきたが、「懲戒権」がなくなれば、少しでも子供に厳しいことを言うと、直ちに家族が切り離されて児童相談所に連れて行かれ、さらに児童養護施設に送り込まれてしまう現実的危険が生じる。

 親による過剰な責や受験圧力などは「心理的虐待」と見做され、2020年に警察が児童虐待の疑いで児童相談所に通告した子供約1万千人のうち、約7万8千人を「心理的虐待」が占めている。こども庁・子ども基本法論議をリードしてきた早稲田大学の喜多明人名誉教授は、こうした家庭における「心理的虐待」と学校における精神的暴力を一つのつながりのある事象と捉え、「エデュケーショナル(教育的)ハラスメント」(略称・エデュハラ)として捉える新たな視点を提唱している。

 こうした「教育虐待」という新たな視点から家庭と学校における指導や躾る権利(親権)に歯止めをかけ、子供の意見を尊重するという大義名分によって「反差別的取り扱い」として、法的措置を含めた対立を持ち込もうとしているのである。「子供の最善の利益」の名の下に、児童の権利条約が認めている父母の教育権や養育責任が否定されれば、教育荒廃にますます拍車がかかることは火を見るより明らかである。

 最後に、5月17日の参議院法務委員会で嘉田由紀子議員(元滋賀県知事)が「離婚後の子供の養育の在り方」に関する法制審議会家族法部会が今夏に提出予定の中間試案は「親子関係を根底から覆す恐れがある」として、⑴性別による役割分担を固定化し、男女共同参画という時代のニーズに逆行、⑵EU議会の対日非難決議に見られるように国際的潮流に逆行、⑶児童の権利条約9条違反、⑷憲法第24条違反だと批判した。私も同趣旨の同試案の懸念事項を4月26日に提出しているが、紙面が尽きたので、これについては稿を改めたい。
(令和4年5月19日)

長谷川京子 離婚後に変わった2人の子どもの育児スタイル「シェアしていくっていう形で」

出典:令和4年5月18日 スポニチ

長谷川京子 離婚後に変わった2人の子どもの育児スタイル「シェアしていくっていう形で

 女優の長谷川京子(43)が17日放送のフジテレビ系「セブンルール」(火曜後11・00)に出演。離婚後の2人の子どもの育児について赤裸々に語った。
 長谷川は2008年、30歳の時にロックバンド「ポルノグラフィティ」のギタリスト、新藤晴一と結婚し、12歳の長男と9歳の長女をもうけるも、昨年10月、新藤と離婚。今年2月には23年間所属したレプロエンタテインメントとのマネジメント契約を終了し、フリーで活動している。

 番組では、独立後の2カ月半に密着。持ち歩くかばんからはなぜかテレビのリモコンが。「子どもが家にいるので、無制限でテレビを見てしまうので、子どもが自発的にテレビを見ずに宿題をやるのがゴールなんですよ。子ども同士のケンカみたいなところで、例えば引き出しの棚に隠していっても、絶対に見つけるから、持っていくしかないですよね」と母の顔をのぞかせた。

 これまでどんなに忙しくても大切にしてきた子どもたちとの時間。それも離婚で変わったそうで「パパとママで育てていきたいという意味では、1週間の中で(育児を)シェアしていくっていう形で今はやっています」と離婚後の育児スタイルを告白。「これも子どもがどんどん大きくなっていくので、親の言いなりにはもうならないから、“こうしたい”“ああしたい”っていう提案があったら、聞いていきたいと思う」とも明かした。

別居母親 事例3 引き離しの背後に義母がいる

出典:令和4年5月16日 note

別居母親 事例3 引き離しの背後に義母がいる

上篠まゆみ

別居母親や親子の引き離しの取材をしていて感じるのは、配偶者から子どもを引き離す人の背後に、ほぼ必ず義母の存在があるということだ。とくに夫の場合、夫本人というより義母が扇動していることが多いような気がする。そして、子育てを取り仕切る。
家庭のなかで「母」という立場は、ある種の権力だ。その権力をもう一度、取り戻したいのか。息子の子ども(孫)のうえに母として君臨したいのか。
実際、取材のなかで息子とその子ども(孫)を抱え込んだ義母が、自分のことを「ママ」と呼ばせているという話も聞いたことがある。

マサコさんのケースも、義母が大きな役回りをつとめている。

別居に夫も了承したのに…

マサコさん(仮名・46歳)は、13歳の息子の母親だ。夫と別居しひとり暮らしを始めて6年、子どもは父親の元にいる。子どもの世話は、同居の義母がしている。
マサコさんが望んだ形ではない。マサコさんは、子どもと一緒に暮らしたかった。しかし、夫と義母にそれを阻止された。
夫と義母、子どもが住んでいる家と土地は、マサコさんも半分の名義を持っている。にもかかわらず、出入りを禁止されており、子どもとも月1回4時間と決められた枠の中でしか会えないでいる。

マサコさんは看護師で、夫は薬品会社の営業マン。友だちを通して知り合い、結婚した。共働きをしながら出産。慌ただしくも充実した日々だった。
家を建てるときに、ひとり暮らしをしていた義母を引き取り、同居を始めた。このあたりから、夫婦の歯車が狂い始めた。
「家庭は夫婦2人で築いていくものなのに、夫は常に義母ありきでものを言う。共働きだから家事も育児も2人で分担したいのに、私が夫に頼んだことを夫は義母に丸投げしてしまう。それは違うんじゃないかな、ということが増えてきて。しまいには、家の中で大事なことも私抜きで、夫と義母が話をして決めるようになってしまいました」
マサコさんも気が弱いほうではないから、はっきりと夫に改善を求めた。「あなたは誰と生活していきたいの」。しかし、夫も頑固で、「態度を変える気はない」と言う。
「このまま生活していくのはしんどいなと思い、私は別居を提案したんです。夫も了承したので、実際にアパートの部屋を借り、子どもを連れて出ていきました。子どもが学校を変わりたくないと言うので同じ校区内、住んでいた家から10分足らずのところ。夫婦仲と親子関係は別物ですから、別居をしても子どもと父親の関係を切るつもりはありませんでした」
引っ越しは、子どもの学校の夏休み中にした。当時、子どもは7歳。マサコさんは看護師という専門職で、十分な収入を得ている。この先、離婚をして母子2人暮らしになっても、充分に暮らしていけると考えていた。
ところが。
別居開始からわずか2日後、夫はマサコさんに無断で、子どもを学童から連れ帰ってしまった。母子2人暮らしはここで終わった。

義母が子どもを家の中に軟禁

「私が子どもを連れて家を出ていくとき、夫はごくふつうに『じゃあ!』と話していたので、まさか子どもを連れて行ってしまうなんて思いもしませんでした」
夫は子どもを義母に預け、義母は親戚の家に逃げ込み、マサコさんが手出しできないようにした。
子どもといきなり引き離されて、マサコさんはどうしたらいいかまったく分からなかった。
ただ、相手方が『弁護士!裁判所!』としか言わないので困り果て、何件かの弁護士事務所に相談したが、「連れ去られ案件は勝てる見込みがないから難しい」と言われ、なかなか引き受け手が見つからない。焦燥感に駆られて過ごした。
「夏休みが終わるころには家に戻ってきましたが、一日中、義母が子どもを家の中に軟禁して一歩も家から出さないんです。子どもに会いたくて家に行ったら、義母が『助けてーっ! ママに殺されるー!』と叫び、窓に近寄ってきた子どもを2階に追い立てました。子どもは耳を塞いでいました。更に、警察まで呼び、警察には、『私は関係ない!』と叫ぶ始末。呼ばれた警察もただ立っているだけの、家と土地の所有者である私に、何も出来ず…の膠着状態…」
想像するだけでやりきれない光景である。
以降、マサコさんは、子どもの気持ちを考え、家に近づかなくなった。

子どもに会わせないのは復讐?

その後、ようやく引き受けてくれる弁護士が見つかり、子どもの監護者指定と引渡しを求めて家庭裁判所に調停を申し立てた。相手も弁護士を立てて応戦してきた。が、そもそも話し合う気がない夫との調停は、2年ほどかかったが、不成立に終わってしまう。
「夫は、私が頭がおかしくなって家を出ていった、精神科に行って病気を治したら話を聞いてやる、と言うんです。もともと自分のテリトリー内にいる人は可愛がるけど、それ以外の人は徹底的に排除する気質のある人でした。自分の言うことを聞かず家を出ていった私は、夫にとって敵なんでしょうね。私から子どもを取り上げることで復讐をしているつもりなんだと思いますし、自分は正しいので、やって当たり前なのだと信じているのだと思います…」

マサコさんは、とにかく子どもに会いたかった。それまで一緒に暮らしていたのにいきなり会えなくなって、自分も辛いが、子どもはどんな思いだろう。切なさに叫び出しそうになった。それでも、いつか子どもを引き取って一緒に暮らせる日が来るかもしれないと思うと、仕事は辞められない。
精神的にズタズタな状態で仕事に行くのは、過酷ではあるが、逆に救いでもあった。
「仕事に集中している間は、子どもと会えない苦しさを忘れていられました」
マサコさんが子どもに会わせてほしいと頼んでも、夫は無視。面会交流調停を申し立てたが、のらりくらりと交わされるばかり。その間にも、子どもと会えない時間が積み重なっていく。
マサコさんにできるのは、学校や保育園の行事にこまめに参加して、子どもの顔を見ることだけだった。子どもは困惑した顔を見せた。
「夫や義母が、ママが来ても無視するようにと言っているのだな、と思いました」

4年後にようやく月1回の面会が可能に

4年もかかってようやく高等裁判所の判断がつき、マサコさんは月1回4時間、子どもと会えることになった。あまりにわずかな時間だが、会えないよりはずっといい。ちなみに離婚はしていない。
「2年半の間、学校行事のほかは家庭裁判所での試行面会をしたり、弁護士2名が付き添っての面会交流だったり…。だから、誰も第三者がいない場所で子どもと会うのは本当に久しぶりでした。どうなるかとドキドキしていたら、子どもは来るなり弾丸トーク。『ママ、あれがね』『ママ、これがね』って。私を好きで、私を信頼している、私の子どもが変わらずそこにいました」
面会交流をめぐる調停や裁判で、夫が出してくる書面には「子どもは母親に会いたくないと言っている」などと書かれていた。別居するまでの親子関係は良好だったから、そんなはずはないと思っても、やはり凹むし、深く傷付く…。
子どもの気持ちがわからなくて疑心暗鬼になってしまい、正直、子どもを精神的に手放したら楽になるのかなと思ったこともありました。でも、子どもは私を信じてくれていた。これはもう、子どもとの関係を諦めずに頑張るしかないと思っています」

離婚後の共同親権、超党派議連が法相に要望 「親として当然の責務」

出典:令和4年4月22日 毎日新聞

離婚後の共同親権、超党派議連が法相に要望 「親として当然の責務」

 父母の離婚後の子の養育を巡り、超党派の「共同養育支援議員連盟」(会長・柴山昌彦元文部科学相)は22日、離婚後の共同親権を認める制度の導入を求める提言書を古川禎久法相に提出した。

 現行民法は、父母が離婚した場合、いずれかが親権者となる「単独親権」を採用する。法制審議会(法相の諮問機関)は現在、父母の離婚に伴う子の養育や親権のあり方について見直しの議論をしている。

 議連は提言で、離婚後も父母双方が子の養育に関わって責任を果たすことは「親としての当然の責務で、国際的潮流だ」と指摘。離婚の原因にDV(家庭内暴力)があるような例外的な場合を除いて、離婚後も共同親権・共同養育を認める検討を進めるよう訴えている。

 また、父母が離婚した子の健全な成長のためには、確実な養育費の支払いと安全・安心な親子交流の実施が「車の両輪のように不可欠」とし、両者のいずれかを優先するのではなく、足並みをそろえて検討を進めることも求めた。

 古川法相は「何よりも子の利益の観点が一番大事。政府全体で取り組んでいく大きな課題だ」と述べた。【山本将克】

「共同親権の導入検討を」超党派議連が提言、連れ去り助言の弁護士敗訴判決も追い風

出典:令和4年4月14日 SAKISIRU

「共同親権の導入検討を」超党派議連が提言、連れ去り助言の弁護士敗訴判決も追い風

マスコミ各社黙殺の異様、当事者ネット発信活発化

SAKISIRU編集部

夫婦間の対立や離婚に際し、片方の親の同意なしに子どもの連れ去りが相次いでいる問題は、捜査機関や司法の対応に変化が生まれ、政治レベルでも親権制度の見直しに向けた機運が着実に強まっている。

超党派の国会議員有志でつくる「共同養育支援議員連盟」は12日、親子交流の推進や共同親権の導入などを求める緊急提言をまとめた。近く政府に提出する。

離婚後の単独親権見直し提言

親権制度のあり方を巡っては、法務省の諮問機関、法制審議会の家族法制部会が昨年3月から検討を進めており、中間取りまとめが近く行われる見通しだ。議連も同部会と並行し、これまでに月1回のペースで総会を開催。今回の緊急提言はこのスケジュールを見越したもので、法制審に対しては「離婚後の共同養育が当然であることの認識の下、養育費の支払いと親子交流のいずれを優先するのではなく、両者足並みを揃えて少しでも早く検討を進め、 答申すること」と要望した。

さらに、3月下旬には親権のある男性が、子どもを連れ去った元妻を訴えた裁判で「異例の判決」が出たことにも言及。この民事訴訟では、元妻とともに訴えられた代理人弁護士に対しても違法な連れ出しを教唆したとして東京地裁が損害賠償を命じる判決が出ている。

これを受け、提言では以下のように共同親権制導入に向けた検討も要請した。

代理人弁護士の不法行為責任が認められた地裁判決も出るに至っていることも踏まえるならば、海外の制度を調査し、日本の諸制度と比較検討した上で、離婚後に単独親権制度しか認められない現行制度を早急に見直し、DV などの例外的な事象を除き、離婚後においても共同親権が認められる制度の導入についての検討を進めること

このほか「親子交流支援の実態調査や現行の支援事業の抜本的拡充に加え、親子交流を支援する民間の団体を所管する官庁を明確に定め、民間の親子交流支援機関の展開・充実に早急に取り組むこと」も必要だと主張している。

議連の2月の総会では、警察庁の担当者が同意のない片親の連れ去りについて「正当な理由のない限り未成年者略取罪に当たる」と明言したことが注目され(関連記事)、その後、正式な通達が全国の警察本部に周知された。

幹事長を務める牧原秀樹衆院議員は12日夜のツイッターで「新たな流れができつつあります」と手応えを述べた。

共同養育議員連盟にて決議書を採択。審議会における親子交流と養育費の並行議論の要請、共同親権導入の検討、親子交流促進支援が柱です。
親子断絶を唆した弁護士にも損害賠償命令が出た判決、未成年者略取誘拐罪に該当しうる警察の通知発出など新たな流れができつつあります。

維新の石井苗子参院議員は総会後、DVなどの「特別な配慮が必要な別離にも十二分な配慮を」という但し書きをしながらも、「悲しむ親子を減らすためにも、共同養育へと舵を切ることに躊躇してはいけません」と強調した。

共同親権に関する議連へ参加。
現在日本では単独親権しか認められておらず、離婚で引き裂かれる親子が多くいます。
悲しむ親子を減らすためにも、共同養育へと舵を切ることに躊躇してはいけません。
ただしDVで苦しむなど、特別な配慮が必要な別離にも十二分な配慮を。
選択的共同養育へ向けて。

議連会長の柴山昌彦元文科相は連れ去り被害者からの相談が続出し、心が痛むと綴った。ただ「政府への要請や立法が国会議員の仕事なので、この欄の記載などをご参考に是非弁護士に相談して下さい」と投稿し、当面の対策に役立ててもらう意向を示した。

(補足)多くの方から連日「子供が連れ去られましたがどうしたらいいでしょうか?」という個別相談を山ほどいただいています。深刻な案件ばかりで心が痛みますが、政府への要請や立法が国会議員の仕事なので、この欄の記載などをご参考に是非弁護士に相談して下さい。

圧力にビビる報道、当事者はネットで抗戦

「面会交流調停をやっても、相手側が虚偽の主張であっても、子どもとは会えない」。数年前に2歳と5歳の子どもを元妻に連れ去られたという男性は現在の裁判所の対応や制度面の限界に憤る。他方、この問題が新聞やテレビ局などの記者クラブメディアでほとんど報道されず、世間の関心が高まらないために事態が進展しないことにも不信感を募らせている。

実際、昨年もある大手メディアの言論サイトで連れ去り被害者側のインタビュー記事が掲載直後に削除された「事件」があったが、事情通によれば編集部に対し、猛烈な圧力がかかったと言われる。

それでも当事者はゲリラ的にSNSで積極的に想いを伝え続けている。柴山氏や牧原氏らのツイッター投稿に対し、連れ去り被害者と見られるアカウントから取り組みへの謝意とともに「将来の日本を背負うこどもの為に1日でも早く助けて下さい」などの要望が相次いだ。彼らは時に共同親権反対派の左派系アカウントとの論戦も辞さない。

日本が「国際的な子の奪取の民事面に関する条約」(ハーグ条約)に批准して10年近く。それでも単独親権制度を継続し、同意なき連れ去りが止まないことから、EU議会が日本に対し「子の連れ去りに関する国際的なルールを遵守していないように見受けられる」と決議するなど国際的な圧力もかかっている。反対派は、法制審の議論での巻き返しを図っているが、参院選に向けて当事者の尊厳をかけた政治闘争はさらに続きそうだ。

子を連れて別居、代理人の弁護士にも賠償命令 「違法な助言」

出典:令和4年3月30日 朝日新聞

子を連れて別居、代理人の弁護士にも賠償命令 「違法な助言」

 親権を持つ男性から2人の子どもを連れて別居したのは違法だとして、男性の元妻と、元妻に連れ出しを助言した代理人弁護士2人に110万円の損害賠償を命じる判決が東京地裁で25日にあった。市川多美子裁判長は「子どもを守るために必要だった」とする元妻側の主張を退けた。

 判決によると、原告である名古屋市の男性は2015年、長男(17)と次男(11)の親権者は男性と決めて元妻と協議離婚をした。男性と元妻はその後、子どもとともに再び名古屋市内で同居したが、元妻は16年に子どもを連れて別居した。弁護士は元妻に対し、連れ出すことに肯定的な助言をした。

■元妻側、精神的虐待があったと主張

 これに対し男性は、精神的苦痛を負ったとして元妻や弁護士らに1100万円の損害賠償を求めて訴訟を起こした。

 元妻側は裁判で、子どもを連れ出した理由について、男性による自分自身への精神的な虐待があったことに加えて、子どもにも虐待が及ぶ可能性があったと説明。離婚後も復縁を予定した内縁状態だったと主張し、「離婚前の共同親権の状態と同じで不法行為にあたらない」と訴えた。

 しかし判決は、男性を親権者と定めた離婚を「有効」と判断し、元妻が子どもを連れ出した時点の子どもの親権は男性にあったと認めた。そのうえで、親権のない元妻の行動について「子どもと不法に引き離されることがないという親権者の利益を侵害した。男性のもとに子どもを残すことが子どもの幸福に反するとは認められない」と結論付けた。

■「弁護士がアドバイスしづらくなる」

 さらに判決は、元妻の代理人弁護士2人が子どもの連れ出しを肯定したのは人身保護に関する過去の判決にそぐわず、「独自の見解に基づく違法な実力行使を(元妻に)助言した」として賠償責任を認定した。子どもの親権をめぐって代理人弁護士の賠償責任を認めたのは異例だ。

 判決で賠償を命じられた弁護士は取材に、「子どもが虐待の被害を受ける可能性がある場合、親権の有無にかかわらず子どもを連れて逃げたほうがいいというアドバイスを弁護士がしづらくなる。弁護活動の萎縮につながらないかが心配だ」と語った。(村上友里)

子どもの連れ去り、警察庁が都道府県警に「適切な対応に遺漏なきを期する」通達

出典:令和4年3月11日 SAKISIRU

子どもの連れ去り、警察庁が都道府県警に「適切な対応に遺漏なきを期する」通達 [#feec962e]

自民・柴山元文科相がツイッターで公表

夫婦間のトラブルにより、片方の親の同意なく子どもを連れ去って別居する行為が横行している問題で、警察庁刑事局が都道府県警本部に対し、「近年の国会でも取り上げられており、重大な被害に発展するおそれもある」として、連れ去られた側のパートナーから被害を届け出られた場合などに「適切な対応に遺漏なきを期する必要がある」と通達していたことが明らかになった。

通達は2月21日付。自民党の柴山昌彦元文科相が10日、ツイッターで通達内容を公表した。

警察庁から各都道府県警本部刑事部局に宛てた2月21日事務連絡の文書を入手しました。私がツィートしたとおり
①連れ去り
②連れ戻し
それぞれの訴えがあることを明示し、「この種事案については…被害の届出等への適切な対応に遺漏なきを期する必要がある」として参考に2つの判決理論を添付してます。
※Tweetについては、原文を参照ください。https://sakisiru.jp/22855

柴山氏は2月3日、会長を務める超党派の共同養育支援議員連盟の総会で、警察庁側から、一方の親による連れ去り行為が「正当な理由のない限り未成年者略取罪に当たる」と明言し、現場に徹底するとの意向を報告されていたことを明らかにしていた。この時は警察庁が従来より踏み込んだ姿勢を見せたことが注目されたが、共同親権導入の反対派や一部野党議員が警察庁の見解が本当だったのか疑義を示していた。

しかし、同連盟の3月8日の総会で、警察庁が各都道府県に対し、改めて連れ去り行為が犯罪の可能性があるとみて対応する姿勢を示し、都道府県警に通達したことを報告。この日公表された文書は一連の警察庁の変化の裏付けとなる。

「柴山発言」があって以降もネットでは、連れ去り被害の親などからは「警察に相談に行っても動いてくれない」などの訴えがしばしば見受けられたが、柴山氏は8日のツイートで「私から現場に徹底されていないのでないかと指摘したところ、被害受付担当に周知されるようにすること、また不十分な対応をされたことを含め、各都道府県警本部に相談電話窓口を添付のとおり設置する旨の答弁をいただいた」と報告。警察庁は同通達で、最高裁が過去の連れ去り事案で同罪で有罪判決を下した判例も参考に添えており、今後は捜査現場が周知した通りに動けるか問われることになる。

(承前)私から現場に徹底されていないのでないかと指摘したところ、被害受付担当に周知されるようにすること、また不十分な対応をされたことを含め、各都道府県警本部に相談電話窓口を添付のとおり設置する旨の答弁をいただいた。(続く)
※Tweetについては、原文を参照ください。https://sakisiru.jp/22855

子どもを連れ去った親は「未成年者略取誘拐罪」になる? 警察発表が広げた波紋

出典:令和4年3月9日 AERA

子どもを連れ去った親は「未成年者略取誘拐罪」になる? 警察発表が広げた波紋

筆者:上条まゆみ

「離婚話でもめていたある日、夫は5歳の子どもを自分の実家に無理やり連れて行ってしまいました。私が元夫の実家に行っても、ドアを開けてくれません。数カ月たった今も子どもに会えず、つらい思いをしています」

涙ながらに語るのは、神奈川県在住の長原映美さん(仮名・38歳)。

 夫の母親からの過干渉が原因で、夫婦仲が悪くなった。夫婦げんかになったある日、人格を否定されるような発言をされ、映美さんは思わず泣いてしまったという。そうすると、夫にいきなり警察を呼ばれた。夫は「妻は精神疾患で、今、暴れて子どもを殺そうとした」と、大うそをついた。

「それを信じた警察は、その場にいた夫の母親が私を羽交い締めにしている間に夫が車に子どもを乗せて出て行ってしまうのを、そのまま見ていました。私がどんなに『止めてください!』と言っても聞いてくれず、『数日して、あなたの気持ちが落ち着いたら帰ってくると言っているんだから、それを待ちましょう』と。私が『もし、夫と子どもが帰ってこなかったら、責任取ってくれますね?』と念を押したら、『大丈夫です』と言ったので、私はそれを信じたんです。でも、結局、夫も子どもも帰ってこなかった……」

 数日後、映美さんは警察を訪ねた。「帰ってこなかったら、責任を取ってくれる」と言ったからには、警察が夫を説得して、家に帰してくれると思ったからだ。

 映美さんが「夫も子どもも帰ってこない」と言うと、警察は驚いたようだった。そして、「あなたの夫の言葉を信じてしまったことは申し訳ない」としながらも、こう言った。

「民事不介入の原則があるので、残念ですが、あなたを助けることはできません」

 親子が同居している状態から、一方の親がもう1人の親の同意を得ずに子どもを連れて家を出ていく行為は後を絶たない。子どもや配偶者へのDVから逃れる緊急避難的な措置ではなく、映美さんのような夫婦げんかの延長で、そうした行為に及ぶ「子どもの連れ去り」は、ずっと問題視されてきた。連れ去られた親にしてみれば、子どもを誘拐されたような状態だが、警察は家庭内で起こった「民事」だとして積極的に動くことはない。

 一方、連れ去りの結果、別居している状態から子どもを「連れ戻す」行為は、刑法224条で規定される「未成年者略取誘拐罪」に当たるとされ、連れ戻そうとした親が警察に逮捕されることが多い。

 連れ去られた親は警察に訴えても何もしてくれないのに、子どもを連れ戻そうとすると逮捕される――こうした不条理な状況が常態化していたのだ。

 だが、ここにきてその状況が変わりつつある。

 2月4日、衆議院議員で、共同養育支援議員連盟の会長を務める柴山昌彦氏は、自身のツイッターでこう発信した。

<2月3日の共同養育支援議員連盟総会で政府と協議。片親による子の連れ去りについて警察庁はこれまで「法に基づき処理」一辺倒だったが、昨日ようやく、同居からの連れ去りか別居からの連れ戻しかを問わず、正当な理由がない限り未成年者略取誘拐罪にあたると明言。これを現場に徹底するとした>

 このツイートの重大なポイントは、警察庁が「同居からの連れ去りか別居からの連れ戻しかを問わず」「未成年者略取誘拐罪にあたると明言」したところにある。

 前述のように、これまで警察は、子どもの連れ去りについては「民事不介入」として、被害者の訴えを退けてきた。それが、柴山氏のツイートによれば、警察は今後、連れ去りであっても未成年者略取誘拐罪として扱う、というのだ。

 柴山氏のツイートに対しては、SNS上でもさまざまな意見が飛び交った。

 映美さんのように、配偶者に子どもを連れ去られた立場の人たちからは「連れ去りに対する大きな抑止力になる」と期待の声が上がった。

 逆に「これが現実になると、DVをされて子どもを連れて逃げた母親が罪に問われてしまう」という否定的な意見も少なくない。

 これに対し、柴山氏は次のように話す。

「DVについては『正当な理由』に当たりますので、DVをされて逃げた人が罪に問われることはありません。問題は、正当な理由がなく子どもを連れ去った人でも、それが罪に問われないばかりか、『監護の継続性』の原則によって連れ去りが正当化され、親権を獲得できてしまうということです」

 たとえば、映美さんのケースでも、子どもを連れ去られたままの状態で離婚になれば、子どもの親権はかなりの確率で連れ去った父親に渡るだろう。両親が親権を争う場合、家庭裁判所はその時点で子どもが居住している環境に特段問題がないと判断すれば、同居親に親権を認めることが多いからだ。これが「監護の継続性」と呼ばれ、親権を取るには子どもを連れ去ってでも同居すべきだと指南する弁護士もいたほどだ。

 これまでは、子どもを連れて家を出ていくのは圧倒的に母親が多く、世間の声もそれを前提としている。夫の暴力から命からがら逃げる母子は、たしかに法律で守られなければならない。しかし、目に入りやすい景色だけを見ていては、そこからこぼれ落ちた人の被害を見過ごすことになる。映美さんのように、母親であっても夫に子どもを連れ去られるケースも決して少なくないのだ。

「少なくとも、子連れ別居をしたら1カ月以内に調停の申し立てを義務づけ、保全処分などで急場の対応をしながら面会交流を進めるなど、親子が引き離されている状態を継続させないようにすべきです」(柴山氏)

 柴山氏が言うように、警察はこれから運用を改めるのだろうか。警察庁刑事局に「子どもの連れ去り」「連れ戻し」に対する見解と現場への周知について質問状を出すと、文書でこう回答した。

「子の連れ去り、連れ戻しについて、刑罰法令に触れるものがあれば、法と証拠に基づき適切に対処していきます」

「警察活動に資する情報等の都道府県警察への周知については、必要に応じ適宜適切に行っています」

 映美さんは淡い期待を込めてこう話す。

「もしかして、今、改めて訴えれば、警察は守ってくれるのでしょうか」

 子どもの連れ去りについて、警察は本腰を入れるのか。今後も注目したい。(上條まゆみ)

離婚が子どもに与える影響「親と子どもで違う喪失感」

出典:令和4年2月15日 CHANTO WEB

離婚が子どもに与える影響「親と子どもで違う喪失感」

3組に1組が離婚する時代。親の離婚を経験する子どもも少なくありません。親の離婚が子どもの心理に及ぼす影響について、臨床心理学者・野口康彦さんにお話を伺いました。

離婚よりも両親の不和がダメージは大きい

── 離婚したいと思っても、子どもへの影響を気にして踏みとどまる人は多いように思います。実際、親の離婚は子どもにどのような影響があるのでしょうか。

野口さん:
子どもにとって、両親の離婚はけっして不幸なできごとではありません。

インタビュー調査のなかで、ある青年が、「親が離婚して、うちは不和家庭じゃなくなった」と話してくれたことがあります。

子どもにとって、両親の紛争や葛藤といった不和状態は、大きなストレスになります。とくに思春期に両親の不和を目の当たりにすると、結婚に対するポジティブなイメージを持てなくなってしまうこともある。

親の離婚によって不和家庭から解放され、子どものストレスが軽減されるケースも多いんです。

離婚直後の子どものメンタル

── 離婚後に子どもと同居する親が、心がけるべきことはありますか。

野口さん:
離婚における親の体験と子の体験は違うということを忘れないでほしいです。たとえば、母親にとって元夫は離婚によって断ち切りたい相手かもしれませんが、子どもにとって父親は、離れていても愛着のある存在であり続ける場合があります。父親だけでなく、父方の祖父母との別れや、転居や転校による友達との別れも、子どもにとっては大きな喪失体験になります。

大人は新しい出会いを求めたり、ときにはうさばらしをすることもできますが、子どもはその喪失感を抱え込んでしまうことが多い。

また、住む家が狭くなったり、母親が仕事を始めたりと、環境も大きく変わりますから、離婚後に同居する親子は、関係の再構築をすることになります。

年齢にもよりますが、しっかりした子ほど、親の苦労を引き受けてしまう傾向がありますね。

ひとり親の子育てで大事なこと

── 離婚後子どもと暮らすのは、多くの場合、母親というのが実情です。母親は、子どもの父親と交流を持ち続けたほうがいいのでしょうか。

野口さん:
基本的には交流を持ったほうがいいと思います。

面会交流は養育費とセットになっているケースが多いこともあり、別れた父親と面会交流ができるような関係であるほうが、子どもにとっては望ましいといえますね。

DVなどが原因で離婚した元夫とどうしたら会わずに済むかと悩んでいる人も多いので、そうした場合はもちろん例外です。

── 離婚後も、子育ての面ではパートナーとして協力している人が増えている印象があります。

野口さん:
離婚する前から積極的に子育てに関わってきた父親が増えたことも理由のひとつでしょう。家庭裁判所の発表によれば、父親からの面会交流親権を求める相談は、2005年から2019年の十数年で3倍になっています。

とくに子どもの年齢が低いほど、その傾向が強いようです。

ただ、日本の民法は単独親権を定めているので、共同養育の責務はありません。

── ひとり親への支援制度も増えてきていますね。

野口さん:
ひとり親の子育てで、何よりたいせつなのは親がラクになることなんです。ツラいのに「だいじょうぶだよ」と言っても、子どもには伝わってしまいますから。

親自身が、経済的にも精神的にも支援してもらえて、楽しく過ごしていれば、子どもは安心して過ごせます。だからこそ、親へのサポートシステムは必要不可欠だと考えています。

たとえば兵庫県明石市では、離婚届を提出した人には、離婚後の生活相談に乗るシステムがあるそうですが、興味深い試みですね。このあたりはやはり行政が主導しないとなかなか変わらないのではないでしょうか。

PROFILE 野口康彦さん
茨城大学 人文社会学部 人間文化学科教授。スクールカウンセラーとしての実績を生かして、親の離婚・再婚を経験した子どもの心理を研究している。著書に『家族の心理 新しい家族のかたち』(共著、金剛出版)ほか。

「子どもの連れ去りは未成年者略取罪」 警察庁が明言、共同養育支援議連で 警察の現場対応、円滑化に期待

出典:令和4年2月5日 SAKISIRU

「子どもの連れ去りは未成年者略取罪」 警察庁が明言、共同養育支援議連で 警察の現場対応、円滑化に期待

牧野 佐千子 ジャーナリスト

親の離婚後の子どもの養育に関する問題の解消に取り組む超党派の共同養育支援議員連盟(柴山昌彦会長、三谷英弘事務局長)の総会が3日、東京・永田町の衆議院第2議員会館で開かれ、20名以上の議員が参加した。法務省、警察庁、最高裁、内閣府、厚労省、総務省、文科省、外務省の担当者が出席し、各省庁での取り組みを報告した。(これまでの議連については、アゴラ拙稿「共同養育・共同親権に向けて、超党派で動きが活発に」参照)

総会は非公開で行われたが、柴山会長は終了後、報道陣への説明で、「一方の親の子どもの連れ去りについて、これまで『法に基づき処理』の一辺倒だった警察庁が『正当な理由のない限り未成年者略取罪に当たる』と明言し、それを現場に徹底すると答えた」と会の成果を語った。

「連れ去り」現場の警察官が対応しやすく

日本は両親の離婚の際に、子どもの親権がどちらか一方の親のみに決められる単独親権制で、親権の獲得を有利に進めようと、一方の親の同意なく子どもを連れ去り別居する行為が横行している。これまでは、こうした「連れ去り」の行為については、刑法で有罪とした例は公刊物の中では見当たらないと最高裁は回答していた。ところが、連れ去られた側の親が連れ去られた子どもを「連れ戻す」場合には未成年者略取罪として逮捕される例も多く、アンバランスな状態が続いてきた。

「連れ去り」行為には、子どもも知らない第三者が介入して、まさに誘拐のように突然連れ去られる例などもあり問題となっているが、現場の警察署員もこれまでに判例もなく、「助けたくても手が出せない状況もあった」という声も届いていた。

しかし今回、警察庁が「未成年者略取罪に当たる」と踏み込んだことで、「連れ去り」に対する現場での警察の対応がしやすくなり、抑止力が働くようになるのではと期待が寄せられる。

(柴山氏のTwitterでも議連の報告がされている↓)

2月3日の共同養育支援議員連盟総会で政府と協議。片親による子の連れ去りについて警察庁はこれまで「法に基づき処理」一辺倒だったが、昨日ようやく、同居からの連れ去りか別居からの連れ戻しかを問わず、正当な理由がない限り未成年者略取誘拐罪にあたると明言。これを現場に徹底するとした。(続く)

日仏当局の協議も開催へ

議連ではほかにも、DV防止法の改正に伴い、「精神的DVの要件を明確にする必要がある」ことと「加害者とされた者の手続きの保障の必要性」の確認が度々なされたという。これについては、親子の面会交流を実現する全国ネットワーク(親子ネット)が、子どもを連れ去り、長期に及び子どもと引き離す行為も「精神的DV」と定義することを要望している。

また、子どもの連れ去り問題の日本政府の対応はEUからの非難決議など、国際社会からも批判を受けてきた。

(関連アゴラ拙稿「EUが日本非難!『子ども連れ去り』を止める法改正を」

先般、フランスの大使館員の子どもが「連れ去り」にあったことや、マクロン大統領からの要望があったことを踏まえ、外務省は近日中に日仏当局間で協議することになったと明かした。

法務省の法制審議会の家族法制部会(関連拙稿:「共同親権」導入も議論:離婚後の養育をめぐる課題解消に向け、上川法相が法制審に諮問)の会議が11回目まで終了しているが、同省の担当者は、次回から2巡目の検討に入り、今年中に中間とりまとめを行い、その後最終答申に入るといったスケジュールを表明したという。柴山会長は「意欲を示してもらったのは前進だと思う」と述べた。

柴山会長は、議連の働きかけに手ごたえを感じている様子で、「議連として今後、申し入れなど積極的に行っていく」と意欲を示していた。

ミツカン父子引き離し事件、「子どもを連れ去った者勝ち」の日本は、子供の権利条約違反だ

出典:令和4年1月15日 SAKISIRU

ミツカン父子引き離し事件、「子どもを連れ去った者勝ち」の日本は、子供の権利条約違反だ

牧野千佐子 ジャーナリスト

ミツカン創業家の「娘婿」中埜大輔さんが、「ミツカン社とその創業家によって、組織ぐるみで生まれたばかりの長男と引き離されたことは、国際法違反の児童虐待である」として、同社の会長・副会長夫妻を相手に損害賠償請求訴訟を起こしている。13日には東京地裁でその第1回口頭弁論が開かれ、その後大輔さん(被告との混乱防止のため以下「大輔さん」)と代理人の河合弘之弁護士が記者会見を行った。

親子引き離し」信じがたい“手口”

訴状などによると、ミツカングループは日本のほか、アメリカイギリスなど世界各地に支店や生産拠点をもつ大企業。江戸後期の1804年、初代中野又左衛門が創業して以来、中埜一族の「一子相伝」による支配的な経営がなされている。

同社の株式や同家の財産は、その「一子相伝」の中埜家の当主と次代の当主が保有しており、中埜家の当主が代々、ミツカンの代表者となってきた。そして、中埜家による経営・支配を次代以降の血族に引き継いでいくことを”至上命題” としているという。
大輔さんとミツカンの跡取りである妻・Sさん(会長・副会長夫妻の娘)は、2012年に知人を介して知り合い、2013年5月に婚姻届けを提出。大輔さんは外資系金融機関の仕事をしていたが、Sさんが跡取りであることから、“婿入り婚” をして、ミツカンに入社した。2014年6月には、大輔さんは長男を妊娠中のSさんと渡英、ミツカン英国支店での勤務となった。

同年、Sさんは無事に長男を出産。ところが生後4日、ロンドンに来た会長・副会長夫妻は、大輔さんの目の前に養子縁組の書類を広げ、産まれたばかりの長男を夫妻の養子にするよう迫ってきたという。大輔さんは「まだ(赤ちゃんの)名前も決まっていないのに、一晩考えさせてください」と答えた。それが夫妻の逆鱗に触れたのだという。

その時は、会長夫妻は大輔さんに対し、「養子縁組は税金対策のためであって、親子を引き離すための書類ではない」と言っていたが、裏ではその前から弁護士らと「親権を奪え」と合議していたのだという(録音データあり)。「子どもをだまし取ろうとしていたのが明らか」と大輔さんは憤る。

そこから大輔さんは、当時のロンドンの自宅から追い出され、大阪に配転させられるなど、社内の人事権も使った異常なまでの嫌がらせによって、親子・夫婦関係をともに引き裂かれた。会見では「息子と生き別れて3年、どこにいるのか、生きているかどうかもわからない」と明かした。

単独親権制の日本と共同親権制の英国

日本は、1994年に「子どもの権利条約」を批准しており、その第9条には「親と引き離されない権利」として、 子どもには、親と引き離されない権利があり、子どもにとって良い状況の場合は引き離されることも認められるものの、その場合は、親と会ったり連絡したりすることができると明記されている。

2017年、大輔さんは日本の家庭裁判所に、イギリスにいる息子との面会交流を申し立てたが、「半年に1回1時間、第三者の監視付きで」会うことができるとの判断が下された。単独親権制の日本の家庭裁判所では、非親権者である別居親の子供との面会は「月1回、3~4時間程度」が相場である。

離婚しても両親ともに子供の親権が持てる共同親権制のイギリスでも、同じ条件で裁判所に面会交流の申し立てを行った。すると、日本とイギリスの距離も考慮され「年に7回以上、宿泊を伴って会うことができる。テレビ電話を使って交流ができる。子供の学校のイベントなどにも参加できる」といった判断が下された。担当したイギリスの弁護士は、「もし仮に(大輔さんが)イギリスに移住すれば、隔週で週末に会える。バカンスの半分は一緒に過ごせる。子どもにとって両親はともに大事な存在だからです」と話していたという。

大輔さんは、「日本は子どもの権利を粗末にしている状況であると言わざるを得ない。先に連れ去った側が子どもを人質のように扱い、裁判などで交渉の材料に使うような状況。我が国は子どもの権利条約を守っていない状況であると言わざるを得ない」と嘆く。

イギリスでは、この「ミツカン父子引き離し事件」について大手タイムズ紙が報道するなどしており、フランス人の夫との間の子供を連れ去った日本人母にフランス当局が逮捕状が出した事件と同様(詳しくはこちら)、「子供の連れ去り」問題に対策を講じない日本に対して厳しい視線が注がれている。

大輔さんの裁判では、被告である会長・副会長側は「子供の引き離しは故意ではない。配転は正当な人事権の行使である」と主張している。

ミツカンの公式サイトには、初代又左衛門の「八か条の言置(いいおき)」が掲示されている。「夫婦は仲睦まじくせよ」「他人や召使いには無慈悲なことはけっしてしてはならぬ」…。初代又左衛門は、現・会長、副会長による夫婦・親子引き離しの所業を見れば、果たしてどう思うだろうか。

ミツカン社に聞いてみた

当事件についてミツカン社の担当窓口に聞いてみた。以下、一問一答。

Q:中野大輔さんの父子引き離しについて、社内ではどの程度共有されているのでしょう?また社としての見解はいかがでしょう?
A:その件につきましては、こちらからお答えすることはありません。

Q:ミツカンはポン酢など、「家族団らん」のイメージで売り出している商品が多いので、「親子引き離し」のイメージはまずいのでは?社内で(ブランドイメージの)対策はされていますか?
A:こちらからお答えすることはありません。

Q:係争中の案件だからということですよね。
A:そうですね。ただ、こういったご意見があったということにつきましては社内で共有させていただきます。

Q:お互いにとって良い結果になるように望んでいますので、頑張ってください、と言ったらおかしいですけど、頑張ってください。
A:ありがとうございます。

文字にしてしまうと冷たい対応にとられてしまうかもしれないが、とてもゆっくりと丁寧に答える担当者の口調に、言外の思いが滲んでいた気がした。

共同親権 日本に圧力 子連れ去り 外交問題化

出典:令和3年12月16日 読売新聞

記事PDF

 日本人との国際結婚などの破綻に伴い、子どもを不当に連れ去られたと訴える外国人が後を絶たない。子どもを一方の親に会わせない状態は、欧米主要国などで犯罪行為とみなされる。日本に法改正を求める外交問題にも発展している。(国際部 佐藤友紀)

※以下、記事参照

仏当局、日本人女性に逮捕状 フランス人の夫が「子供の連れ去り」訴え

出典:令和3年12月1日 BBC

仏当局、日本人女性に逮捕状 フランス人の夫が「子供の連れ去り」訴え

フランスの司法当局は、子供2人をフランス人の父親から引き離したとされる日本人の妻に対し、親による誘拐などの容疑で国際逮捕状を発行した。AFP通信が30日に報じた。

この事案は、結婚生活が破綻した場合の共同親権という概念がない日本において、「親による誘拐」をめぐる議論を再燃させた。

フランス人のヴァンサン・フィショ氏は、日本人の妻が3年前に2人の子供を連れて東京の自宅から姿を消して以来、子供に会えていないと訴えている。

フィショ氏は今年夏に東京オリンピックが開催される中、3週間のハンガーストライキを行い国際的注目を集めた。

日本の法律には、結婚生活が破綻した場合に夫婦が親権を共有することについての規定がない。

日本の当局は、一方の親が、もう一方の親と子供の接触を妨害しても見て見ぬふりしていると批判されている。人権団体の推計によると、日本では毎年約15万人の18歳未満の子供たちが親と強制的に引き離されているという。

フランス当局の逮捕状は、フィショ氏の妻が未成年者を危険にさらしたともしている。

フィショ氏の妻の弁護人はAFP通信に対し、「離婚手続きが進行中であり、法廷外で争うつもりはない」と述べた。

(英語記事 France issues warrant over Japan 'parental kidnap'

仏・日本人妻に逮捕状「子供連れ去った疑い」

出典:令和3年12月1日 TBSNEWS

仏・日本人妻に逮捕状「子供連れ去った疑い」

 フランス・パリの裁判所は、フランス人男性との結婚生活が破綻した日本人の妻が子供2人を男性に会わせないのは未成年者略取の疑いがあるとして、妻の逮捕状を出しました。

 東京に住むフランス人ヴァンサン・フィショさんは、日本人の妻との結婚生活が破綻し、妻が息子と娘を連れ去ったため、子供と3年以上会えていないと訴えています。フィショさんはおととし告訴、パリの裁判所は11月30日までに、未成年者略取容疑などで妻の逮捕状を出しました。2人は現在、日本で離婚手続き中だということです。

ヴァンサン・フィショさん
 「未成年者略取容疑で逮捕状が出ている母親に、裁判官が親権を与えるようなことがあれば、おかしいと思います」

 一方、妻の弁護士はAFP通信の取材に対し、「法廷外で争うつもりはない」と話したということです。

仏当局が日本人女性に逮捕状 フランス人の夫が子の「連れ去り」訴え

出典:令和3年12月1日 朝日新聞DIGITL

仏当局が日本人女性に逮捕状 フランス人の夫が子の「連れ去り」訴え
記事PDF

 フランス人の夫に子どもを会わせていないとして、フランスの司法当局が妻の日本人女性に対し、子どもを連れ去った疑いがあるなどとして逮捕状を出したことがわかった。30日、AFP通信が報じた。

 同通信によると、夫は日本に暮らすバンサン・フィショさん(39)で、2019年に仏当局に告訴していた。この夏には、東京五輪が開催されるのにあわせ、3週間のハンガーストライキを決行。6歳と4歳の子どもへの面会を求めている。逮捕状の発行で、女性がフランスに入国すれば、逮捕される恐れがある。

 AFP通信によると、フィショさんは女性が日本で逮捕されることを望んでいるわけではなく、日本の裁判所の離婚手続きで親権を決める際、逮捕状が妻に出ていることを考慮してもらうことを期待しているという。

 離婚後の子どもの養育をめぐっては、欧米では父母の双方が親権を持つ「共同親権」が主流だが、日本で父母のどちらかしか親権を持てない「単独親権」だ。国際結婚が破綻(はたん)して子どもを日本に連れ帰ることで、子どもを連れ去ったとして犯罪とみなされるケースも起きている。(パリ=疋田多揚)

仏裁判所が日本人女性に逮捕状…国際結婚が破綻、子供の面会許さない「連れ去り」容疑

出典:令和3年11月30日 読売新聞

仏裁判所が日本人女性に逮捕状…国際結婚が破綻、子供の面会許さない「連れ去り」容疑

  【パリ=山田真也】AFP通信は30日、フランスの裁判所が、日本に住んでいる仏男性と日本人の妻との結婚生活が破綻した後、妻が子供2人を連れ去って男性に面会させないのは略取容疑などにあたるとして、逮捕状を出したと報じた。

 仏男性は子供と会えない状況が続いているといい、2019年にフランスで刑事告訴していた。両親は離婚に向けた手続きを進めているという。

 日本では、父母双方が離婚後に親権を持つ「共同親権」が認められていない。日本人が国際結婚の破綻に伴い、相手の子供との面会を拒否することが、欧米などでは「連れ去り」として問題視されるケースがある。

日本人女性に逮捕状 「子連れ去り」容疑―仏

出典:令和3年11月30日 時事通信

日本人女性に逮捕状 「子連れ去り」容疑―仏

 【パリ時事】フランスの司法当局は、日本に住むフランス人のバンサン・フィショさん(39)の妻が、夫婦関係破綻後に子供を連れ去ってフィショさんに会わせないのは未成年略取容疑などに当たるとして、日本人の妻に逮捕状を出した。AFP通信が30日、報じた。
 AFPによると、フィショさんは息子(6)と娘(4)と3年以上会っておらず、連絡も取れない状況だという。フィショさんは2019年、パリで刑事告訴。20年末に捜査が開始された。
 妻の弁護士はAFPに対し、「離婚手続きが進行中であり、法廷外で争うつもりはない」と説明。逮捕状に関するコメントは避けた。

仏当局、日本女性に逮捕状 両国籍の子連れ去り容疑

出典:令和3年11月30日 東京新聞

仏当局、日本女性に逮捕状 両国籍の子連れ去り容疑」
記事PDF

 パリの裁判所は30日までに、東京在住のフランス人男性(39)と日本人の妻の結婚生活破綻後、妻が子どもたちを連れ去って男性に会わせないのは略取容疑などに当たるとして、妻の逮捕状を出した。関係者が明らかにした。日本人の片方の親が子を連れ去り、欧州連合(EU)市民の親に会わせないケースの多発は日欧間の主要外交問題だが、逮捕状発付は異例。

 事件は男性が2019年に告訴。連れ去られた長男(6)と長女(4)は日仏両国籍を持つため、フランス当局に捜査権限があるという。男性は警視庁にも立件するよう求めたが、妻が子どもを連れて別居するのは普通のことだとして退けられた。

仏当局、日本女性に逮捕状 両国籍の子連れ去り容疑

出典:令和3年11月30日 共同通信

仏当局、日本女性に逮捕状 両国籍の子連れ去り容疑」

 パリの裁判所は30日までに、東京在住のフランス人男性(39)と日本人の妻の結婚生活破綻後、妻が子どもたちを連れ去って男性に会わせないのは略取容疑などに当たるとして、妻の逮捕状を出した。関係者が明らかにした。日本人の片方の親が子を連れ去り、欧州連合(EU)市民の親に会わせないケースの多発は日欧間の主要外交問題だが、逮捕状発付は異例。

 事件は男性が2019年に告訴。連れ去られた長男(6)と長女(4)は日仏両国籍を持つため、フランス当局に捜査権限があるという。男性は警視庁にも立件するよう求めたが、妻が子どもを連れて別居するのは普通のことだとして退けられた。

「子供とって最適な形で」日本でも“共同親権”導入の是非検討…単独親権との違いと課題

出典:令和3年11月9日 FNNプライムオンライン

「子供とって最適な形で」日本でも“共同親権”導入の是非検討…単独親権との違いと課題

現在日本においても導入の是非が検討されている共同親権。

それは「子に対する親権を父母の双方が持っていること」又は「父母が共同し、合意に基づいて子に対し親権を行うこと」を指します。

一方、現在の日本で認められている単独親権は、離婚の際に父母のどちらかに親権を与える制度(民法819条1項)です。

日本の民法は時代の波に対応できていない

すでに共同親権制度は先進国のほとんどで採用されていますが、日本では、今のところ、離婚すると単独親権の一択しかなく、熾烈な親権争いが繰り広げられる原因となっています。

現在の民法はそもそも1896年(明治29年)に制定されたものであり、何度か改正はされたものの、いまだ女性が家事や育児をやるのは当然だという旧態依然の男女の役割分担の意識が強く反映されたままです。

つまり、少子化や共働き世帯の増加、父親の育児参加などの子供を取り巻く状況の変化や時代の波に対応しきれていないのです。

いまや、時代の風潮にあった法律の改正が必要であることは明らかであり、その大きな議題として、共同親権制度への移行が議論されているのです。

世界で認められている「共同親権制度」とは

ここで、共同親権について世界の情勢を見てみましょう。

法務省の調査によると、日本以外ではインド及びトルコが単独親権制度を採用していますが、その他多くの先進国は離婚後の共同親権も認めています。つまり先進国では、単独親権制度を採用しているのは日本くらいなのです。

運用は国ごとに差異があるものの、裁判所の判断等がない限り、原則として共同親権とする国(ドイツオーストラリア等)、父母の協議により単独親権とすることもできる国(カナダのブリティッシュコロンビア州、スペイン等)、父母のいずれもがそれぞれの親権を単独で行使できる国(イギリスのイングランド及びウェールズ、南アフリカ等)があります。

日本で繰り広げられる離婚時の「親権」をめぐる大変さ

単独親権を採用する日本では、夫と妻がともに親権を希望した場合は容易ではない道のりが待っています。

まず、日本では離婚時には必ず子供の親権を父母のどちらかに決めないと離婚することができません。したがって、父と母がともに親権を希望すると、“親権争い”をしなければなりません。

父母間の協議で話がつかない場合、裁判所に調停を申し立てることになりますが、調停も所詮は話し合いの場です。決着がつかない場合には、最終的に離婚訴訟までもつれこむことになります。お互いに相手が「親権者にふさわしくない」と言った激しい攻撃や相手からの攻撃に対する防御を繰り返した挙句、裁判所の判決により親権者が指定されることになります。

家庭裁判所の調査官が子供の養育環境を調査するため家庭訪問をしたり、関係各所に話を聞いたり、子供の意向を確認したりすることも必要となってきます。本格的に争った場合、1年以上の時間がかかることも珍しいことではありません。もちろん、弁護士を依頼した場合は少なからず弁護士費用もかかることになります。

また、判決が出て親権者がどちらかに決まったとしても、すべてがうまくいくわけではありません。訴訟で攻撃や防御を繰り返したことで、父母間の感情的な対立は非常に悪化しています。

親権を取った側は、子供の親権を争った相手には子供と面会交流させたくないと思いがちですし、子供と面会交流をさせてもらえない相手は、養育費なんて支払いたくないと思うことが多いです。

つまり、どちらが勝っても負けても、面会交流を実施してもらえなかったり、養育費を支払ってもらえないなど、お互いに禍根を残すことになってしまうのです。加えて、板挟みになった子供にも大きな精神的な負担がかかることは言うまでもありません。

共同親権の課題

2011年(平成23年)に民法が改正された際に、「親権は子供の利益のためのもの」であることが確認されました。

日本の法律で共同親権が採用された場合は、非親権者が子供の個人情報すら教えてもらえないといった現在の状況は大幅に改善されるでしょうし、父母ともに子供に対する責任感が生じてきやすいと思われます。

ただ、共同親権にも課題がないわけではありません。

おおよそ次の問題があるとされています。

1つ目は子供の教育方針です。父母の対立は根本的に緩和されず残存しています。そもそも離婚するくらいですからお互い相入れない意見を持っている可能性が高いため、子供をめぐる意思決定に時間がかかると思われます。特に、子供の教育方針について意見が対立した場合など、意思決定が遅れることで子供への悪影響も懸念されます。

2つ目はDVや児童虐待です。DVや児童虐待等の問題があった配偶者の場合、共同親権では離婚しても縁が切れず、関係が継続することになります。DVや児童虐待の問題の解決は難しく、共同親権制度を採用することで被害の継続・拡大が危惧されます。

3つ目は負担が子供にもかかることです。父母の共同親権のもと、子供が頻繁に父母の家を行き来するようになると、子供の負担が大きくなります。子供が父母の家のどちらが自分の家かわからなくなり、精神的な安心感を得られなくなることもあるでしょう。また父母間の家の移動に時間がかかるなど、子供の時間を奪うことにもなり、体力的にも精神的にも疲弊することが懸念されます。

今後、こうした課題を解決するためには、「子供の利益」という観点から、個別具体的に対応策を議論すべきだと思われます。共同親権を導入するか否かという法改正の是非のみならず、共同親権を採用したとして、どのように運営していくのかを行政機関の対応も含めて慎重に議論する必要があるでしょう。

2021年(令和3年)2月には上川陽子法相(当時)が法制審議会に諮問をしており、「共同親権を含む家族法制の見直し」については法制審が議論を開始しています。

日本で共同親権制度を導入するのか、導入するとしてどのような形で施行するのかについては、日本の家族制度のあり方自体を大きく変えることになります。共同親権制度を採用するのであれば、子供とって最適な形で実施することが望まれます。

特に、離婚原因がDVや児童虐待などであった場合は、被害を受けていた側は二度と接点を持ちたくないと考えるのは当然のことです。離婚後も積極的に自分の子供に関わっていきたいと「共同親権」を望む声もありますが、今後日本において共同親権制度を導入する際には、共同親権者として明らかにふさわしくないと客観的に判断されるような親については例外規定を設けることも慎重に検討する必要があるものと考えます。

後藤千絵
京都生まれ。大阪大学文学部卒業後、大手損害保険会社に入社するも、5年で退職。大手予備校での講師職を経て、30歳を過ぎてから法律の道に進むことを決意。派遣社員やアルバイトなどさまざまな職業に就きながら勉強を続け、2008年に弁護士になる。荒木法律事務所を経て、2017年にスタッフ全員が女性であるフェリーチェ法律事務所設立。離婚・DV・慰謝料・財産分与・親権・養育費・面会交流・相続問題など、家族の事案をもっとも得意とする。なかでも、離婚は女性を中心に、年間300件、のべ3,000人の相談に乗っている。

フェリーチェ法律事務所:https://felice-houritsu.jp/

DV不認定、面会指示も息子に会えず 小牧の男性「元妻が制度悪用」

出典:令和3年11月4日 中日新聞

DV不認定、面会指示も息子に会えず 小牧の男性「元妻が制度悪用」
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 ドメスティックバイオレンス(DV)被害者からの申請に基づき、元配偶者らへの住民票の写し交付などを自治体が制限できる「支援措置」。加害者が被害者を捜すのを防ぐ目的だが、裁判でDVが否定されても措置は解除されない。愛知県小牧市の自営業の男性(53)は、実の息子と十五年以上も会えておらず「制度が悪用されたらどうすることもできないのはおかしい」と訴える。 (水谷元海)
 男性は二〇〇五年、職場で知り合った元妻と結婚した。しかし元妻は翌年、一歳になったばかりの息子を連れて突然姿を消し、間もなく、弁護士を通じて調停を申し立てた。理由には身に覚えのない「暴力」とあった。
 息子の居場所を探ろうと、半年ほどしてから市役所に住民票の写しの交付を求めたが拒否された。「支援措置」で、住民基本台帳の閲覧が制限されていた。元妻が転居先の自治体に申請し、小牧市も情報共有して対応したとみられる。
 〇九年、元妻が離婚を求めて裁判を起こしたが、判決は「被告(男性)に身体的暴力などの有責行為は認められない」と訴えを棄却。さらに、元妻の側に不貞行為を認め、元妻が慰謝料を払う形で一九年に離婚が成立した。
 
続きは記事を参照ください。

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離婚後の「単独親権」規定 2審も憲法違反認めず 東京高裁

出典:令和3年10月28日 NHK

離婚後の「単独親権」規定 2審も憲法違反認めず 東京高裁

裁判で離婚が成立する際に、裁判所が父親か母親の一方を子どもの親権者と決める民法の規定が憲法違反かどうかが争われた裁判で、東京高等裁判所は憲法違反にはあたらないと判断し、親権を持てなかった父親の訴えを退けました。

離婚後に2人の子どもの親権を失った都内の50代の男性は、裁判で離婚が成立した場合に裁判所が父親か母親のどちらか一方を親権者と決める民法の「単独親権」の規定は法の下の平等などを定めた憲法に違反するとして国を訴えました。

28日の2審の判決で、東京高等裁判所の石井浩裁判長は、「規定は、子どもの世話や教育について適切に決められない事態を避けるために、裁判所がふさわしい方を親権者に指定するもので、子どもの利益を守るという立法目的から考えても合理的だ」と指摘しました。

そのうえで、「離婚後も両方の親が親権を持つ『共同親権』を認めるかどうかは国会の裁量に委ねる段階にとどまっていると言わざるを得ない」と述べ、いまの規定は憲法違反にはあたらないと判断し、1審に続いて男性の訴えを退けました。

親権のあり方など離婚後の子どもの養育をめぐっては法制審議会で法制度に関する議論が行われています。

米前駐日大使、日本の人質司法を批判 「ケリー被告を守る必要」

出典:令和3年10月21日 毎日新聞

米前駐日大使、日本の人質司法を批判 「ケリー被告を守る必要」

 米国のハガティ上院議員(前駐日大使)が20日の上院外交委員会の公聴会で、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)に問われている日産自動車元代表取締役のグレッグ・ケリー被告について「弁護人は無罪を確信している。不当な扱いを受けるケリー氏を守る必要がある。懸念は日本の閣僚レベルにも伝えてきた」と訴える一幕があった。
 ハガティ氏は、次期駐日大使に指名されたエマニュエル前シカゴ市長の公聴会で、刑事事件の容疑者や被告が長期間拘束されやすい日本の司法制度が「人質司法とも呼ばれ、時代遅れだ」と批判。日産前会長のカルロス・ゴーン被告が主導したとされる役員報酬の虚偽記載についても「仏ルノーとの統合への反対派によるクーデターだった」とのゴーン前会長側の主張を紹介し、「米国は日本への最大の投資国だ。米国の経営者たちが日本でのビジネスを再考し出すことを懸念している」と述べた。

 ケリー元代表取締役の事件への対応を求められたエマニュエル氏は「既に調べ始めている。大使として承認されれば、最優先事項にする」と述べた。ハガティ氏は南部テネシー州選出で、ケリー元代表取締役もテネシーに居住していたという。
 公聴会ではメネンデス外交委員長が、国境を越えた子の連れ去り防止を定めた「ハーグ条約」に関しても、日本の取り組みが不十分だと不満を表明した。エマニュエル氏は「条約は履行されるべきだ」と述べた。【ワシントン秋山信一】

共同親権「中部の会」100回目定例会を開催 名古屋

中日新聞名古屋本社から第100回定例会の取材を受け、10月13日(水)朝刊に掲載されました。
第100回定例会取材記事pdf

記事に関する意見、お子さまと交流出来ない現状、家族法制度の問題点など中日新聞までお寄せください。

メール送信先>
中日新聞社名古屋本社編集局 読者センター 宛
center@chunichi.co.jp

子を巡る裁判 親権・監護者 母親が9割 状況応じた判断課題

出典:令和3年10月13日 読売新聞

子を巡る裁判 親権・監護者 母親が9割 状況応じた判断課題

 夫婦が争った子を巡る裁判で、親権者・監護者を母親とする司法判断が大半を占めている。福岡市では育児に問題のなかった父親に対し、別居中の母親に子を引き渡すよう命じたケースもある。専門家は「裁判所には母親優先の考えが根強い」と指摘。社会状況の変化も踏まえ、法制審議会(法相の諮問機関)では親権のあり方などについて議論が進んでいる。

 司法統計によると、離婚時の家裁での調停や審判で2020年度、「親権者」を母親とした割合は93・8%。このうち、身の回りの世話や教育を行う「監護者」も母親としたのは99・8%にのぼる。00年度もそれぞれ89・9%、99・9%と、20年間にわたりほぼ同じ状況だ。

 かつては父親が外で働き、家事・育児を担う母親が子と長い時間を過ごすケースが多かったため、裁判所は離婚後も現状を変えないことが子の福祉にかなうと考え、母親寄りの判断を下してきた。ある元裁判官は「裁判所には『子は母に』の考え方が浸透していた」、別の元裁判官も「本来はケースに応じて判断するべきだが、そうではなかった恐れはある」と言う。

 厚生労働省によると育児に参加する父親は増えているとみられ、20年度の育児休業取得率は12・65%と過去最高になった。こうした中、法制審は今年3月から、離婚後の子の適切な養育を目的に、離婚制度の見直しなどを議論。法務省によるときっかけの一つは「親権者や監護者が母親に偏重している」との批判で、離婚後も父母双方が親権を持つ「共同親権」の導入などが検討課題となっている。

 立命館大の二宮周平教授(家族法)は「男性の育児参加が一般的である現在、父親が養育に関わっている場合は、親権の有無や親の性別にとらわれず、家庭環境や子の希望などに配慮したうえで、子の福祉にかなった判断をすべきだ」と指摘する。

◇問題ない父でも引き渡し命令

 福岡市のケースでは、父親(38)が今年3月、一緒に暮らす娘(7)を母親に引き渡すよう命じられた。

 娘を巡っては父親は監護者指定を、母親は引き渡しを求めて昨年11月、福岡家裁に裁判を起こした。

 家裁の認定では、夫婦は事実婚だった2014年に娘が生まれ、親権は母親が持った。父親は不仲から16年に家を出た。娘は父親宅に泊まる日数が増え、19年8月から父娘で暮らした。娘が通った保育園職員は「父親は育児熱心だった」と話す。

 一方、母親は前夫との間に生まれた長男、長女と暮らし、娘との関係に問題はなかった。昨年8月の長男の事故死後に体調を崩し、無職に。生活保護を受給し、心療内科に通院している。

 家裁は「父親の監護状況に問題はない」と認定したうえで「母親は日常生活におおむね問題はなく、娘を引き渡しても子の福祉に反しない」と判断した。福岡高裁も今年7月、同様の判断で父親の即時抗告を棄却。現在は最高裁で争われている。

夫が子供を「連れ去り」 面会交流でしか我が子に会えない母親の「月1回4時間の子育て」

出典:令和3年10月8日 デイリー新潮

夫が子供を「連れ去り」 面会交流でしか我が子に会えない母親の「月1回4時間の子育て」

 ある日突然、妻や夫が子供を連れて家を出て行ってしまう「実子連れ去り」。一方の親だけが家から締め出される「追い出し」も多発している。引き裂かれた親子は、どのように親子関係を維持していくべきなのか。日常的に子供に接する機会を奪われ、月1回4時間しか会うことしか許されなくなった母親の話を聞いた。(ライター・上條まゆみ)

 ***

思わず熱く語ってしまう

「お母さん、人気ユーチューバーのエッセイが欲しいんだけど」
「じゃあ、本屋さんに行こうか」

 ある土曜日の昼下がり、佐藤佳寿子さん(仮名・46歳)は、長男(14歳)と次男(11歳)を車に乗せて、郊外の大型書店に向かった。聞いたことがないユーチューバーの本を探して、店内をウロウロと歩き回る長男。漫画本のコーナーに張り付く、まだ幼い次男。

「本、なかった、もういいや」
「え、ちゃんと探したの?」

 あっさりと諦めてしまう長男が不甲斐なくて、佳寿子さんは店内の検索機に連れていった。彼が欲しかった本は簡単に見つかった。

「何でもすぐに諦めたらいけないよ。欲しいって言ったら、空から降ってくるわけじゃないんだよ。欲しいものは、自分の手で掴み取らないと!」

 思わず熱く語ってしまう自分がいた。

義母との同居から始まった夫婦関係の破綻

 一見すると、ごく普通の親子にありがちな日常の一コマだ。だが、佳寿子さんと子供たちにとって特別な時間である。今日は月に1回だけ許された面会交流日。彼女は月にたった4時間しか、我が子に向き合うことができないのだ。

 夫婦関係の破綻は、義母との同居がきっかけだった。義母の意向を優先して家のことを何でも決めてしまう夫。しまいには、佳寿子さん抜きで大事なことが二人で決められてしまうようになってしまった。改善を求めても一向に直そうとしない夫に勘忍袋が切れた佳寿子さんは、8年前に家の近くにアパートを借り、子供を連れて家を出た。あくまで一時的な措置だった。佳寿子さんは離婚することになっても、夫と子供を引き裂く気などなかった。

 だが、2日後、夫は強引に子供たちを連れ戻してしまう。そして、それからはいくら頼んでも、子供に会わせてくれなくなったのだ。最終的には家庭裁判所に訴え出たが、5年後、家裁が認めたのは、月1回、たった4時間の面会交流のみ。理不尽な状況に納得できていないが、現時点で佳寿子さんになす術はない。

親としてどうしても伝えたいこと

「わずかな時間の中で、母親として何を伝えられるかをいつも考えています」

 子供たちと会う日は、ファミリーレストランで食事をしながら話をしたり、一緒に買い物をしたりと、ありきたりな時間を過ごす。だが、その中で、佳寿子さんは意識して、生きていく上で大切だと思うことを真剣に語りかける時間を設けている。書店での一コマは、自分の力で人生を切り開いていってほしいという佳寿子さんの思いが溢れ出たシーンだった。

 長男が14歳になったときはこう諭した。「これからは悪いことをしたら刑事責任能力があると見なされ、処罰されるのよ。そういう年齢になったのよ。だから、自分の行動に責任をもつように」。

 コロナ禍で、長男の部活動の大会が軒並み中止となり、先輩が部活を辞めてしまったという話を聞いたときは、「たぶん来年も同じような状況だろうね。そのとき君はどんな選択をする? 自分がどんな気持ちで、どんな目的で部活を始めたのかよく考えてごらん」と、継続することの大切さを伝えた。

「学校に好きな子いるの? という話から、LGBTについて話し合ったこともあります。君が誰を好きになっても堂々とママのところに連れてきなさい、と言いました」

 次第に制限された子育てならではのメリットも感じられるようになってきた。一緒に暮らしていたら、互いに照れ臭かったり、反抗期で反発されたりして話しにくいようなことも、特別な時間だからこそ話しやすくなる。子供たちも素直に聞いてくれている。

子供に誇れる生き方をしたい

 母親として子供に誇れる生き方がしたいとも思い始めた。

「調停や裁判の情報を集めるためにネットで検索するうち、こんな理不尽な経験をしているのは私だけじゃないんだと知りました。そして、一方の親に子供を連れ去られたり、自分が家から追い出されたりして子供に会えなくなる背景には、法律やその運用の問題があることにも気づいた。そして、それは親が子供に会えなくて悲しいという以前に、子供の権利を損ねていることにも思い至りました」

 子供は、双方の親に愛されて育つ権利がある。それを一方の親が勝手に奪ってはいけないし、司法はそんな親の勝手を止めるべきだ。佳寿子さんは、まずはこの問題を広く世間に知ってもらうことから始めたいと考え、同じような境遇の仲間と一緒に市議会に陳情したりする啓蒙活動を始めた。

「少しでも社会を変えることができるなら。子供にも『ママ、頑張っているよ』と胸を張って会うことができると思って」

母親とは何なのか

 それでも、離れている時間の方が長いため、気持ちが落ちることもある。

「今はまだ子供たちも、月1回の面会交流を楽しみにしてくれている。でも、高校生、大学生になったらどうなるのだろう。私なんか死んでしまっても、子供は別になんとも思わないんだろうな、なんて悲観的な考えに襲われてしまうこともありました」

 体調を崩したことがあり、それを面会のときにポロッと言ったら、長男がボソッと「ママ、死なないでね」とこぼした。佳寿子さんはハッとした。

「そんな言葉が返ってくるとは思わなかったんです。子供の気持ちが信じきれなくて、すぐに疑心暗鬼になってしまう自分を反省しました」

 衣食住の世話という日常のふれあいなくして、母親として自信を持ち続けていくのはなかなか難しい。揺れ動く気持ちを必死で抑え込み、「大丈夫、子供を信じるんだよ」と自分に言い聞かせる日々。

「子供にとって母親って何なのかな。どう生きていけば、子供の母親であり続けられるのかな」

 これからも、この問いから逃げ出さずに向き合っていくつもりだ。

上條まゆみ(かみじょう・まゆみ)
ライター。東京都生まれ。大学卒業後、会社員を経てライターとして活動。教育・保育・女性のライフスタイル等、幅広いテーマでインタビューやルポを手がける。近年は、結婚・離婚・再婚・子育て等、家族の問題にフォーカス。現代ビジネスで『子どものいる離婚』、サイゾーウーマンで『2回目だからこそのしあわせ~わたしたちの再婚物語』を連載中。

デイリー新潮取材班編集

子の連れ去りで新法案準備 日本に厳しい措置も 米下院

出典:令和3年9月30日 時事通信社

子の連れ去りで新法案準備 日本に厳しい措置も 米下院

 【ワシントン時事】国際結婚破綻時の子供連れ去りに関する公聴会が29日、米下院外交委人権小委員会で開かれた。

 長年この問題に取り組むスミス共同委員長(共和党)は「日本は共同親権の概念を認識していない」と述べ、子供を取り戻すため日本に対し国務省が厳しい措置を取りやすくする新たな法案を準備していると明らかにした。

 公聴会に出席した米国人の父親は、連邦政府が適切な措置を取らない国に制裁を科す法律があるにもかかわらず、国務省は依然として制裁に踏み切らないと批判。日本政府についても「恥知らずな共謀者だ」と糾弾した。

親子の面会交流制限は「立法不作為」、国賠提訴

出典:令和3年9月28日 産経新聞

親子の面会交流制限は「立法不作為」、国賠提訴

離婚や別居を機に面会交流を制限された親子8人が28日、交流の権利が十分に保障されていないのは国の立法不作為で違法などとして、150万円の国家賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。原告側によると、埼玉や栃木、千葉県などでも同種訴訟が提訴されるという。

日本が平成6年に批准した「子どもの権利条約」では、虐待などのケースを除き「児童が父母の意思に反して父母から分離されないことを確保する」と規定されている。

訴状によると、単独親権制度を採用する日本では、夫婦の別居後に子供と一緒に暮らす親が親権者とされるケースが多く、一方の親が無断で子供を連れ去る「連れ去り行為」が頻発。別居親の監護権や子供と交流する権利が侵害されている現状は同条約や憲法に違反している、と主張する。

提訴後に東京都内で会見した原告の女性(40)は「月に3時間ほどしか子供と会えず、母親として生きる権利を失った。私のような親が増えてほしくない」。原告の一人で、7月に都内でハンガーストライキを行ったフランス国籍のヴィンセント・フィショさん(39)は「今は子供がどこにいるのか、何もわからない。子供が一番かわいそうだ」と訴えた。

共同親権に向けて:国賠の原告とハンストのフランス人男性ら院内集会

出典:令和3年9月14日 SAKISIRU

共同親権に向けて:国賠の原告とハンストのフランス人男性ら院内集会

「明らかに日本社会のシステム、社会の問題」

牧野 佐千子 ジャーナリスト

離婚後の単独親権によって自分の子どもに会えない別居親らが構成する市民団体「共同親権運動・国家賠償請求訴訟を進める会」は14日、東京・永田町の衆議院議員会館で院内集会を開き、関連する国賠訴訟の進捗報告等を行った。問題を訴えるために7月に東京都の千駄ヶ谷駅前でハンガーストライキを行ったフランス人男性、ヴァンサン・フィショさんもパネリストとして参加(ハンストについてはこちら)。ハンストの報告やEUで採択された非難決議の現状報告などを行った。

集会でははじめに、「『パパかママか』の単独親権制度は時代にあっていない」として共同親権を求め、国を相手どって係争中の国賠訴訟の進捗状況を報告。弁護団の一人、古賀礼子弁護士は、これまでは被告の国からの具体的な回答がなかったが、今回、親権については「両性の本質的平等」のもと、子どものことを「慎重熟慮のうえに判断する」との文言を使った回答があり、「裁判所も真剣に審議してくれているなと手ごたえを感じている」と語った。

単独親権の問題について取り組む嘉田由紀子参議院議員も集会に参加。「戦後憲法が改正された時に、両性の本質的平等の観点から半年間ほど共同親権を正規の方針にしていた時期があった。現在詳細を調べているところで、進捗をまた報告したい」と話し、離婚の際に子どもを連れ去る行為が、刑法224条の未成年者誘拐略取の対象になるとの答弁が、上川陽子法務大臣からあったことについても報告。その保護法益は「子どもの自由と片方の親の監護権」であると、国会での進捗状況を語った。

また、串田誠一・衆議院議員は「通常国会で諮問になったが、まだまだ共同親権は具体化はされていない。国会議員の一人として本当に申し訳ないと思っている。子どもに会えない祖母の方からも相談受け、この問題は当事者にかかわらず、おじいしゃん、おばあちゃん、いとこまで、一方の親に関わる人間関係がすべて断絶されるとんでもない問題。そのような断絶のない国にしましょう」と訴えた。

ハンストの現場に多くの母親が

続いて、ハンストを行ったヴィンセント・フィショさんが、「この問題について闘う親は、自分たちのためではなく子どもたちのために戦っている」と今回の行動の趣旨について説明。「ハンストの間、たくさんのことを学んだ。多くの(単独親権制によって子どもと会えなくなった当事者の)母親がハンストの現場である千駄ヶ谷駅に来てくれた。あれほどたくさんのお母さんたちも、連れ去りに遭っているとは知らなかった。国内でも被害に遭っている人の数は驚くべきものだ。それなのに最高裁も議会も政府も、『個人的な問題』と言っている。これは明らかに日本社会のシステム、社会の問題だ」と訴えた。

日本の家族法制度の改革について日本政府に長年働きかけてきたフランスの国会議員で、在外フランス人議会議員のティエリ・コンシニさんは、この1年間のEUでの動きを説明。EU議会からの決議案について、ほぼ全議員の賛成票があったことや、フランスのマクロン大統領が東京オリンピック開幕に合わせて来日した際に菅首相と会談し、子どもの権利について話し合いを続けていくとの共同声明を出したことについて報告した。

コンシニ氏は、今後、欧州と日本のフェミニストを招いて子どもの権利のための制度について議論することも検討しているとし、「これからも話し合いの場を作って、一日も早く日本で共同親権が実現するよう戦っていきます」と決意を述べた。

子の連れ去りトラブル相次ぐ 妻がDV口実に支援制度“利用” 対応巡り行政提訴の事態も 背景に「単独親権」

出典:令和3年9月8日 上毛新聞社

子の連れ去りトラブル相次ぐ 妻がDV口実に支援制度“利用” 対応巡り行政提訴の事態も 背景に「単独親権」

 夫婦間の不和などを背景に、配偶者のどちらかが一方的に子どもを連れて別居する「子の連れ去り」を巡るトラブルが、全国で相次いでいる。引き離された側が親権を得るハードルは高いとされ、「連れ去り勝ち」との指摘も上がる。ドメスティックバイオレンス(DV)の支援制度が、本来の趣旨から外れて連れ去りの口実に利用されているとして、当事者が群馬県内の自治体を提訴する事態も起きている。(真下達也)

 埼玉県の40代男性は、小学生の子ども3人と2年余り会えていない。2019年8月、妻が子どもを連れて自宅を出て行った。当初は実家のある前橋市で数日過ごすだけだと思っていたが、音信不通が続き、実家を訪ねても「知らない」と門前払いされた。警察には捜索願を受け付けてもらえず、「何が起きているのか分からなかった」。

 埼玉県の40代男性は、小学生の子ども3人と2年余り会えていない。2019年8月、妻が子どもを連れて自宅を出て行った。当初は実家のある前橋市で数日過ごすだけだと思っていたが、音信不通が続き、実家を訪ねても「知らない」と門前払いされた。警察には捜索願を受け付けてもらえず、「何が起きているのか分からなかった」。

 経緯は徐々に明らかになった。男性によると、妻は実母の勧めで、「夫がDVや、子どもへの虐待をしている」と同市に相談。市はDV防止法に基づく措置として被害保護証明書を作成し、警察への相談を促したり、民間シェルターに一時保護したりしたという。

 これに対し男性は、夫婦関係は悪化していたものの「妻の訴えは虚偽」と主張する。相談に適切に対応すべき注意義務に違反したなどとして、市に300万円の損害賠償を求め5月、前橋地裁へ提訴した。

 男性は「市への相談をきっかけに、半ば自動的に子どもとも引き離されてしまった。最も被害を受けているのは子ども」と強調する。8月25日に開かれた第1回口頭弁論で、市側は請求棄却を求め、争う姿勢を示した。

 子どもを巡る係争は増加し、2020年度に前橋家裁(支部を含む)が受理した子の引き渡しに関する審判の申し立ては、過去10年で最多の66件(速報値)に上った。男性のように「子の連れ去り」被害を訴える声は全国で相次ぎ、名乗り出る著名人もいる。

 「子どものための共同養育支援法をつくる会」の猪熊篤史代表(渋川市)は、離婚すると一方の親だけが親権を持つ民法の「単独親権制度」が、トラブル増加の背景にあると指摘。離婚後も子どもに父母との交流を認める法整備を求める。「DV被害を主張することや、配偶者に子どもを会わせないことが、離婚を有利に進める戦術として成り立っている面がある」とし、行政は相談内容を慎重に確かめる必要があるとした。

一方、DVに関しては当事者同士の主張が食い違うケースがほとんどのため、相談を受けた行政はDV対応を優先せざるを得ないとの指摘もある。県内のあるDV被害者支援団体は「被害に遭ったかは、被害者の認識に基づいて判断されるのが大前提。今の運用を見直すべきではない」と主張する。

海外は「共同親権」主流

 法務省が昨年4月に公表した親権に関する24カ国の調査によると、日本と同様に、離婚後は父母の一方を親権者と定める単独親権のみを認める国はインドとトルコだけで、欧米などは共同親権を導入していた。

 子の連れ去りは国際問題になっている面もある。欧州連合(EU)の議会は国際結婚が破綻した場合などに、日本人の親が国内で子どもを一方的に連れ去ることを禁じるよう日本政府に求める決議案を採択している。

 単独親権制度により親子関係が断絶したとして、群馬県在住の男性を含む6人が同年10月、東京地裁に国家賠償請求訴訟を提訴。共同親権制度を認めるよう民法改正を求めている。国の法制審議会は今年2月から、共同親権制度の是非を含め、離婚や関連制度の在り方を議論している。

離婚後の子育てについて考える。日米でこんなに違う親権制度

出典:令和3年9月7日 NewsCrunch

離婚後の子育てについて考える。日米でこんなに違う親権制度

実子誘拐

親による「子どもの連れ去り」問題。日本とアメリカでの親権制度の違いを、メディアでの歯に衣着せぬコメントでお馴染み、弁護士でもあるケント・ギルバート氏が解説。

夫婦間でのいざこざが原因で、一方の親が無断で子どもを連れて行方をくらましたり、実家に帰って連絡を遮断する親による「子どもの連れ去り」問題。そもそも海外では犯罪となってしまう親による「子どもの連れ去り」が、日本で行われる背景には、日本とアメリカでの親権制度の違いが少なからず影響を与えているという。メディアでの歯に衣着せぬコメントでお馴染み、弁護士でもあるケント・ギルバート氏が解説する。

※本記事は、はすみとしこ:編著『実子誘拐 -「子どもの連れ去り問題」日本は世界から拉致大国と呼ばれている-』(ワニ・プラス:刊)より一部を抜粋編集したものです。

海外から厳しい目を向けられている日本

国際結婚や国際離婚も増えた今日、子どもの連れ去り問題について、日本は世界中から厳しい目を向けられています。すでに海外メディアは、この問題を大きく取り上げています。

フランスのマクロン大統領までもが、この日本の親による「子どもの連れ去り問題」に不快感を表しました。にも関わらず、日本人の多くが問題の深刻さを理解していません。それどころか、その存在さえも知らない人がたくさんいます。不思議なことに、日本のメディアは、この問題を大きく取り上げません。国会でも、救済法の議論がずっと足踏みしています。

こうした状況に、子どもと会えない多くの親が不安と不満を募らせています。この問題が抜本的な解決に向かわない理由の1つに、DV(ドメスティック バイオレンス = 家庭内暴力)の問題があります。

つまり、一方の親による「子どもの連れ去り」を禁止すれば、DV被害者が子どもを連れて加害者から逃げることができなくなってしまうではないか、という反対意見があるのです。たしかにDVに苦しむ人も多くいます。そうした方々を強力に救済する必要はあります。

しかし、一方で「子どもの連れ去り」問題の多くのケースにおいて「虚偽DV申告」という事態が発生しているのもまた事実です。自らの子どもの連れ去りの正当化のため、DV被害者であると嘘の申告をするのです。こうした場合、連れ去られた親は、いわば虚偽DV被害者という立場に追いやられます。DV被害者の救済と同時に「虚偽DV被害者」もまた救済されるべきなのです。

どちらか一方に偏ることなく、どちらも救済しうるよう、国は勇気と知恵を絞って対策を講じるべきです。それこそが、最大の被害者となる子どもの救済に資する唯一の道です。

今日、子育ては男女が協力すべきとの認識が高まっています。3組に1組が離婚をする離婚大国となった日本。これほどまでに離婚が当たり前となった社会において、離婚後の子育ての「男女共同参画」は強い社会的要請です。

にも関わらず「子どもの連れ去り」という蛮行が、未だに横行している事実は看過できません。この事実は、私達が子どもを所有物のように扱ってきた証拠なのではないでしょうか。私たちは今一度、子どもの幸せについて深く考えてみる必要があると考えます。

日本は「単独親権」、米国は「共同親権」

私は米国カリフォルニア州の弁護士でもあり、日本に長年住んでいる米国人として、米国での離婚後の親権の問題に関して少し記しておこうと思います。 日本では、この連れ去り問題の当事者や団体の多くが「共同親権」にすれば、日本の子どもの連れ去り問題が解決すると考えているようです。

しかし、これは大きな誤解に基づいていると言わざるを得ません。 日本では離婚後の子どもの親権に関しては「単独親権」(父親か母親の一方が親権を持つ)なのですが、米国では「共同親権」といい、離婚後も両親が親権を持ちます。

この問題は複雑で、米国での例をそのまま日本に当てはめれば解決するのかと言えば、国の生い立ちや文化などの違いを考えたときに、解決策になり得るとは思えませんが、“参考にはなる”とは思っています。

子どもの連れ去り問題での犠牲者は誰なのか? ですが、まず一番の影響を受けるのが、 連れ去られた「子どもたち」です。今まで毎日、仲良く遊んでもらったり、さまざまな事を教えてもらったり、面倒を見てもらっていた片方の親から、もう一方の親のエゴによって強制的に引き離されるわけです。

そして、このことによって、子どもの精神状態は大変不安定になります。なかには、そのことだけで、精神疾患に陥った子どもたちも少なくありません。登校拒否をしたり、薬物に手を染めたりするのも、片親の子どもの場合が多いのは、各調査でも明らかになっています。

もう1人の被害者は、連れ去られた側の親です。 ある日突然、配偶者と子どもが消えてしまいます。その背後には「婦人相談所」などの機関が関わっているという話もあります。

その連れ去られた親も、仕事が手につかずに精神疾患に陥ったり、自殺したりと悲惨な状況にあります。何ヶ月も、何年もかけて子どもの居場所を見つけて、取り戻しに行って逮捕された親も多くいます。驚くことに、連れ去られた被害者には、裁判官や弁護士もいるということです。

共同親権は権利であると同時に義務でもある

米国では離婚後、どのような制度になっているのかを簡単に説明します。州によって若干の違いはありますが、ここでは、カリフォルニア州の場合に限定してご説明いたします。米国では離婚後は「共同親権」の制度を採っています。

米国が「共同親権」だから、日本でもそうするべきだというのではありません。日本と米国では、国そのものの生い立ちも違います。日本人が考える方法が日本には最善と考えますので、私の話は参考程度にしていただきたいと思います。

「共同親権」は、米国では“Shared Parental Authority” (シェアード・ペアレンタル・オーソリティ) と言います。この他に「共同養育」を “Shared Parental Custody” (シェアード・ペアレンタル・カス ティディ)と言います。

離婚後でも、双方が親権を持つわけですが、この親権は「権利」だけではなく「義務」も付随します。子どもが成人になるまでは、その監護義務があります。そして、その費用に関しても、双方の収入の合計を半分にして、収入の多いほうが少ないほうに基準に沿った差額を支払う義務があります。

この義務を怠ると、給料の差し押さえ・ローンを組めない・公務員になれない・公の仕事を受けられない、・自動車運転免許証を持てない。自動車を購入できないなど、さまざまな制裁があります。 しかし同時に、子どもに会う時間も、お互いの親が最大限に努力し、多くの時間を子どもと過ごせるようにする義務があります。これを怠ると、ともすれば、児童虐待になる場合もあります。円満な婚姻関係の解消であれば、当然、これらの問題は起きません。

しかし、片方の浮気が原因や、その他の原因で夫婦が憎しみあった場合には、子どもを盾にした訴訟合戦に発展します。米国の訴訟には多額の弁護士費用が必要になります。この多額の弁護士費用が、ある意味、訴訟への進展を思いとどまらせる効果がある場合もありますが、逆に相手を脅す材料にも使われます(ここは日本には当てはまらない部分です)。

金銭的に余裕がない側は、訴訟になることを避けるために相手の出す条件を泣く泣く飲まなければならない場合もあります。訴訟になる原因の多くは、お互いが同等に持っている「親権」を理由に争いますので、ある意味、決着が付かない長期戦になり、双方が大金を投じて消耗し、子どもがその影響を大きく受けて、貧困に陥ったりするのです。

この親権の問題は、日本では子どもが成人する20歳までの問題です。逆に言えば、20歳までは、自分たちの意思で結婚し子どもを作った親としての責任を感じ、子どもが成人するまでは我慢するというのが、日本だけではなく世界の親が行うべきことだと私は思います。

実子誘拐を黙殺する日本のメディア|上條まゆみ

出典:令和3年8月27日 月刊Hanadaプラス

実子誘拐を黙殺する日本のメディア|上條まゆみ [#jb133de5]

「私の子供たちは日本で誘拐されています」。メダルラッシュに沸いた東京オリンピックの陰で、命がけのハンストを行っていたフランス人男性、ヴィンセント・フィショ氏。BBCをはじめ、海外メディアが続々とこの問題を報道するなか、日本のメディアは「報道しない自由」を行使。日本の司法は腐っているが、日本のメディアも腐っている――。

私の子どもたちが日本で誘拐された

日本在住のフランス人男性、ヴィンセント・フィショ氏は、2021年7月10日から30日まで21日間にわたり、オリンピックスタジアム近くのJR千駄ヶ谷の駅前でハンガーストライキを行った。

ヴィンセント氏が命を賭けて訴えたのは、妻に連れ去られた子どもとの再会である。ヴィンセント氏によると、彼の妻は2018年8月、彼に無断で、当時3歳と1歳の子どもを連れて家を出て行った。

ヴィンセント氏が来日したのは15年前、24歳のとき。金融機関の駐在員として東京にやってきて、同い年の日本人女性と知り合った。意気投合して結婚し、2015年には長男が誕生。ヴィンセント氏が公開しているHPによれば、出産後、妻は家事や育児を放棄するようになり、夫婦仲が悪くなった。その後、妻はヴィンセント氏に無断で、不妊治療の際に冷凍保存してあった精子を利用して2人目を出産。ヴィンセント氏は妻に離婚をもちかけたが、妻は拒否した。

そんなある日、ヴィンセント氏が仕事から帰ると、家の中はもぬけのから。家財道具も車も、妻子の姿も消えていた。

「警察に行き、子どもの誘拐を訴えましたが、何の協力も得られませんでした。それどころか、私が子どもを連れ戻そうとすれば、誘拐罪で逮捕するとまで言われてしまいました。弁護士にも相談しましたが、いったん連れ去られてしまえば子どもに会えなくなってしまうのが日本の現実だ、と……」

その後、ヴィンセント氏の弁護士と妻側の弁護士が協議した。「子どもに会わせてほしい」という彼の訴えに、妻側の弁護士は「自身のDVを認めれば会わせるが、認めなければ会わせない」と言ってきた。

ヴィンセント氏は、DVなどしていない。だから、DVを認めなかった。実際、その後の調停でヴィンセント氏のDVはなかったとされ、妻側も主張を撤回している。

調停では、子どもの監護者指定をめぐる話し合いがもたれた。連れ去りによって妻が子どもの監護を行っている現状があることから、「継続性の原則」が適用され、子どもの監護者は妻に指定された。妻はヴィンセント氏に子どもを会わせることを拒否しており、司法もそれを許している。現在は離婚裁判中である。

今日までおよそ3年間、ヴィンセント氏は子どもに会えていない。

実子誘拐を容認する日本の司法

なぜヴィンセント氏は子どもに会えないのか。

家事事件にくわしい栗原務弁護士は、
「その背景には、日本における法制度の不備と裁判所の不適切な運用実務がある」と言う。

日本は、離婚をした際に片方の親だけが親権をもつ単独親権制度を採用している。しかし、離婚後、どちらの親が親権を得るのかについての基準は法制化されていない。また、離婚前に子どもの監護者の指定が問題となる場合も、どちらの親を監護者として指定すべきかについての基準は法制化されていない。

その法の不備を裁判所の裁量的判断が埋めているが、裁判所における親権者または監護者の判定においては「現在、どちらの親が子どもと暮らしているか」という点が重視され、子どもが片親と暮らさなくなった経緯(同意に基づく別居か、連れ去りによる別居か等)の当否や、子どもと暮らしている親の都合により他方の親と子どもの関係が断絶されていることの当否等が軽視されている。

つまり、先に子どもを連れ去り、子どもを引き離した側が有利となる。

そもそも、片方の親の同意なく一方的に子どもを連れ去る行為は未成年者誘拐罪にあたる。しかし、なぜかそれは不問に付され、連れ去られた子どもを連れ戻す行為は未成年者誘拐罪として逮捕されてしまう。

子どもと引き離された親が、子どもと交流し続けることを担保する手続きがないという問題もある。裁判所が面会交流を認めても、強制力がないため、引き離されている親と子どもは子どもと同居している親の都合により簡単に断絶される。

「結婚生活で揉めて、妻が『実家に帰らせていただきます』と子どもを連れて出て行ってしまうのは、日本では昔からよくあることだった。出て行かれる側は相当ひどいことをしたんじゃないの、それならまあ仕方がないよね、といったような偏見が未だ根強い。しかし、一方の親が他方の親の同意なく子どもを連れて家を出ていくことは、未成年者誘拐罪にあたる。それにもかかわらず、警察も弁護士も裁判官も調査官までもが、原則論を無視し、また、例外的に正当化される事由の有無を一切検討することなく、法的な正当化根拠を曖昧にしたまま、連れ去りや親子の引き離しを容認しているんです」(栗原弁護士)

日本は子どもの拉致国家

親子が片方の親によって一方的に引き離されている状態は、子どもの権利を侵害している。1989年に国連総会で採択され、1990年に国際条約として発効した「児童の権利条約(子どもの権利条約)」に、日本は1994年に批准しているが、その9条1項には「児童がその父母の意思に反してその父母から分離されないことを確保する」と定められている。

また、9条3項は「児童の最善の利益に反する場合を除くほか、父母の一方又は双方から分離されている児童が定期的に父母のいずれとも人的な関係及び直接の接触を維持する権利を尊重する」と定めている。子どもの連れ去り、そしてその後の親子の断絶は、明らかに国際条約違反だ。

「子どもの権利を守ってほしい」

これまでヴィンセント氏は、さまざまな法的行為を試してきた。日本の警察や司法には頼れないと知ると、EUや欧州議会に訴えるほか、2019年にはフランスのマクロン大統領にも面会し、支援を求めた。マクロン大統領は、ヴィンセント氏の訴えを受理し、日本に抗議した。しかし、事態はいっこうに改善しない。
 
その間にも、妻側が提起した離婚裁判は粛々と進み、年内には判決が出る見通しとなった。ヴィンセント氏は、今は子どもの親権者だが、裁判で離婚が成立すると、監護権をもつ妻が子どもの単独親権者となってしまう。

婚姻中で共同親権の状態にある今でさえ夫に子どもを会わせない妻が、単独親権者となってから、子どもを会わせるようになるとは思えない。ヴィンセント氏は危機感を募らせた。

そこで始めたハンガーストライキ。

ヴィンセント氏を支えるハンガーストライキ支援事務局によれば、このプロジェクトの立ち上がりは今年4月。オリンピックのタイミングに合わせてハンガーストライキを行うことで注目を集め、日本における子どもの権利侵害を広く訴えようと考えた。

マクロン大統領にもコンタクトをとっていた

ヴィンセント氏自身は、実際に子どもに会えるまでハンガーストライキを続ける覚悟だった。ふらついて倒れた際にけがをした手の手術を余儀なくされたことで、30日をもってハンガーストライキは中断している。

「子どもに会いたい」というヴィンセント氏の望みはかなわなかったものの、ハンガーストライキは事態の改善に向けて一定の効果があったと支援事務局では見ている。

「ヴィンセント氏の訴えが重大な子どもの人権侵害だということが理解されたのだと思います。初日から海外のメディアの取材が入り、フランスやイタリア、アメリカなど欧米諸国では大きく報道されました。最終的には、BBC(英国公共放送)で放映され、日本でも配信されました。ヴィンセント氏と同じように親子断絶に苦しむ当事者がたくさん現地に訪れ、これが個人の問題ではなく社会の問題であること、男女問わず誰にでも起こりうる問題であることを世間に示してくれました」(支援事務局)

日本のメディアは消極的だったが、これは想定内。日本にはこれまでの経緯から、日本のメディアが子どもの連れ去りや親権がからむ報道に、必要以上に慎重であることはわかっていた。実際、一度、記事になったものの、ヴィンセント氏の主張だけで相手方の主張が併記されていないとの理由で削除されたWeb記事もあった。

ヴィンセント氏は、フランス大使館を通じてマクロン大統領にもコンタクトをとっていた。マクロン大統領が現地を訪問し、直訴の機会が得られるのではないかとも期待された。結論として訪問は実現しなかったが、マクロン大統領は7月24日に行われた菅義偉首相との会談で、ヴィンセント氏が訴える子どもの連れ去り問題に言及。その結果、日仏共同声明のなかに領事協力として「両国は、子の利益を最優先として、対話を強化することをコミットする」との文言が盛り込まれた。

さらに7月30日には、パトリシア・フロアEU駐日大使をはじめフランスドイツ、イタリア、スペインなど欧州連合(EU)加盟国の駐日大使ら9人がヴィンセント氏を訪問し、連帯の意向を示した。

「これらのことは、ヴィンセント氏にとってはもちろん、日本人当事者、共同親権・共同養育支持者にとって決して小さくない成果だと思っています」(支援事務局)

子どもに会うことはできるのか

さて、今後だが、ヴィンセント氏は子どもに会えるのか。ヴィンセント氏が望んでいるのは、離婚をしても子どもの養育に半分携わる、欧米では当たり前のスタイル。はたして、それは実現するのか。

「正直、見通しは甘くないと思っています」と言うのは、ヴィンセント氏の代理人を務める上野晃弁護士。たしかにハンガーストライキには、一定の効果があった。終盤を迎えていた離婚訴訟に和解のテーブルが設けられる可能性が出てきたのも、ハンガーストライキが与えたインパクトのおかげだ。しかし、形式的に和解協議の機会が与えられただけでは、結局、双方の意見が一致せず、和解は決裂する未来が見えている。

「家事事件にせよその他の訴訟にせよ、裁判官は、当事者が抱く、『自分に不利な判決が出るのではないか』という不安を利用して和解を引き出します。例えば100万円を返してほしいという訴訟の場合、訴えた側が、『判決だと50万円くらいしか返ってこないかもしれない』と不安を抱く一方、訴えられた側が、『判決だと100万円を全額返せという判決が出るかもしれない』と不安を抱く。その両者が抱く不安を利用して『80万円でどうですか』と和解に導くことができるのです。しかしながら、今回の件を含めて日本の家事司法のように、子どもを連れ去った側に、確実に親権が得られる仕組みになっており、さらに連れ去られた親に子どもを会わせるか否かも連れ去った親に多大な決定権が事実上与えられている現状では、子どもと同居する相手側に、たとえば『ヴィンセントさんと子どもたちとの交流を年の半分くらい確保する』といった和解に応じる心理的動機付けが極めて乏しいと言わざるを得ません」
 
要するに、連れ去り勝ちを容認する法の運用実務がある限り、ヴィンセント氏の現状は好転しない。子どもの権利は守られない。

上野弁護士は、裁判所に法の運用実務を改める努力をしてほしいと言う。
「具体的には、フレンドリーペアレントルールの導入です。フレンドリーペアレントルールとは、子どもの親としての関係で、片方の親と友好的な関係を築くことのできる親のほうが親権者にふさわしいとするもの。このルールの導入によって、子どもの連れ去りや親子の引き離しは減るはずです」

個々の案件の積み重ねによって法の運用実務は変わる。弁護士や裁判官、調査官など家事事件に携わる人たちみんなが子どもの連れ去りや親子の引き離しに厳しい目をもつことで、少しずつ運用実務は変わっていく。

「当事者ではない、まったく利害関係がない人に子どもの連れ去りや親子の引き離しについて話すと、たいていは『それは酷いね』『おかしいね』といった反応です。それがふつうの感覚なんです。この問題を広く世間に知らせ、まわりの声を大きくしていくことが大切なのだと思います」(前出・栗原弁護士)

ヴィンセント氏の起こしたアクションは、その一助となったと思われる。それにしても、日本のメディアがヴィンセント氏のハンガーストライキをほとんど報道しないのはなぜなのだろうか。

 
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更新 2022-11-27 (日) 08:46:55
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